北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

東海道本線静岡県内 長距離移動に改善の必要性

2008-04-03 17:44:20 | コラム

■東海道本線各駅停車

最初にお知らせ。Weblog北大路機関はアクセス解析によれば昨夜2324時、OCN検索から“19年度11月期自衛隊行事”へのアクセスを以て、解析開始より39万アクセスを突破しました。たくさんのアクセスありがとうございます。

Img_9765  本日は、東海道本線のついて。東京~名古屋間の特に静岡県内の路線に関して。東京~名古屋間は、距離にして366km、在来線では所要時間六時間である。費用は、乗車券6090円で、新幹線利用の場合、所要時間は1時間45分前後に圧縮されるが、新幹線特急料金4890円が加算される。実は、東海道本線の東京~名古屋間は、新幹線以外の直通特急電車は寝台特急『富士』『はやぶさ』のみとなっている。

Img_8767  この極めて長い区間、在来線は基本的にロングシート車のみとなっており、特別快速、新快速の運行は無く、僅かに『ムーンライトながら』などが運行されているのみだ。確かに湘南新宿ラインや浜松・豊橋を基点として名古屋方面への新快速、特別快速は運行されているものの、快速電車を乗り継いで東京へ、ということは前述の『ムーンライトながら』を除けば不可能だ。

Img_2164  クロスシート車としては、東京~沼津間の普通列車にはグリーン車が編成に組み込まれている。普通列車用グリーン券の料金は50km以下750円、100km以下950円、150km以下1620円、150km以上が1900円となっている。なお、グリーン券を購入したとしても指定席ではないことから座席を確保できる保証が無いという問題点がある。

Img_8783  静岡県内だけで新幹線停車駅は、熱海・三島・新富士・静岡・掛川・浜松と六駅にも達しており、新幹線を利用しなければ、この長大な区間をロングシートの普通電車で移動するか、寝台特急を利用する以外方法は無い。JR西日本のアーバンネットワークを支える223系やJR東海が新快速・特別快速などで多様する313系(ただし、熱海~浜松間で運用する313系2000番台はロングシート車)などが基本的にクロスシート車であるのに対して雲泥の差だ。

Img_8785  東海道本線には特急列車の回送を利用したホームライナーが運行されており、『ホームライナー浜松』『ホームライナー静岡』『ホームライナー沼津』が運行されている。これは、310円の乗車整理券を購入することで乗車できる。一部通過駅もあるので若干早く目的地に到達できないことも無いが、東海道本線では、接続の時間に限界があるので、乗車整理券を買ってクロスシートに落ち着く、というイメージか。

Img_8795  373系の『ホームライナー浜松』。逃がし日本旅客鉄道では、ホームライナー専用としてダブルデッカー方式の215系を導入したが、ホームライナー専用でも良いので、クロスシート車輌を東海道本線静岡県内に導入することは出来ないだろうか、また、6駅の新幹線接続が可能(在来線富士駅と新幹線新富士駅は距離があるが)とはいえ、もう少し昼間快速の充実を図れないものだろうか。

Img_7278  ロングシート文化からクロスシート文化に入れ替わるのが浜松駅。隣には遠州鉄道線(天龍浜名湖鉄道を乗り継ぐと、一応JRと競合するかたちになる)。そして、名鉄と並行する豊橋~岐阜間では新快速・特別快速が全速力で運航される。ただし、名鉄岐阜駅で名古屋本線との競合区間が終わると、新快速・特別快速は途端に各駅停車を始める。

Img_8253  JR西日本のアーバンネットワークの場合、阪急・京阪と競合する京都~大阪間や阪神阪急と競合する大阪~神戸間は全速力で運行し、山陽電鉄と競合する姫路(網干や播州赤穂)までは新快速が運行されるが、その先は普通列車が幅を利かせており、京都~米原間は近江鉄道と競合するため頑張るが、米原から敦賀までは各駅停車となる。

Img_7000_1  京阪電鉄は特別料金不要の特急電車に同じく料金不要のダブルデッカー車、テレビカーを連結し運行しており、阪急特急もクロスシート車ながら特別料金は不要だ。名鉄特急も一般車(350円のμチケットが必要な特別車のみの運行もあるが)にセミクロスシート車を連結して運行しており、並行するJR西日本、JR東海は前述のようにクロスシート車を新快速・特別快速に充当して対抗している。

Img_8792  JRは、私鉄と競合しない地域では普通列車以外の運行は緩慢となるように、前述の事例をみると思えてくる。無論、私鉄が並行していない地域では当然旅客需要の相違があるので一概には言えないのだが、それでもクロスシート車の導入と利便性向上は行い得るのではないか。

Img_1509  JR東海313系は数的には充分な車輌数が維持されている。ロングシートの2000番台以外の車輌を静岡県内の運行に投入することは難しいことでは無いように思う。また、クロスシート車では混雑時に対応出来ないのでは?という疑問も提示されるかもしれないが、313系は名古屋を中心とした通勤輸送に対応している。静岡市や浜松市、沼津市方面への通勤ラッシュの度合いは浅学にして知らないが、名古屋や大阪都市圏よりも、混むという話は聞かない。

Img_2432  JR西日本223系は姫路から神戸、大阪、京都を経て米原を抜けて敦賀に至る244kmもの長大な路線を新快速として運行している。静岡県内では沼津や島田、静岡、浜松といった、途中乗り換えが必要であるが、熱海~豊橋間の距離は189kmで、これは姫路~米原間よりも短い、快速、新快速でなく各駅停車であっても、思い切って直通運転を行ってみてはどうか。

 東海道本線には、いまや、在来線には高速バスの格安ツアーという競合先があり、新幹線以外に、安価に移動できる手段への需要は少なからずある。東海道本線の東京~名古屋間における利便性向上には、それなりの意義はあると考えるのだが、どうだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (4)
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