芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

上條氏の教え

2010-05-23 08:47:34 | 心に残った話、出来事
先日、上條氏に師事された御夫婦が、仕事場に見学に来られた。
別の用事で来られたのだが、折角なので技専校ではどんなことを
教わるのかを聞いてみる事にした。

・鵤工舎に負けない様な職人を育てたいので、質問しても答えないのが
 俺の考え方だ

・鉋の仕込みや砥ぎについては「鉋大全」に書いてある事が基本で
 それ以上の事をやってみたい者は自分で研究する事

・削ろう会には、生徒の分際では参加するな等々

その他、砥面の直し方については、キングの♯1000を3丁使い、
6面それぞれを摺り合わせて平面を保つ事、金盤の平面も
キングの摺り合わせで行う。

平面の確認には定規を使ったりするのかの質問には、
定規を使わないと分からない人は、そのレベルの返答をする。

とにかくその人のレベルに応じて、見えていない人、感じられていない人には
能力以上の事は言ってもらえないらしい。

当たり前と言ったら、当たり前だが、言われる方とすれば戸惑ってしまう。
確かに「鉋大全」に書いてある事は、普段上條氏がやられている
方法や道具を紹介していない事に少し疑問を抱いていた。

その代わり各々が努力訓練をして、実力が付いてきたら、
「お前大分出来てきたな、もう少しこうすればよくなるぞ」
等の声を掛けてくれ、自分が気付いてきた事を気付いてもらえて
うれしいと言われていた。

ここしばらく毎年地元長野で研修会があり、私自身上條氏に何度か
質問をした事があったが、その度につれない返答しかなく、
不満を感じていた。つまりは私自身のレベルが低く、
それなりに応対されていたという事。




「何くそ!」と思い、以前より遥かに道具を触るようになったのだが
この事は、上條氏から直接的な事は教わらないが、知らず知らずの内に
思惑にはまっているように最近感じる。


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