新型コロナ患者の全数把握が困難となり、見直しについて発表がありました。
患者情報の入力に手間と時間がかかることが根本的な原因です。
「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html
コロナ関連で作られた日本の電子システムはどれも実際の運用で支障ばかりです。
これはコロナ関連の電子システムだけでなく、医療の電子システム全般にも言えるのですが。
HER-SYSは患者数が少なくて1日数人の登録を前提としたものに思えます。
システムデザインとして事細かく入力させるのではなく、他から情報を引っ張ってきて
入力の手間を省けるようにすることが必要です。
当院で運用するPACS(医療用画像管理システム)では、患者名、性別、年齢などは
レセプトコンピュータ(レセコン)から入力されます。
HER-SYSでもレセコンと連携して手作業で入力するのは2、3個程度にすることが
できれば入力の手間が大幅に削減できます。
大学病時代にシステムエンジニア(SE)の患者さんと話をしたことがあります。
SEは完璧なシステムを作るために大きくて動作が重いシステムを目指すが、
実際に使うユーザーとしては使う機能を絞った小さくて軽い動作でないと
使い勝手が悪いと伝えました。
日本の医療ITはユーザーの使い勝手が無視されて、ユーザーに手間のかかる使い方を
強要するものばかりです。HER-SYSも同様です。
医療のIT化が言われていますが、ユーザーの使い勝手からシステムを構築しないと
使い物にならいと感じます