つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

プレッシャー

2012-09-30 14:07:02 | ちょっとした出来事
どういう訳だか、お仕事をいただいてしまった。

「理科の探検」SAMA企画、という真面目な科学の
本なのだ。まあ、年に4回発行の季刊誌ということで、
「気楽に…」と、同誌でイラスト描いているHさんに
誘われたのである。

しかしながら、仕事となると当然締切りという、漫画家
時代に、さんざん味わった恐怖を思い出さだるを得ない。
せっかく、仕事からのプレッシャーからも解放され、
悠々自適とまではいかないまでも、お気楽人生に
入っていたとこなので、またあの恐怖を味合わなければ
ならないのかと思うと、ズ~ンと早くもプレッシャーが
のしかかってくるのだった。

Hさんに、丁重にお断りしたのだが、「季刊誌だし、
まあまあ気楽に…」と勧められ、うなづいてしまったのだ。

その後の編集長とのやり取りの中で、わたしの作品の
「はいまん彩そのままでいいんじゃないですか」とおっしゃって
いただいたので、がんばってみることにした。

そしてやっと先日、1回目の入稿をすませたのだった。
正直、ホッと一息ついているとこなのだが、いまは
仕事をいただいて良かったと、心底思っている。

それというのも、このところ日々の料理のほうに
気持ちが向き過ぎていて、お絵かきスイッチが
なかなか入らないでいたのである。それが、この
仕事のお蔭で、久々にスイッチが入ったのだ。

その後も、完成途中でストップしていた絵を
引っ張り出して描き始めている。スイッチさえ入れば、
絵のほうに自然に気が向かうようになるのだ。

もうすぐ、2作目が描きあがる…。久々に気合が
入ってきた。

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里山の星④

2012-09-22 06:45:13 | ちょっとした出来事
里山に昇ってくる朝日を、カメラマンの感写さんと
それぞれの撮影ポジションに陣取って撮り始める。

台風が接近中だというのに、昨日より雲もなく、
里山は朝日に照らしだされて、清々しい姿を
見せ始めた。
ひとしきり撮り終えると、「また鬼ヤンマの所へ行って
みますか」感写さんの言葉で、池の方へと移動した。

池はキラキラと朝日に輝き、
水面には白い
睡蓮が花を開いて、
きのうとは一味違う姿を見せている。
池の上は、赤トンボがちらほらと見える程度で、
鬼ヤンマは姿を見せていない。しばらく写真を
撮った後、わたしはぶらりと池の奥に続く道なりに
歩を進めると、林の入り口にチェーンが掛けられ、
立ち入り禁止の立札が…。

3年前に来たときは無くて、奥へと入ったのだ。
しかし、鬼ヤンマがこの奥で何かに留まって
寝ているかも…。我が好奇心が動き出すと
もう止まらないのである。

チェーンを乗り越え、奥へと入って行った。

道が二つに分かれていて、左には道の真ん中に
檻のようなものがデンと置かれてあって、後で感写さんに
見てもらったところ、イノシシ、シカ、サル用の罠だとわかった。
ひえ~イノシシはまだしも、シカにサルまでいるとは…。

躊躇する感写さんを悪魔の道に(笑)引っ張り込んで、
チェ~ンを越させたのだった。細い道だったが、くっきりとして
林の奥へと続いていた。
時折見かける掘り起こされたような足跡は、多分
イノシシだろうと思われるのだが、かなり大きいので、
まさか、クマ…ふと、頭をよぎったが、二人で顔を見合わせ
苦笑いしてしまった。

行く道すがら、「おお~いいなあ~」と、感嘆の声を
あげつつ、感写さんがしきりにシャッターを切っている。
朝日の光差し込む樹林の陰影は、感写さんにとって、
悪魔の道ではなかったようであった…。












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里山の星③

2012-09-20 12:33:02 | ちょっとした出来事
ビールを飲み干す頃には、里山はすっかり暮れて
真っ暗になっていた。

「星がきれいですよー」と感写さんが道路へ出て
空を見上げている。わたしも見上げると、空一面に
星がビッシリと瞬いている。

名古屋市内では、こんなには見えないのだ。同じ
愛知県内だというのに、この違いは何なんだ…。
驚きとともに感激が押し寄せ、思わず道路に
寝ころんで両手を広げた。いま満天の星がわたしの
腕の中にあふれたのである。

しばし、星空に酔った後、ハウスに戻って呑みなおした。
純米酒、焼酎と、とっくに我が限界は超えていたが、
分かっちゃいるけど人間の悲しさは、もはやブレーキは
利かなかったのである。

案の定、トイレでもどし、里山の星の下にて、あえなく
撃沈したのだった…。

翌朝、トンビの鳴き声で目が覚めると、5時である。
感写さんはすでに寝床にはいない。

きのうハウスに入る前、Kさんが「トンビに餌をやるので
行きますか?」というのである。手にはパンの袋を
持っている。それはぜひ写真に撮らなくちゃあと、
スタンバイしていたが、結局、トンビは電柱に止まって
見ていたが、変なオッサン2人がカメラを
構えていたためか、警戒して去ってしまったのである。
「いつもはすぐパンを取りにくるんだけど…」と
Kさんも苦笑い。

「明日の朝、鳴いていたらこのパンをやってください」
と、頼まれていたのを思い出し、パンを持って鳴き声の
する方へと出て行った。里山の空はすでに白んで
いたが、まだ日は出ていなかった。

トンビが数羽旋回している。わたしはこれ見よがしに
パンを差出し、その手を大きく振った。しかし、何度
やっても取りに来ないのである。あきらかに
Kさんではないことを認識していて、来ないのだった。
つまり、わたしは認知されなかったのである。

内心ムッとして、「Kさんでなくて悪かったなぁ」と
捨てゼリフを吐いてあきらめたのだった。

感写さんは、日の出を狙ってカメラアングルを探っていた。
聞けば、昨夜の星が気になってあまり眠れず、夜中に
起き出し、星を眺めて写真に撮ったのだという。

「昨夜のよりうんと綺麗だったですよ」と、三脚を据えて
撮った写真の画像を見せてくれた。

やがて、夜明けの太陽が昇ってきて、里山の
二日目の幕が開いたのだった…。


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里山の星②

2012-09-19 14:16:41 | ちょっとした出来事
里山に到着したときは、すでに午後3時を
過ぎていて、Kさんの里山ハウスを覗くと、
Kさんがすでに待っていた。

ハウスに入ると、掘り炬燵形式の長い
テーブルがあって、そこへ座って談笑した。
キッチンはもちろん、バス、水洗トイレも
完備されているので、「これはりっぱな
別荘じゃないの」と言った感写さんの
感想もオーバーではないのだ。

一息ついた後、早速池へと案内されると、
赤とんぼの群れを蹴散らすように、鬼ヤンマが
池の周りを巡回している。よく見ると、時折
銀ヤンマも姿を見せていた。

鬼ヤンマ大好きのわたしは、鬼ヤンマ見たさに
ここへ来たと言っても過言ではなかったので、
感激もひとしおだった。3年前に来たときは、
6月ということもあって、鬼ヤンマは、まだ姿を
見せなかったのである。

感写さんは、すでに池の周りでシャッターを
切りまくっている。

Kさんは、昔の里山復元を願って、メダカや
絶滅が危惧される水性昆虫などを、全国
各地から集めて来て、この池に放流しているのだ。

3年前の6月頃には、池が真っ黒になるほどに
オタマジャクシがいたのである。

やがて、鬼ヤンマのメスがやってきて、もつれあっている。
Kさんによれば、ついこのあいだ池に尾を付けて卵を
産んでいたそうである。そうなれば絶好のシャッター
チャンスだったのだが、この日はついに留まることは
なかったのだった。

ひとしきり写真を撮り終えると、はや5時をまわろうと
していたので、本日は切り上げようということで
ハウスに戻った。

Kさんは、翌日所用のため、ハウス内の使用
説明をした後、鍵を預けて自宅に戻って行った。

今夜は、この別荘にて泊めていただく約束を
交わしていたので、後は、感写さんと二人で
酒盛りである。つまみに買ってきた刺身と、
感写さん持参の純米酒、それに来る途中で
調達した芋焼酎などをテーブルに並べて
取り敢えずは、ビールで乾杯をした。

外はすでに暗くなってきていたので、「感写さん
せっかくだから外で飲みましょうよ」と言って
ビールとタコの乾き物のつまみを持って、
枯ハスの田んぼ近くの土手に腰を下ろした。

思えば、昨年の菜の花酒から始まって、いま
枯ハス酒である。ビールのほろ酔いの中に
里山は、静かに暮れていった…。



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里山の星①

2012-09-17 09:21:20 | ちょっとした出来事
昨年豊川の佐奈川縁でカメラマン感写さんとの
菜の花酒の際、里山造りのに精を出してるKさんが
合流。その時「来年里山へ二人してお邪魔しますよ」
との約束を交わしていた。

その約束を果たすべく、日程の調整が整ったので、
感写さんの車に乗せてもらって出かけた。

なにせ、愛知県のはずれの山の上にあるので、
普通に行けば3時間以上はかかる。そこで、高速を
使って行くことにして、AM10時頃に名古屋を
出発した。

まずは途中の豊川で、展示でお世話になっている
ギャラリー喫茶「奈邪」へ寄り道。東名高速を使っているので、
本来ならば1時間足らずで「奈邪」に着けるのだが、
事故渋滞に遭い通常の2時間近くかかってしまった。

二俣博さんという方から写真展の案内状をいただいて
いたのである。

ひょいと覗くと、いつものマスターの顔が「あら」という
顔になる。元気そうだ。小腹がすいていたので
コーヒーとスパゲティーを頼み、さっそく展示の
写真を見て回る。モノトーンで統一された雫、それが
集まってできる雲の写真が、20~30号の大きな
額に写っている。

なかなか味わいのある作品である。聞けば二俣さんは
プロの写真家ということだった。同じカメラマンの
感写さんは、相当刺激を受けたようで、何度も
お気に入りの雲の写真に見入っていた。

ひとしきり話込んだ後「奈邪」を後にした。
目的の山の上まで道がごちゃごちゃと
分かりにくいのだが、感写さんの車には
強力な助っ人のナビが備えてあるのだ。

女性の声の案内が流れ、的確に信号の
少し手前から右へ左へ、斜め前なども
言ってくれるのには、ナビを備えていない
私は感心した。

谷沿いの道を登り始めると、途中から気圧が
変わるためか、耳が詰まってくる。大あくびをして
気圧を合わせ、上って行った。途中に見晴らし
のいい一角に差し掛かると、車を路肩に止めて
ひとしきり撮影会である。再び出発し、ナビのお蔭で
なんなく到着した。

ここだここだ…。久々に訪れたわたしは、一気に
以前の感慨に包まれたのだった。里山一帯には
赤とんぼが飛び回っていて、ハスの田んぼはすっかり
枯れはちすに覆われていたのだった。

面白かったのは蝉の声で、名古屋では聴けない
ミンミンゼミが鳴いていて、後でヒグラシまで声を
添えたのである。同じ愛知県内でもこれほどの
差があるのかと驚かされた。無論うれしい驚きだ。

この時期の里山は、より静かな風情だった…。

以下、次回へ。

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