美、この文字には字通によると、羊の全形。下部の大は、羊が子を生むときのさま という。"美", 字通, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , その字義には、羊肉の甘美なる意とするが、美とは犠牲としての羊牲をほめる語である。善は羊神判における勝利者を善しとする意。義は犠牲としての羊の完美なるものをいう。これらはすべて神事に関していうものであり、美も日常食膳のことをいうものではない と、説明を加える。"美", 字通, 同上。この字を、うつうしい と訓読みをするが、古辞書の訓には、うるはし と見えるものである。
古辞書の訓
〔名義抄〕美 ウルハシ・ヨシ・ホム・アマシ・コトモナシ・アザヤカナリ・カホヨシ・ムマシ 〔立〕美 アサヤクアマシ・ヨシ・ホム・ウマシ 〔字鏡集〕美 コトモナシ・カホヨシ・アマシ・ウルハシ・ヨシ・ホム・ウマシ
"美", 字通, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-05-30)
語誌
(1)上代では人に対する愛情を表わしたが、平安時代になると、相手に愛情を持ちながらその美を愛でたり、「髪ざし」「手つき」といった人のさまをも修飾するようになって、愛情と美的判断の入りまじった情意性と状態性を兼ねた用法となり、やがて中世には対象そのものに美を認めるようになる。
(2)ただし、上代で優位の立場から目下に抱く肉親的ないし肉体的な愛情であった原義は一貫して残っていて、平安時代でも身近に愛撫できるような人や物を対象とし、中世でも当初は女性や美女にたとえられる花といった匂いやかな美に限定されており、目上への敬愛やきらびやかで異国的な美をいう「うるはし」とは対照的であった。
(3)やがて中世の末頃には、人間以外の自然美や人工美、きらびやかな美にも用いるようになり、明治には抽象的な美、そして美一般を表わすようになった。また、近世に「きれいさっぱり」という意の用例があり、現代方言にも受け継がれているが、これも、こまやかな美しさの表現から派生した用法であると考えられる。また、近世にはさまざまな用法・語形が生み出され、転訛形として「うっつい」「うっつく」、形容動詞として「うつく」などがある。
"うつくし・い【美・愛】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-05-30)
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1. うつく【美】 日本国語大辞典
〔形動〕(形容詞「うつくし」の「うつく」が語幹のように意識されて独立したもの)美しいさま。*黄表紙・高漫斉行脚日記〔1776〕中「けふは天気もよく、見物にうつく ...
2. うつくしい【美】 日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「うつくしい(美)」から)近世、美人をいう。うつくしもの。*咄本・聞上手〔1773〕岡場所「新じゅくがはやって、とんだ美(ウツク)しいが出るときい ...
3. 美 日本大百科全書
美とは何かを一義的に定義することはむずかしい。ウィットゲンシュタインのいうように「語られえざることについては沈黙しなければならない」のだとしたら、美そのものにつ ...
4. 美 世界大百科事典
真や善とならび人間のあこがれてやまぬ価値の一つである。字義を漢和辞典にたずねると,美とは羊と大との合字で原義は〈肥えて大きな羊〉をさし,これが〈うまい〉ことから ...
5. び【美】 デジタル大辞泉
[名・形動] 1 姿・形・色彩などの美しいこと。また、そのさま。「―の極致」「自然の織り成す―」 「―な感じのするものは大抵希臘(ギリシヤ)から源を発して居るか ...
6. び【美】 日本国語大辞典
〔名〕(1)(形動)形、色彩が整ってきれいであること。うつくしいこと。また、そのさま。*今昔物語集〔1120頃か〕一・六「形美也と云へども、心に无常を念(おもは ...
7. 美 画像 字通
象形 羊の全形。下部の大は、羊が子を生むときのさまを〓というときの大と同じく、羊の後脚を含む下体の形。〔説文〕四上に「甘きなり」と訓し、「羊大に從ふ。羊は六畜に ...
8. び【美】 プログレッシブ和英
beauty 自然の美natural beautythe beauty of nature 風光の美scenic beauty 君には美を見る目があるYou h ...