つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

辞世の句(Ⅱ)

2008-05-30 04:58:40 | 俳句
「旅に病んで夢は枯野を駆け廻る」。

これはあの松尾芭蕉の辞世の句としてあまりにも有名だが、
実際には最後に作った句ではないと言われている。

もう1つ、自らの癌闘病中に綴った江国滋氏の名著「癌め」
の最後に“敗北宣言”の前書きと共に、「おい癌め酌みかわさうぜ秋の酒」
と辞世の句が添えられている。

しかし、これもある作家がこの句は闘病中すでにこういう結末を
予測して用意していたんではないかと、書いてあったが
わたしもそう思ったし、私自身でもやるんじゃないかと思えるのである。

なにせ江国滋氏といえば紀行、随筆、評論、エッセイの名手として
知られる人なので、このぐらいのラストは死の病床にあっても
書ける人なのである。

それでいいんではないだろうか、やはり辞世の句となれば
それなりの名句を残したいのが人情である。

死の間際のうつろいの中で変な辞世の句を作ったらそれこそ
浮かばれないというものだ。

実はわたしもすでに辞世の句は用意してあるのだが、昨日
書いたようにそれは日々枕元で更新されるかもしれないのだが、
実はその後さっぱりできず、相変わらずベッドに横たわると
すぐグースカ寝入ってしまい、名辞世の句は夢の中で作って
いるのが現状なのだった。

ダメだこりゃ。





コメント
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