前向きな人生の整理整頓

人生も後半、一日が短いです。明日やると思っても、若者のようには明日はたくさんないのかもと気づいた今日この頃

ただ夢を・・・/Michael Jackson 4

2009年07月01日 02時18分48秒 | 音楽
現実逃避 80年代に時間旅行というタイトルで書いていた頃の記事です


それ以前にも何度か観たことがありましたが、数年前、ルキノ・ビスコンティ/Luchino Viscontiの
ルードウィヒ 神々の黄昏/Ludwig完全版を観ていたときのことです。
若いころ見た時はだだ、ただ耽美な世界に見入っただけでしたが、この時はルートヴィヒ2世に
ついても多少は知っているつもりでいたので、内容以外の細部に目が行きました。
衣装の仕立ての良さ、色調、贅沢な調度品、ヘルムート・バーガー/Helmut Bergerのマント姿、
ロミー・シュナイダー/Romy Schneiderの黒衣の装い、召使役まで完璧のマルク・ポレル/ Marc Porel 。

確か、リンダーホフ城の洞窟(人工の鍾乳洞)にアヒルいや、白鳥の船をぷかぷか浮かせているシーンを観て、
「こんな人、他にもいたなあ、誰かに似ている誰だったっけ? 」 そうだ、そうだ、マイケルだ マイケルみたいだ。
ネバーランドで子供たちとジエットコースターに乗るマイケルと、人工鍾乳洞でアヒルじゃなかった、
白鳥の船を浮かべてそれに乗るルートヴィヒを重ねてみたことを思い出しました。

浪費、極端に何かに入れ込み、信用できる人がいない、いや、お人よしに信じてみたら、
手痛い裏切りに合う、そしていつしか変わり者扱い、等など。
King of pop マイケルと夢の王ルードヴィヒ2世に重なるものを見たのはわたしだけではないはず。

わたしのよく知っているMichael Jackson は間違いなくスーパースター。
一体いつから「ちょっと変な人」になってしまったんでしょう?
一体いつからあんな不健康な印象になってしまったのでしょう?
個人的にはトレンス・トレント・ダービー/Terence Trent D'arby(最近はどうしてるのかな?)
みたいな雰囲気に見え始めた頃からあれれっ?と思っていたのですが、最近ライブを楽しみにしていて
色々な昔の画像を見ていました。中でも下に埋め込みましたCMのかっこよさに ズキューン 
Michael Jackson on Japanese TVCF "SUZUKI LOVE"


目がきれい 50ccに乗るマイケル すごく健康的で溌剌としている印象
http://www.youtube.com/watch?v=aK2WYNBnU40&feature=related

思えば、報道でも「90年代に入ってからは奇行が目立ち・・・」なんて言われ方をしてます。
確かに、人間誰にでも変な部分があるのと同じ以上に、何処とは言いませんが、
特殊なところはあったかもしれません。
しかしです、いつも奇行を説明する時に出てくるドイツのホテルでの赤ちゃんの一件は
大げさに言いすぎだと思います。赤ちゃんをみんなに見せてくれただけのこと。
あと、裁判沙汰になって近年のマイケルの精神面、経済面を最も苦しめた一件については、
個人的には、判決通り無罪を信じています。
狂人扱いを受け、退位に追い込まれたルードヴィヒ2世。
マイケルもどこか奇人に仕立て上げられていった気がしないでもない。
次第に話題になると「今度は一体何を仕出かしたの」と思いつつ、前にも書きましたが、
何でこんな変なことで取り上げられるばっかりで、歌を歌わないの?と、段々変な人にされて、
「変な人マイケル」しか知らない世代が増えてきて歯がゆく思っていました。
だから、本当に楽しみにしていたんです。コンサート。

まだ、マイケルの死について現実味がありません。
プレスリーが今でも生きていて、たくさんの目撃情報があるというように、
今後マイケルを世界中のあちこちで見かけたという話題が出てきそうな気がします。
自分からも、世間からも逃れて自由になるための大掛かりな嘘なのではないかと思ってみたりもします。

オーストリア皇后でルードヴィヒ2世とは縁続きのエリザベートは彼のよき理解者だったとのこと。
ルードヴィヒ謎の死を受け、彼は決して精神を病んでいたのではない、
単に夢を見ていただけだと言ったそうです。
わたしはマイケルのよき理解者ではありませんが、彼は奇人でも変人でもなく、
ただ純粋にみんなに夢をみせようとしてくれただけだと思えてきました。
死後の報道で、ゴシップ以外にコンサート成功に向けて、一生懸命努力していた様子が伝わって
きたことがこんな時に不謹慎ですがとても、とてもうれしかったたからです。
歌わなくなったマイケルを理解できずにいましたが、報道の様子から本当に
体調が悪かったんだろうなあと今は思います。

みんなを喜ばせるためには、自分の中にある理想の自分でいる必要がマイケルには
あったのかもしれません。それも他の人よりかなり極端に。
年を重ねることで、そういうこととは段々折り合いがつくものですが、彼はそうじゃなかった。
あるいは、深みにはまりすぎてつけようにもつけられなくなっていたのかも。
享年50歳、似合う、似合わないなんて言い方は変だけど彼には50歳は似合わない。
それは、40歳だったとしても同じだったかもしれません。
でも年取ったマイケルにバラード集作ってほしかったんだけど
彼がそうありたかった、ピーターパンよりも、わたしには最後は段々、
ボロボロになっていく幸福の王子みたいな印象です。
世界中の人が心待ちにしていたコンサート、どこかでつばめが力尽きてしまった・・・

お葬式でも終われば、その死を受け入れざるを得ません。
日本人としては、亡くなった人を悪く言うことには眉根を寄せてしまいますが、
暫くは、あることないことを書きたてられるでしょう。
残った子供たちが傷つくようなことがありませんように。
余談ですが前回、比較したひばりさんとは命日まで一日違い。天国では言葉の壁もなかろう。
Ben  くらい、いい友達になれるかもしれないよ、マイケル。 左様なら