七歳。

ハルの誕生日だった。 七年前を思い起こしてみた。 初めての出産、育児。自分のことだけを考えていた毎日が一変し、誰かのために生きるという、私の人生の役割が与えられた日だった。 あれから七年、月日の流れは早い。 両腕にかかえられながら、子守歌を聞いて寝ていたハルは、今は私の膝の上で暗算をし、自分の意見を言う。 時には反抗をし、私に背を向ける。　また、妹たちに本を読んでやり、お使いにも行くようになった。 ぽちゃぽちゃしていた体が、硬く、男の子らしくなった。　乳歯が永久歯になり、時間を見て自分の用意ができるようになった。 私の気持ちを理解し、私の機嫌をとることもする。 この七年はハルを大きくした。 私も七年で母親らしくなってきた。 ママァ～から、お母さんって感じ？ 今日のケーキはお決まりの手づくり。 蒸しケーキにホイップとフルーツ。 飾りつけを悩んでいたら、りーが「ハルの顔にしようよー！」と言った。そして、愛用の包丁
でパイナップルを切って目と鼻にし、イチゴでほっぺと眉毛、口を作った。 危ないなぁ～と怯える私をよそに、りーはさっさと包丁を使い、見事に顔を作り上げた。 りーも成長してるんだと感じた。 何でも手を出さずに、見守るのも、親の務め。 かわいいケーキとなった。ロウソクを立てて歌を歌う、 不揃いの前歯を覗かせて、うれしそうに笑うハル。 こんな笑顔をいつも見ていられるよう、私は家族の太陽でありたい。