一般的にはニュースになっていませんが、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が
社会保障制度の改定検討して、資料を財務省のホームページに公開しています。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427.html
ご覧になった方は少ないのではないと思いますが、われわれ医療関係者にとっても
医療や介護を受ける国民にとっても大きな内容です。
今後5年間で2兆円から2.5兆円の社会保障費の伸びを抑制する方針で、
診療報酬改定については「マイナスが必要」と明言しているとのこと。
多岐にわたる内容なので、ここでは詳細については触れませんが。
気になるページがありました。
「生活習慣病治療薬の処方のあり方」
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427/01.pdf
資料の37ページ
当院でも高血圧の患者さんに「降圧薬(血圧を下げる薬)」を処方します。
いろいろな薬があり、日本の「高血圧治療ガイドライン」では薬剤の選択は
患者さんの状態により主治医が判断して選択しています。
http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/post_3.html
われわれは患者さんの病状を考え、時には患者さんの懐事情も考慮して
薬を選択しています。
今回の改正案では、薬剤価格によって薬剤選択の医師裁量を
制限しようとしているのでしょうか?
医療の根源に関わる問題を含んでいますが、医療界でも話題になっていないのには
驚きます。
ついでのいえば、ここでは高価な降圧薬とされたディオバンやブロプレスは
昨年になってジェネリックが発売になり、ディオバン80mg109.10円に対して
ジェネリックは54.60円になっています。
以前のブログでも紹介した当院での降圧薬の処方ですが…
http://blog.goo.ne.jp/halclinic/e/467a5e4490c055f5155eb6f2678bc932
ARB/ACE系とCa拮抗薬は同じくらいの処方率でした。
われわれも自分の診療内容を見直し、再評価することが必要になりますが、
価格だけからの薬剤選択の押しつけは御免被りたい。
患者さんを直接見ている担当医がシッカリ判断して決めたいと思います