前向きな人生の整理整頓

人生も後半、一日が短いです。明日やると思っても、若者のようには明日はたくさんないのかもと気づいた今日この頃

ヒーローはいないけれど/Footloose

2010年08月21日 02時35分15秒 | 映画
現実逃避 80年代に時間旅行というタイトルで書いていた頃の記事です

再三ここに書いていますが、わたしはあまり学校が好きではありませんでした。
群れで行動するということがどうも窮屈なのですね。
だからといって、ルールを守らないとか、秩序を乱す行いは大嫌いで、
正しくあろうとすると非難されることもあって、疲れる場所でした。
そんな心の内を誰に語ることもなく、おそらく極めて『普通』に過ごしていました。

だから、夏休みのような長いお休みってホッとするんです。八月も二十日を過ぎると、
学校が始まることが嫌で嫌で堪らなかった覚えがあります。

夏休みと言っても、親はいつも忙しくて、家族で旅行なんて行ったこともありませんし、
何をするわけでもないのですが、学校に行かなくていいというのが、わたしにとって何よりの幸福でした。
好きな音楽を聴いたり、絵を描いたり、漫画を読んだり、映画に行ったり、
嫌々プールに行くこともありましたが、それだけで十分幸せでした。

84年の夏休み、公開間もないFootloose/フットルースを観に行きました。
閉鎖的な田舎町に都会からやってきた転校生が、恋をしたり、禁止されていたロックとか、ダンスとかで、
大人とか、学校に挑み、卒業パーティを開催することで閉鎖的な町に風穴を開けるというようなお話でした。

わたし自身が田舎の窮屈さから逃げ出したい真っ最中でしたから、スクリーンの中の、
そんなヒーローの登場を胸ときめかせて観た覚えがあります。

もはや、胸ときめくこともなく・・・ときめく必要もないと、思うようになりつつある昨今ですが、
この暑さにあたったのか、忙しすぎたからなのか、おかしな回路が働き、ドキドキしたり、ひどく緊張したりします。
これは・・・単なる動悸か。

私的なことだけど、先月の終わりから逃げ出したいくらい忙しくて、心も身体もヘトヘト。
それに加えて、いい年したおっさんの非常識さに振り回されて、ものすごいストレス。
誰が聞いても間違っていると思うけど、こいつ一言でも何か言うとすぐに腹を立て、不必要に人を傷つけるので
面倒くさいので、我慢、我慢・・・こういうのってすごくストレスになります。
あまりのストレスで、免疫が落ちると病気になるので、この場で発散します。
「いい年して、すぐに腹を立てるな いつも王様気取りで、人に命令ばっかり、もう少し人のことを思いやる心を持ったら? 
嫌なことから逃げてばっかりだから愚痴っぽいの 嫌なこととも向き合いなさい」

と、今回疲れのピークにこいつに傷つけられたので、もうわたしも大概にいい年ですけど、泣きたい気分でした。
そこを踏ん張って我慢しましたが、

助けてくれる人もいて、ときめきではないけれど、人の親切が身に沁みました。シクシク 
おっさんにいじめられた後に、無口な若者に「毎日暑いですね 大丈夫ですか」などと言われただけで、
なんと爽やかなのでしょうと・・・汗まみれの心をきれいに、きれいに洗って天日に干したくらいすっきりしました。
またひと月、ふた月頑張れそうです。
本当は逃げ出したいけれど、ヒーローなんて登場しませんからね。

80年代の映画(特に若者向けのね)は同時にサウンドトラックもヒットして、フットルースもその一例です。
最近でもCMに使われていましたね。
リメイクされるというような話もあったような?
あと、当時はそんなに有名じゃなかったけど、サラ・ジェシカ・パーカー/Sarah Jessica Parker
が、お友達役だったかな・・・。(余談だけど、この人一人で見るとそうでもないけど、イメージより小柄だな)

映画もすっきり明快で気持ちいいけれど、音楽もとても良いです。
夏の終わりになると、思い出す映画です。
それにはもうひとつ理由があって、この曲  を聴くと夏休みの終わりを思い出すからかも。それはまた次回に 
Almost Paradise - Mike Reno & Ann Wilson





ある年の夏

2010年08月05日 04時11分32秒 | 四季折々
現実逃避 80年代に時間旅行というタイトルで書いていた頃の記事です

もう随分長いこと生きておりますが、今年の夏は人生史上最高に暑い気がします。
もっと辛い夏は過去にあったけれど、暑さは格別。

数日前のこと、中学の頃の同級生が亡くなったことを知りました。
そりゃあ、わたしも年をとって、夏の暑さも耐え難い年齢ですが、まだ死ぬには早い年頃です。
病気?事故?・・・考えたくはないけれど・・・卒業してからは一度も会ったことがないし、
接点もないので、知りようもないし、積極的に聞きまわって知ろうとは思いません。

どこの学校にも、ちょっと目立つグループっていますよね。彼は隣町のそんなグループの一人のようでした。
体力のないわたしは学校が遠かったので、通学だけで手に余る日々でしたが、色気づき始めた友人は、
中学になって同じ学校になった、ドラマの主人公か歴史上の人物みたいなロマンティックな名前を持った
男の子二人のことを帰り道によく話題にしていました。
わたしは、クラスが違って少し棟が離れていたので、彼らにお目にかかる機会はあまりありませんでした。

二年生になって、同じクラスになり親しく話もするようにもなりました。
今思い出したけれど、
「Kさんは見た目と違って話をするとイメージダウンだ もっと大人しくて淑やかな人かと思っていた」
と、親しくなってすぐに言われた覚えがあります。
でも、それって正しいよ。わたし、本当は静かな方が好きなのです。知らない人とか、
気を遣う相手だと沈黙が窮屈だったり、聞かれたくないこととか、
話題にしたくないことの予防線で、仕方なくおしゃべりになるから。淑やかとは言えないかもしれないけれど。

彼ともう一人の、M君とも親しくなったけれど、少し気分屋というか、思慮も浅くて、
そういう部分に傷つけられることもあって、ちょっと付き合いづらい人だったと記憶しています。

そしてその年の夏休み、(きっと今頃ね)臨海学校で同じ班になりました。
M君とは対照的に穏やかな印象の彼は、暗闇や幽霊を怖がっていましたっけ・・・・・。
そして、ある一面のみ趣味が悪いところがありましたが、それはここには書かないでおきます。
優しかった彼が、今向かっている道が暗闇ではありませんように。

学校帰りの道路沿いに彼の家はあり、バイバイと手を振って扉の中に入る後姿を今も覚えています。
きっと何度もそんなシーンに遭遇したのだと思いますが、卒業以来一度も会うことなく、
その中のひとつが永遠のバイバイとなってしまいました。
そして今は、道路の拡張であの家ももうなくなっているはずです。

そろそろ折り返しなのかもしれない。そう思うと随分長く生きています。
人生規模で考えると一刹那のちっぽけな思い出ですが、残るのは思い出だけなのです。
あの夏、海でわたしは最後の日焼けをしましたっけ。(最後と決めている 酷い目にあったから)これも思い出。
こうやってわたしは思い出を積み重ねていくのでしょうけど、H君、ここに記したあなたの思い出、
(大したことない思い出ですけど)
それはあの夏の日焼けの痛みと同様、暑い夏に記憶の底から引っ張り出し、思い出すはずです。
不思議だなぁ。
もうあなたの顔や姿もそんなにはっきり思い出せないのに、声の響きだけはよく覚えています。  合唱