goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

篤姫御用達

2009年09月14日 | 09 花たち



【ナタマメ・鉈豆】マメ科ナタマメ属

最初にお断りしておきますが、この花に出会ったのは7月20日です。
その時点では、花名も判らないままでした。

蔓性だし、マメ科の植物だとは一目で判りますが、蝶形花は3cmほどと大きいし、なんだか角々(かくかく)した印象のある花だと思いました。
マメ科の花の持つ、丸みを帯びた柔らかさに欠けますね。

でもなんだか面白い花です。

すでに実が付いていましたが、ピロ~ンと長いんですよ。
これで30cmほどもありましたかね。

初対面でもありますしね、取り敢えずと思い、カメラに収めておきました。
他のマメ科の花たちの写真も撮り貯めていましたので、纏めて紹介出来ればいいかなと思っていました。
ところが花を取り巻く諸事情、諸条件、その他個人的な事情など諸々あって、紹介することなくきてしまいました。

8月23日に行ってみると、大きな莢に育っていましたよ。
こちらで20㎝ほどでしょうか、小さいほうです。

この時点でも、まだ名前は判っていませんでした。
調べもしませんでした。

 

花も莢も個性的だし、初対面という大きなアドバンテージを握っているわりには、ワクワクしなかったんですよ。
何故だか興味が削がれてしまい、今年紹介するのは見送るつもりだったんですけどね。


何日か前、1週間ほど前になりますか、ラジオ深夜便から「ナタマメ」って言葉が聞こえてきました。

あっ、そうか・・・ あの豆の正体は、ナタマメだったんだ

それ程、名は体を現すような豆の形です。

ご覧になってお判りのように、「ナタマメ・鉈豆」の名前は、大きな莢の形を「鉈」に見立てたことに由来します。
刀豆(トウズ・タチマメ・ナタマメ)、帯刀(タテワキ)とも呼ばれるそうです。


調べてみました。

ナタマメは、熱帯のアジアやアフリカが原産の蔓性の多年草ですが、耐寒性などの問題があり、日本では1年草として扱われています。
古い時代から栽培され、わが国には中国を経由して江戸時代の初期に渡来したとされ、主に関東以西の暖地で栽培されていました。
食用や漢方薬の原材料として利用されていたそうです。

花色は白またはピンクがあり、30~40cm、ときに50cmにもなる長くて大きな莢を付けるのが大きな特徴です。

ナタマメは、以外にも身近なところに存在していました。
若い実をスライスしたものが、「福神漬け」の素材として使われているんだそうです。
いかがですか、ご存知でしたか?
知らずに食べていたかたたち、多いんじゃないでしょうね。
ただし、安物の福神漬けには、入っていないことがあるそうです。
おじさんは福神漬けはちょっと苦手なので、食べたことありませんけどね。

福神漬
非発酵型の漬物の一種で、ダイコン、ナス、ナタマメ(鉈豆)、レンコン、キュウリ、シソの実、シイタケまたは白ゴマなどの7種の野菜類を細かく刻み、醤油と砂糖やみりんで作った調味液で漬けたもの(Wikipediaより)


以前から漢方薬としては使われていましたが、近年の健康食品のブームのなか、ナタマメは健康茶として人気があるようです。

期待できる効能
排膿、消炎、鎮咳、去痰、血行促進、腎機能向上、扁桃腺炎、痔、蓄膿症、鼻炎、歯槽膿漏、口内炎、便秘、湿疹、腎機能障害、痰の出る咳、化膿性の湿疹、アトピー性皮膚炎、中耳炎、腫れものの症状緩和


そう言われればと思い出しましたが、鹿児島産のナタマメの広告が、新聞の一面を使って掲載されていたのを、見た憶えがありますね。
鹿児島では、「タッパケ漬け」として、今でも食べられているそうです。

刀豆ナタマメ協会のサイトでは、篤姫や赤穂浪士に絡んだエピソードが掲載されていますよ。
大河ドラマ「篤姫」のなかにも、ナタマメが登場したそうですけど、憶えていません。

「ジャックと豆の木」の「豆」は、「ナタマメ」だと書かれているサイトがありましたが、真偽のほどは判りません。