HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

「深部静脈血栓症」は脚のふくらはぎから始まる!

2022-08-27 18:25:16 | 医療
 上皇后様が「深部静脈血栓症」と診断されたというニュースがありました。
当院でもふくらはぎの違和感で受診されて、下肢静脈エコーをして
深部静脈血栓症と診断したので、親近感を感じました。




下肢のエコー検査で診断することができます。
新しい血栓は、見ただけでははっきりわからないので、圧迫などの
操作が必要で、診断に少し経験が必要です。

特に脚が腫れた人は要注意ですが、ふくらはぎのヒラメ静脈だけだとあまり症状は
ないことがあります。





「肺血栓塞栓症」が広く知られるようになったきっかけは
新潟の中越地震からです。
大学の後輩の榛沢和彦先生が被災地の避難所で下肢静脈エコー検査を
行って明らかになりました。
2、3日以上の避難所生活や車中泊をすると、水分補給が少なく
動かずにいる高齢者で下肢に「深部静脈血栓症」が生じる危険性が
高いことがデータで示されています。






 榛沢和彦先生が「ヒラメ静脈血栓」がエコノミークラス症候群になると
言い出したころは、大学の第二外科教室内でも本当かと感じた人が
多かったですが、今では誰もが知っている病気になりました 
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