麻生大臣の老後2000万足りない発言を聞いて最初に思ったのが、そろそろ黒田バズーカなるインパール作戦が限界に近づいてきたかということ。
半年に一回くらいこのブログに書いているが(ネタ元は橋本治)、資本を投下してそれを超える付加価値を生み出す資本主義のやり口が、すでに生活に必要なものは行き渡ってしまった社会で限界を迎えている(日本ではもう30年前に)。それでもその主義を無理やり回していこうとすれば、ムリムリでも付加価値を生み出すために歯ブラシの毛先が球とか先細とかになってくる。
資本主義でこのままいくことを前提にするなら(そうせざるを得ないと思う)付加価値をいかに生み出すかを考えること、産業構造の立て直しが必要だが、そんなのは前例がないから日本人には無理。黒船襲来以来外国の正解に追いつき追い越せを目的に設計された教育を受けた学校秀才であればあるほど、正解のない中で産業構造を組み立てるなんてできない。ジャパンディスプレイの失敗や官製クールジャパンのグダグダなど失敗事例を生み出し続けている。学校秀才がそんなのやったってうまくいかないの一発でわかるじゃん。無理だよ。
今から15年くらい前に確定拠出年金なる制度が始まったが、新たな産業構造を作ることができないので金が金を生むの世界で対処療法をするために要はお金市場を活性化させるために年金資産を強制的にぶち込んだ。
それも効果がなくなって、次は日銀に国債や株を買いまくらせた(黒田バズーカ)。それも限界になってきたんで、団塊世代がため込んでいる貯蓄をお金市場に出させるために2000万たりないなどと危機感をあおっているのが今回の件なんじゃないの。それってもう太平洋戦争末期に鉄が無いからお寺の鐘を集めてる状況と同じだろ。また松脂で飛行機飛ばすのか。
もうあんなわかりやすい形で黒船は来ないんだよ。正解はない。それを前提に、正解を自分たちで作ることを始めないといけない。政治家や旧帝大の学校秀才にまかせてブーたれるの姿勢から、みんなが引き受けて考えるをやらないと。
とはいえ、そんな高邁な思想は日本人の現実に響くことはなく、にっちもさっちもいかなくなった焼け野原状態まで行かないと機能しない。でもこれだって、わかりやすい大空襲や原爆投下はもう来ないんだよ。ここ30年と同様これからもゆでガエル状況が進行していくだけ。本質から目をそらし、麻生が報告書を受け取るかなんてくだらないことを話題にしながらみんなで茹で上がっていく。
上記のような分析的態度は中山秀征道に反するものだが、ここ最近の修行の反動で書いてしまった。シューイチを見て落ち着こう。