GOSEO BLOG

2-0が怖いのではない、お前達の勘違いが怖い

チョウさん

2017-10-29 22:00:04 | 日記
ベルマーレがJ2優勝を決めた。チームのホームページに監督のコメントがでている。

「今年J2に降格して、去年の試合内容や、僕の言う言葉が、自分で言ってて何か嘘くさいなと思うこともたくさんあって。その嘘くさいというのは、当たり前だけど勝点3を目指すスポーツであるのに、何か勝点3以外の条件だったり、勝点3以外のものを無理やり引き出しから引っぱり出して、「赤の服よりこの服のほうがいいんじゃない、いやいやそれは赤の方がいいってみんな言ってるから」というような気分になることがすごくありました。だからもう未来とか、10年後とか5年後とか、僕には考えてできないと。もう僕がそれ考えてやろうとしても結局は、10年後に至らないまでに何かアクシデントで、例えば明日お腹が切られて足と頭だけを残されたらどうなってしまうんだろう、というような。だから、スペインのキャンプからここに帰ってきて、プレマッチから、前期のスタートから10試合ぐらいまでは、船を漕いでいても「どっちに行くんだろう」「このまま沈んでしまう可能性もあるけどまだ浮き上がれるな」「じゃあどうやったら浮いていけるんだろう」という感じでした」。

私は先日の衆議院選挙で、あまりにも政治がくだらないので自分なりに公を考えてみた。その際、遠くの理想に向かって何かをやっていくのってむずかしい(共産主義への移行期間としての社会主義みたいなのを含めて)、途中でポシャってしまうことをわかっていながら理想を言うのは何かごまかしがあると感じていた。で、それの対処には湘南のGET3みたいなアプローチで、まずは目先を充実させ続けるんだろうなと思っていた。

その参考となる湘南スタイルの指導者であるチョウさんが、上記のような正直なコメントをだしているのを読んでとても共感した。「だからもう未来とか、10年後とか5年後とか、僕には考えてできないと」。この言葉って、当事者として先頭きって走る人にしか吐けない言葉ですよね。ここまで正直に出せるのってすごくないですか?そりゃ正解の見えない中で先頭きって道を造って行くんだから迷いはありますわな。こういうところがすごーく信頼できます。

ナイトスクープ的社会を実現したいという私のビジョンを達成する戦術としてダイアログってのがありますが、それは正解の見えない中をみんなで知恵を出し合って迷いながらであっても少しずつ前進する社会です。それをベルマーレが体現してくれてると改めて感じました。戦後アメリカの庇護の下、恵まれた状況の中で加工貿易に精を出していれば暮らしが良くなるという単純な正解に向かっていればよかった時代は終わり、必要な物は行き渡り、更に付けるべき付加価値も搾取する先ももはや無く(最後の搾取先はくだらないテレビCMに乗せられて無人契約機で金を借りちゃう国内のバカのみという状況)経済が停滞し次の正解が見えない中で共生をしていくには、ベルマーレの進み方はとても参考になるなあ。

迷いながらの日々であってもチョウさんを動かしているのは「キジェくんとサッカーがしたい」(著書に書いてあったエピソード)という言葉、心、なんだろうと思う。