午前6時の気温はマイナス5度。
知事選挙も現職の勝利に終わり、寒さもいっそう堪える朝でござる。
当選した現職149万票、敗れた佐藤氏は114万票で、その差35万票でござった。
新聞は善戦と書いておりますけど、勝たなきゃ意味ない。
問題はやはり投票率。
これが59.62%と過去3番目の低さだったそうで、これでは新人は勝てません。
無党派による「風」が吹かなかったということ?
それともネガティブキャンペーンが効を奏したか?
まことに残念、っていうか開票直後に旧友に電話したらガッカリして「北海道はダメだ…」と呟いておったです。
この先の北海道に、さっぱり希望が持てないということだろう。
ガッカリを通り越して、どんよりとした気分でござる。
クラクラしますなぁ~
のりさんの知人として、投票していただいた114万人のみなさんに深く感謝いたします。
さて、
我が家ではNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」を、なんとはなしぼんやり観ておりまする。
ハニーさんは気に入って観ておるようですけどね。
おぢは幕末の歴史をよく知りませんので、そこは興味深く見ておるのですが、吉田松陰というお方、どう評価していいかさっぱり分からんと思ってはおりましたよ。
そしたら今週号の週刊文春、立花隆さんが「私の読書日記」に以下のように書いておって、まことに納得したのです。
「そもそも私たちの世代の日本人にとって吉田松陰といえば、あの戦争の宣伝塔みたいな人だから、ドラマにするほど魅力のある人と思えない」そうです。
「そうです」というのは、「戦争の宣伝塔」だったということを、おぢはそもそも知らんかった。
そしてさらに「だいたい吉田松陰はやることなすことみんな失敗した人である」。
そうだよねぇ、それはドラマを見ててよくわかる。
アメリカのペリーが来たときにも密航を企てて失敗。
この際には小舟の中に刀や所持品一式を忘れ、しかもそれを奉行所に届けられておるそうな。
その後国元で蟄居となるが、そん時開いたのが松下村塾だ。
そのあと老中の暗殺を企てて失敗し死罪となる。
失敗に失敗を重ねて、死んでしまう人が、なんでドラマの主役なんだって話だ。
そこで、「明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」という本の登場でござる。
この本によると「松陰とは単なる、乱暴者の多い長州人の中でも特に過激な若者の一人に過ぎない。何度注意しても暴走族を止めないのでしょっ引かれただけの男である」とまことにごもっともだ。
さらに「思想家、教育者などとはほど遠く、それは明治が成立してから山縣有朋などがでっち上げた虚像である」と手厳しいのでござる。
話の肝はこのあとだ。
「松陰の外交思想というものは余り語られていないが、実に稚拙なものであった。北海道を開拓し、琉球を日本領とし、朝鮮を属国とし、満州、台湾、フィリピンを領有すべきだというのである。これを実行するのが『大和魂』なのである」
ここにきてようやく気付くわけですが、ようは先の大戦で軍部がしでかしたこと、そのまま。
松陰の思想をまんま旧日本軍がやっちゃって、おかげさんでニッポン人は300万人を超える死者を出すなど、先の大戦で国民は塗炭の苦しみを味わうことなる。
知の巨人・立花隆さんはこう申しておる。
「総理大臣が吉田松陰に血道を上げるのはよいが、それも程度ものだということを忘れないでほしい。そうでないと『失敗の一代』まで後追いすることになってしまうだろう」と締めくくっておる。
長州、今の山口県、安倍総理の地元ではありますが、暴走族みたいな吉田松陰、テレビを見ておるだけでも「アホじゃんか!」と思うおぢですなのが、こんなこと知っちゃって、アホならまだしも危険人物と分かりましたです。
世に吉田松陰を礼賛する本が溢れておるそうですけど、こりゃ噴飯ものだ。
こんな人を奉る総理、危険極まりない人物と、何度でも申しておきましょう。