まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

バブル入社組みとは

2005年04月06日 | 社会的全般
今では、バブル入社組み、と言われるほど、当時は完全な売り手市場であった。
ほんの数年の出来事であった。
R社が、中途採用キャンペーンを精力的に行い、転職者のステータスをあげ、
特に女性においても、転職が、肯定的なシステムとして社会に認知されたのもこの頃。
言ってみれば、終身雇用の崩壊への萌芽がこの時期に表出していたわけだ。
やはり、先鞭をつけたのは、技術系の会社。新技術なりを開発し、商業ベースに乗せるためには、
必然、中途採用に頼らざるを得ない。まだ、IT関係は、今で言うITとは認知されていなかった。
そのため、中途採用を専門にした就職情報誌は、いきなり、辞典並みの厚さに成長し、
各社、少ない転職者を求めて、激しい待遇合戦を繰り広げていた。
ということは、R社の営業は、ほとんど、入れ食い状態。
まともなガッツがあれば、ほどなく、安定した給与と、称号を獲得することに問題はなかった。
そこで、彼らが、他の営業マンとの差別化を図るために、当社のテレマを勝手に採用した。
えっつ?
はい、R社の、ある営業部が、他の地域の営業部と差別化を図るために、我々とジョイントした。
社内抗争なんである。
ようやく認知されたフリーダイアルを、でかでかと採用。
土日、夜間12時まで、受け付けと、説明会のインフォメーション、そして、質問点については、
取りまとめて、人事担当者からのコールバックを申し上げる、というパッケージである。
これが、受けた。
広告掲載から、約1ヶ月間を契約期間として、主に港区、千代田区などを管轄としていた営業部が、
このシステムを売り歩いてくれた。
驚くことに、1ヶ月30数社が、こぞって、このシステムを採用した時期もあった。

もちろん、その都度、会社に伺い、ある程度のヒアリングをして、マニュアル化し、
オペレーターマニュアルとして、製本化するわけだ。
当時は、笑えるが、画期的だったらしい。ようやく、ハードディスク搭載なるPCが出現した
ご時世である。容量なんて、40MB。確か、MSDOS時代だ。コピーもフォーマットも、
すべてコマンドを打ち込んでいた時代だ。
それで作成したマニュアル。手書きではない、というレベルから、高年者に驚きをもって迎えられた。
そして、今では本当に当たり前なマニュアル、でさえも、とにかく重宝された。
後日、NTTのテレマの会社を訪れたとき、自分が作ったマニュアルが、丁寧に改訂されて
オペレーターに配布されていたのには笑えた。
中には、R社を飛ばして、人事部の交流関係で、知りましたと、年契で採用を申し込まれた
企業もいたが、手にはしっかり、コピーのコピーで劣化した、あのマニュアルがあった。
今では、もちろん、ありえないが、そんな時代だったんで。ある

一方、新卒者では、一応就職協定などで、各企業のフライングを抑制していた。が。
そんなこと、当たり前のように、手を変え品を変え思いっきりフライングしまくっていた。
セミナーだ。
説明会ではない。セミナーである。何の?何でも良いのです。テーマは。
だから、皆さん、色々と考案されていました。もちろん、受けては会社説明会と知っています。
世間に言い訳がたてばよいのです。
この作業は、アウトバウンドが前面にたった。
膨大な、どこで集めたのか、リストに向けて、セミナーの告知を、対象者めがけてかけまくる。
当然ながら、一部上場企業クラスでも、鼻から一流大学の新卒者をあきらめにかかっていた。
ごくたまに、早稲田だ慶応だのリストが混在することもあったが、
こんなお宝リストは、直接人事部長が電話をし、なんと、訪問セミナーといった直談判もどき
の作業に活用されていたわけで、我々にはまわってこない。
新4年生の何月から、解禁。がまだ3年生の冬に、なり。大学によっては、新3年生から、
囲い込みが始まっていた。まじである。
ほとんど、飲めや歌えや。名古屋の某会社なんぞは、入社した人間に、社用車として、フェラーリ。
そのために、セミナーと称して、どこぞのサーキットを借り上げ、参加者にその車を運転させた。
ライバルの企業が説明会をこの日程で行う。その情報をもとに、内定者を招集。
3泊4日のリゾート研修!冬なんかでは、あのビクトリアさん、研修参加者に、
もれなくスキーセット、最新モデルをお持ち帰り。
まぁ、現金など、交通費として、当たり前のようにでていました。
研修長者みたいな、なまいきな学生も当然いました。
だから、それを知る人間たち。今のご時世で、当時の怨念を吐き出すのは当たり前。
その頃、散々振り回された人事担当者が、今では立派な役員クラス。
バブル入社組みを冷遇するのは、わからないでもないが、
結構、会社の仕組みなり、営業品目を全く無視して、ただ集める作業に恍惚となっていたのは、
あなたたちだったような、気がしないでもありませんが。