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goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

冬の苗代 -赤い実同盟レポート-

2007年01月21日 | 「赤い実同盟」


暖冬の影響で、花の世界では早い春がやってきておりますよってお伝えしておりますが、どっこい、「赤い実同盟」のお仲間も負けてはいませんでした。



「ナワシログミ・苗代茱萸」グミ科

もともとグミのお仲間のなかでは、花時期が秋、実の熟れるのが春という変り種ではあるのですが、今年は冬真っ盛りのこの時期に、赤く熟れておりました。

「ナワシログミ」という名前は、苗代を作り出す頃に実が熟すからとの説明が、各サイトでされています。
4~5月頃といわれております。

過去記事を当たってみますと、昨年は3月19日の出会いで、4月1日に「春一番の実」のタイトルでアップしておりました。
このナワシログミの前で、お花見の中年グループが陣取っていたのを思い出しましたよ。

いやいや、2ヶ月も早く春の赤い実をゲットするとは・・・

甘味もちゃんとありましたよ。


口無し -赤い実同盟レポートー

2007年01月17日 | 「赤い実同盟」

梔子の実が色付いているのを、晩秋の頃から見かけることができるようになってましたね。
私の回りでも、ところどころで見かけておりました。
赤い実センサーはそれなりの反応をしてたのですが、写真に撮っても、発表するには物足りないものしか集められなかったので、じっと待っておりました。
先日そこそこのものに出会えたので、紹介することにいたします。



「クチナシ・梔子」アカネ科

初夏の頃、甘い香りを漂わせてくれた白い花には、このような少しユニークな造形をした実が生るのですよ。
ただし八重の花には実がつくことはありません。
実をつけるのは、一重の花の品種のものだけです(今現在の私の知識では、そう把握しております)。

私は子供の頃、梔子の実を食べたことがありますが、ほんのりと甘かったのと、種子ばかりだったという記憶があります。
そのまま食べる文化は、まずないでしょうね。
乾燥させた実は、古来より薬草として、また着色料として使用されております。
近々では、お節料理のキントンの、黄色い色を出すために使ったというかたもいらっしゃるかもしれませんね。


漢名では巵子、または梔子という。
「巵」とは酒など入れて貯蔵する器のことで、「子」とは果実のことをいいます。
果実の形が、酒を貯蔵する容器に似ていることからの命名です。
和名の「クチナシ」とは、「口無し」、熟しても開かない実の状態から名づけられたというのが定説です。
「クチナシ」で検索すると、ほとんどの記事に、そう記されています。

その定説に異を唱えているものがあります。

憶えてくれてますでしょうか?
パソコンに触れられなかった時期に、昔買っていた「積読本」を引っ張り出してきたら、植物関係の本だったって話。

中村浩 著「植物名の由来」も、その一冊です。

そになかで、「クチナシ」の名前の由来について、少々面白いというか、かなり強引な説が展開されておりました。            
内容を、かいつまんで説明いたします。

元来、「クチナシ」が「口無し」であるという説に疑問を抱いていた。どう考えても納得できない。
何故なら、この木だけが特に口無しということではない。

裂開しない果実はいくらでもある。
リンゴ、ナシ、モモ、ミカン、サクラ、ビワ、ウメ、スイカ、キュウリ、ナス、カボチャなど、普通の果物はたいてい口無しであり、ムベ、エゴノキ、ガマズミ、クロガネモチ、ヤマボウシ、ヤマモモなども口無しである。
口有りは、ザクロ、クリ、アケビ、ゴンズイ、トベラ、マユミ、ツバキ、コブシ、ツルウメモドキ、マメ類などで、裂開する果実はむしろ少数派である。

なのに「クチナシ」だけが「口無し」とされるのはおかしいのじゃないか?
これには、何か別の意味があるように思える。
 
クチナシの名を冠する植物をあたってみると、「クチナシゲサ(ゴマノハグサ科)」と「クチナシジョウゴ(イラクサ科)」がある。
このうち「クチナシグサ」は、梔子に実の形が似ていることからの命名なので外す。

「クチナシジョウゴ」のクチナシとは、どんな理由による命名なのかしらべてみる。
「クチナシジョウゴ」とは、もともと「クチナワジョウゴ」と呼ばれていたもので、「クチナワ」とは漢字では「朽縄」、すなわち「蛇」のことである。
ゆえに「クチナワジョウゴ」とは、蛇が好んで食べる草という意味である。

「クチナワ」は「クチナシ」に変化しやすい言葉であろう。
したがって「梔子・クチナシ」も、「クチナワ」が変化した名ではないかと考えられる。
それなら、梔子と蛇とは何か関連するようなことがあるのであろうか?
梔子の木を眺めていても、蛇と関連するようなものは見当たらない。

そこで私は考えた。

梔子・クチナシの古名は「クチナワナシ」ではなかったのか?
「ナシ」とは「梨」であるが、普通の果物としての「梨」ではなく、木になる果実の一般名として受け取れる。
例えば、「アズキナシ」「ヤマナシ」「サルナシ」等、梨とは似つかぬ小粒の果実に、「ナシ」という名がつけられている。

「クチナワナシ」は変化して「クチナシナシ」になるが、「ナシ」が重複しているので「クチナシ」になったのではないか。
つまり「クチナシ」は「口無し」ではなく、「朽梨」ということになる。
「朽梨」とは「朽縄」の「梨」、すなわち「蛇梨」という意味だと思われる。
ゆえに「クチナシ」とは「口無し」ではなく、「蛇は食べるが人間には食べられない」というような意味だと思われる。

いかがでしたか?
納得できる結論でしたか?

前半部の、裂開する果実のほうが少ないという記述は、納得できます。
なのにこの植物にだけ、特別「口無し」という意味の名前がつけられたのか、おかしいんじゃないかというあたりまでは。

その後に展開される記述は、なんだか強引な力技のように思うんですがね。

梔子・クチナシの古名は「クチナワナシ」ではなかったのか?

この飛躍には、オイオイって、突っ込みを入れてました。
古名?
それを持ってきた根拠がわからないです。
そもそも古名って、あったのですか?

結論の「蛇梨」には、あんぐりです。
何も蛇まで持ち出さなくても、とね。

蛇は食べるが人間には食べられない」という記述は、あきらかに嘘ですからね。


この一文を読んだあと、大笑いしちゃってたんです。
学者先生が、こんなに言葉をいじくり回していいのかよ。
こんなこじつけが通るのなら、何でもありなんじゃないのかよ。
あなたが所属している世界は、言った者勝ちの世界なんですかってね。




ところがですね、こんなことになってましたよ。

今回この「クチナシ」についての記事を書くに当たって、改めて検索してみました。
Google検索のトップに、「Wikipedia」の「クチナシ」の項が出ているのですが、その記事のなかに、本日私が取り上げた「クチナシ=クチナワナシ」説が掲載されていたので、またまたびっくり。
このWikipediaの記事の引用は、あきらかに「植物名の由来」からだと考えられます。

かなり怖い気がしてます。  
Wikipediaで「クチナシ」を検索した人が、この先「クチナワナシ」説を広めていくことになるんじゃないかって。

この手の情報、確かにあるんですよね。
間違っているものが勝手に一人歩きするってことが。
個人がやっているサイトから収集する情報は、大したものじゃないくらいに考えていないと、とんでもない結果を招くことになるかもしれません。
ただね、今回のWikipediaの「クチナシ」についての内容は、出典がわかっているだけに、怖いと思います。


06年度同窓会 -赤い実同盟レポートー

2007年01月12日 | 「赤い実同盟」

「赤い実同盟」隊員の私は、この秋も赤い実を求めて走り回っておりました。
赤い実の旬は、やっぱり秋から初冬にかけてですからね。

思わぬパソコンのデータ消失事件や、デジカメの不調等、トラブル続出でしたが、なんとか集合してもらえました。
昨季に出会って、紹介済みの「赤い実同盟」のメンバーたちがほとんどですが、今季の姿もお見せいたしますね。
さしずめ「赤い実同盟」の06年度の同窓会ということでしょうか。

「この子は誰?」クイズにしようかとも思ったんだけど、正月そうそうですからね、今回は素直に紹介することにしました。

写真下の名前をクリックすると、花のページにリンクしています。

すでに姿を消しているメンバーもいるので、撮影日を書いておきます。
 


「シロダモ・白だも」クスノキ科 11/18

シロダモの名前は、同じクスノキ科の「タブ」の木に似ていることから、葉裏が白い「シロタブ」が変化して、「シロダモ」になったようです。

赤い実のなかにある種子は、昔からローソクの原料になっていたそうです。

1年かけて熟れる赤い実で、写真には収められませんでしたが、同時期に花も見ることができます。


「シロダモ」雄花 11/23

雌雄別花です。



「ガマズミ・莢迷」スイカズラ科 11/04

「赤い実同盟」の新メンバーです。

日本全土に分布しています。
子供の頃、この赤い実を食べたことがあります。
甘酸っぱかったように記憶してましたが、今回は食べていません。
果実酒などにも利用されるようです。

名前の由来は、よくわからないとの記述が多いのですが、あるサイトでは、「昔はガマズミの幹や枝を鍬(くわ)の柄に使っていたことから、カマがつき、赤い果実を染料の原料として使っていたことから、ゾメがつき、カマゾメが転訛(てんか)して、ガマズミになったといわれている。また、ズミは、果実に酸味があることから、酢味(すみ)から転嫁して、ガマズミの名になったという」と出てました。



オトコヨウゾメ・男杳染」スイカズラ科 11/30

「ガマズミ」が参加してくれたおかげで、「オトコヨウゾメ」の名前を説明しやすくなりました。

「ヨウゾメ」は「ガマズミ」の別名です。

ガマズミは食べられるけど、こちらは人間には食べられない(鳥さんにはご馳走です)ので、オトコがついて、オトコヨウゾメになりました。
食えないオトコ」として昨年纏めた記事を、ご覧になってください。

「コソネ」という別名もあります。



マユミ・檀」ニシキギ科 11/30

濃淡の違うピンク色です。

材質が強く、よくしなることから弓の材料になったのが、名前の由来だということは、前にも書きましたよね。
まゆみちゃ~~ん



ベニシタン・紅紫檀」バラ科 11/14

実はですね、今までこの植物を「ベニシタン」と紹介してきましたが、少し揺らいでいます。
いえいえ、大まかなところでは間違いではありませんが、「ベニシタン」で検索して出てくる画像を見比べてみると、こちらは葉っぱがね、大き過ぎるように思うのです。
花色も、こちらは白でしたしね。

「ベニシタン」にも、何種類かあるようです。

「コトネアスター・ラクテア」という品種かもしれません。
まだ確信できていません。

「コトネアスター」とは、「ベニシタン」の別名です。


12/24

私が見かけるのは、匍匐性の特性を活かして、グランドカバー風に植えられているものが多いのですが、写真のように垂らして栽培しているものもありました。

こちらの方が、すっきりしてて綺麗にみえます。
 


カナメモチ・要黐」バラ科 12/17

生垣などで使われていますよね。
新芽が赤いので、見ればわかると思います。
より赤い芽の「レッドロビン」は、改良種です。

この子も、「赤い実同盟」の新会員です。

扇の要(カナメ)に使用されたのと、次に紹介するモチノキに似ていることから、カナメモチになったそうです。

でもモチノキのお仲間ではありません。
こちらはバラ科ですから。



モチノキ・黐の木」モチノキ科 12/13

クロガネモチの方が多くみられますが、時折モチノキにも出会います。
刈り込まれている株が多いです。

モチノキ科の仲間は、樹皮から鳥黐がとれるのが特徴のようです。
鳥黐の作り方は、こちらで。



ソヨゴ・冬青」モチノキ科 11/30 

私の環境には、ソヨゴの街路樹が2箇所あります。
赤い実が可愛く揺れています。

そよそよと風に葉がそよぐところから、この名前をいただいたようです。



ナンテン・南天」メギ科 12/05

難を転じるというのが、名前の由来です。

今年もお世話になりました。

正月飾り」「赤色リース」「薔薇の木」と、goro'sの正月を飾りつけていただきました。



アスパラガス・スプレンゲリー」ユリ科 12/17

昨年はなかなか紹介できなかったのですが、今年はすんなり出会えました。



センリョウ・千両」センリョウ科 12/30



マンリョウ・万両」ヤブコウジ科 01/07

千両、万両はおめでたい赤い実として、正月から活躍してますよね。


01/07

写真がイマイチですが、斑入りで歪性の万両にも出会いましたよ。 


雀と烏 ー赤い実同盟レポートー

2007年01月07日 | 「赤い実同盟」


昨年は、初めての蔓性植物に数多く出会えました。
記事でもそのことは書いております

最後に出会ったのが、この丸くて、独特の模様をした赤い実です。

早速紹介しますね。


「オキナワカラスウリ・沖縄雀瓜」ウリ科

スズメウリ」の記事のコメントで、知ってはいるが出会ったことはないと言ってたら、たまたま近所の柵にぶらさがっておりました。

いやぁ、聞きしに勝る可愛いヤツでした。

直径2~3cmってところでしょうかね。

白い模様が独特でしょう?
まだ青い実のときからくっきりみえますし、赤い実になると尚一層コントラストがきれいです。

名前が示すように、南西諸島には自生しているそうです。

実はこの赤い実には、11月下旬に出会ってました。
何故アップするのが遅れたかというと・・・

私のスケベ心からです。

出会ったときには、赤く熟れた実が1個しかなかったので、蔓の上にあるたくさんの青い実がもう少し熟れてきたら紹介しようかなと、そう思って待機してたのです。

少し遠回りにはなりますが、出かける毎にこのお宅の前を通って、こまめにチェックしてたんです。

画像がよくありませんが、これは12月28日に撮影したものです。
出会ってから1ヶ月以上経ってますが、熟れ具合には、あまり大きな変化はありません。
ただ蔓はへたってきていますがね。

これが最後の出会いでした。
30日には、跡形もなく処分されておりました。

新年を迎えるにあたっての大掃除で、家人が処分したんでしょう。
しょうがないことですね。

こんなことになるのなら、もっと早く紹介すればよかったかなと思うのは、結果がわかったからの発言ですね。

ともかく、この赤い実に出会えたことは、シアワセそのものです。

 


「カラスウリ・烏瓜」ウリ科

出会えないんじゃないかと諦めていたカラスウリにも、やっと遭遇しました。

誰かに齧られた様子ですが、たった1個だけ出会えたカラスウリです。

赤い実リース」に使ってます。


Holy night!

2006年12月24日 | 「赤い実同盟」


♪ 清し  この夜 

星は 光り

救いの御子(みこ)は

馬槽(まぶね)の中に

眠り給う

いと安く

 


「チャイニーズホーリー」モチノキ科

クリスマスといえば、この赤い実ですよね。

昔はクリスマスケーキの上に、紙で作った赤い実がささってました。

正確にはセイヨウヒイラギなんでしょうが、現在ではこのチャイニーズホーリーが日本のクリスマスを飾る、赤い実になっているように思えます。
「クリスマスホーリー」の名前で流通してます。



「ヒイラギ・柊」モクセイ科

撮影時期も遅く、写真もお粗末ですが、こちらがいわゆる柊です。

チャーニーズホーリーとはかなりの遠縁です。
所属する科も違いますしね。


あなたは、誰と、何処でイブの夜を過ごしますか?

幸多かれと祈るのみです。


                        サンタになれないおじさんより