北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中央リニア新幹線構想進展・800両を越えた首都圏E233系 ほか

2008-04-02 12:00:39 | コラム

■中央リニア新幹線 のぞみ号をリニア化

 鉄道に関する話題を幾つか掲載したい。最初はリニア新幹線について。東京~名古屋間を最短40分で結ぶ中央リニア新幹線構想。2月20日の経団連講演会におけるJR東海の発表で、具体的構想が示された。

Img_1626  中央リニア新幹線は、始発駅を東京もしくは品川とし、2025年営業開始を構想。近傍輸送を新幹線、遠距離輸送をリニア、と選択できるよう整備する方針。最終的には大半の『のぞみ』号をリニアにて代替する構想があるようだ。運賃は東海道新幹線普通運賃に1000円程度の上乗せという見通しで、南アルプスの地下を貫き、路線の80%を地下化することで騒音や線形問題に対処する。さらに、数分間隔の運行を構想しているという。

Img_8982  以上のニュースは毎日新聞3月6日、中日新聞2月21日の内容であるが、この場合、『ひかり』号の高速化がどの程度行われるのか、などについて興味が持たれる。3月15日のダイヤ改正のおいてN700系の『ひかり』号運用が暫定的ながら開始されたが、今後性能的にN700系を大きく上回る新型新幹線車輌の開発が行われるかも含めて興味が持たれる。

Img_1817  他方で、山陽新幹線は、リニア新幹線の導入構想が目下予定されていないことから、当分先ではあるが、2025年のリニア新幹線導入後、順次『のぞみ』号が新幹線からリニア新幹線に移行することで東京~博多間の『のぞみ』号は減便となる。こうした変動に際しての『ひかりレールスター』運用の進展などにも興味は尽きない。

■JR東日本E233系 800両

 首都圏で多く導入が開始されたE233系通勤電車であるが、新年度までに800両以上が導入されている。

Img_9656  導入から一年足らずで中央特快201系を代替したE233系、既に中央線用に10輌編成×42、6輌編成×28、4輌編成×25が導入されている。ただし、青梅方面には今後も予備車輌として10輌編成×2の201系が維持されるという。またE233系は京浜東北線で1000番代が既に120両導入されており、総数では既に800両に達している。

Img_9703   京浜東北線用のE233系導入イより、既存の209系などもいよいよ先が見えてきたようだ。東海道本線運用の近郊型E233としてセミクロスシート車やダブルデッカー方式のグリーン車(東京~熱海間)を中間に挟んだ編成も導入が開始となる。

■N700系派生型 九州山陽新幹線直通用に開発

 2011年の九州新幹線・山陽新幹線直通を前に、N700系を基本形とした新型車輌の開発を発表した。

Img_7628  急勾配の多い九州新幹線区間に対応するべく、全電動車編成を採用、ひかりレールスター並の車内内装を目指す。JR西日本が19編成、JR九州が10編成の導入。毎時一本以上の運転を目指す、ただし、東京~博多間の新幹線利用率が5~6%程度であることから、採算性の問題で、新大阪以東の東海道新幹線には乗り入れないとされる。先行生産車は秋ごろに運行試験を開始する見込み。

■0系新幹線 6月までに3編成へ減少

 秋には全廃される0系新幹線。3編成が引退を前に、デビュー当時の塗装に戻されるというのは既報であるが、この再塗装の計画が公表された。

Img_1723  旧塗装に戻される0系新幹線は、現在在籍する六編成のうちの半数にあたる三編成。塗装費用は総額2000万円とされるが、この塗装車輌の運行が開始される時期から塗装変更を行わない三編成の除籍が開始され、6月までに廃車となる模様。必然的に、山陽新幹線塗装の0系新幹線は今年六月までに全て姿を消すこととなる(0系新幹線の保存車輌は多いが、多くは旧塗装であり、山陽新幹線塗装の0系は、本当に見納めとなるやもしれない)。

■カシオペア塗装EF81 あけぼの牽引

 『北斗星 夢空間』の廃止は記憶に新しいが、『夢空間』を牽引していたカシオペア塗装のEF81に関する話題。

Img_2150  東京上野と青森を結ぶ寝台特急『あけぼの』であるが、最近の『あけぼの』はカシオペア塗装のEF-81電気機関車が牽引している。基本的に全区間を同じ電気機関車が牽引しているとのこと。ところで、この『あけぼの』は指定席特急券で乗車できる簡易寝台の設定もあり、東北新幹線延長後も健在である。この運行形態は、九州ブルートレインにも反映されてしかるべきだったのでは、と考える。

■彗星・あさかぜ用14・24系寝台車輸出

 ブルートレイン廃止の背景に車輌の老朽化があるとされるが、そこに一石を投じる情報。

Img_0332  寝台特急『あさかぜ』、『彗星』用14系寝台車、24系寝台車計32両がタイ国鉄に譲渡されることとなり、下関港からタイに輸出された。一月末には回送として電気機関車により自走した車輌もあり、一応、再利用に耐える程度の状態が保たれていたことを示している。夜行バスへの需要を見れば、寝台券の価格再設定を行えば夜行需要はあるといえる中で、寝台車の老朽化が思ったほど進んでいないことは、一つの再考への機会を与えられたようにも思う。

■嵯峨野観光鉄道トロッコ列車 運行再開

 京都の鉄道に関する話題。最初は嵐山のトロッコ列車に関する話題。

Img_9916  3月1日より、嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車が運行再開となった。トロッコ列車は、嵐山から亀岡までを結ぶ観光列車で、保津峡など、風光明媚な区間を運行している。運行は毎時一本程度で、所要時間は往復で50分程度。観光シーズンになるとチケットの入手は困難となるが、現時点では乗車率は高いもののまだ、乗車は可能な程度。

■京福電鉄新駅開業

 京福電鉄の新駅開業に関する話題をひとつ。

Img_9958  京都市営地下鉄東西線の路線延長に伴い、地下鉄との連絡を期して3月28日に嵐電天神川駅が開業した。これにより、地下鉄乗り換えが可能となり、京福電鉄の利便性が大きく向上した。地下鉄連絡と新駅開業という変動に伴う輸送需要の増加を見込み、廃車予定であったモボ301の運転再開など、話題に事欠かない京福電鉄だ。なお、京福全線で、新駅開業を祝うヘッドマークを搭載した列車運行を行っている。

■阪急サクラシーズンのヘッドマーク

阪急電鉄では、京都線の6300系特急車輌などを中心にサクラシーズンのヘッドマーク車輌を運行している。

Img_9972  サクラシーズンヘッドマークは京都線の6300系を中心に5300系普通電車にも取り付けられて運行されている。阪急では嵐山線などに上下線入れ替え駅などのホーム両端が桜並木となっているポイントなど風光明媚なポイントがあり、加えて阪急河原町駅が清水寺や高台寺、八坂神社などが並ぶ東山などへリンクの利便性が良い。阪急電鉄は祇園祭などのヘッドマーク運転でも知られている。

■名鉄1600形特急車一部を廃車

 7000形パノラマカー廃止に揺れる名鉄であるが、さらに一つ注目の情報。

Img_7532  8800形特急電車や特急用7000形白帯車の代替として導入された三両特別車編成の1600形特急電車であるが、支線特急体系の見直しと全車特別車編成の特急を振子式制御装置搭載の2000形に統一する構想から、この1600形も一両を廃止し、二両と2200形一般車四両の新編成に移行することとなった。一部とはいえ導入から十年での廃車開始は名鉄特急として最短命の車輌となりそうだ。名鉄については後日詳しく改編を紹介したい。

■青函トンネル・瀬戸大橋 開通20周年

 本州と北海道、四国を結ぶ青函トンネル、瀬戸大橋が開通20周年を迎える。

Img_8576  1988年3月13日に開通した青函トンネルはこのほど20周年を迎えた。同時に、新幹線共用化工事がいよいよ本格化している。いまやブルートレインの代名詞的存在となった『北斗星』であるが、青函トンネルとともに本州と北海道が結ばれ運行が可能となった背景がある。

 1988年4月10日に完成した瀬戸大橋では、20周年記念イベントなどが計画されている。

HARUNA

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コメント (6)
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