グレンフェル・タワーは、1974年に竣工したが、あれだけの建物なのに、何故2方向避難がされなかったのか、それとスプリンクラーの未整備は、日本では考えられない。考えられないと言えば、その平面計画であるが、周囲に住居、中央にEV2基と階段が1箇所。この階段とEVルームは縦方向へ繋がっており、まさに巨大な煙突になっている。今回の火災で助かった人も、黒煙が酷くて呼吸が出来ず、階段を探せなかったと言う。
消火活動の妨害だったのは、2016年5月に行われた外装工事だろう。既存の躯体はコンクリートで、その劣化を防ぐ為に外側へ断熱材と空気層、仕上げは3mmの金属パネルだった。所謂、外断熱だが、空気層が煙突の役割をし、断熱材を燃やすも、金属パネルが邪魔をして消火が出来なかったと言う。外断熱の空気層も、縦方向だけで無く、横に通気止めが着いていたが、それが逆に水平方向に延焼させる事になったのである。
イギリス国内には、このグレンフェル・タワーのような外壁を持ち、不適格な高層住宅が60棟余りもあると言う。こんな事を言ってはなんだが、比較的低所得者の人達が住んでおり、改善するつもりはあるのかなと疑わしい。イギリスは最近難民や移民の受け入れを縮小する動きを見せている。国民の職業先が奪われているのと同時に、イギリスの無料の医療制度を利用して、高額な手術などを受けるだけに訪れる旅行者や偽移民もいると言う。それにテロのおまけ付きではたまらない。今回の火災の救助活動が進まなかったように見えるのは、私の勘違いなら良いのだが。
最後に、財産の全てを失った被災者達に、翌朝、地域の人達が自分たちの家から救援物資を持ってきて「救援物資BOX」に次々と入れるところがBBCで放映されていた。国の動きよりも、住民の動きが速くて暖かいなと感じた。
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