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民族のルーツ

2022-08-04 | 日本・日本人

民族同士、異民族、民族紛争など、日本民族という用語に日本的民族となると、学術用語、専門語としての捉え方がない。ブリタニカ国際大百科事典の小項目事典に「日本民族」の解説が見える。また、岡本雅享、日本人内部の民族意識と概念の混乱 福岡県立大学人間社会学部紀要 2011 という論文がある。



> ちなみに、戦前の「日本民族」は、「大和民族」「出雲民族」「蝦夷(えみし)」「アイヌ」「熊襲(くまそ)」「隼人」など、多様な民族からなる「混合民族」「複合民族」だと概念付けられていた。いっぽう敗戦によって国家神道が崩壊した戦後日本は、民族を曖昧にし、民族問題に正面から取り組もうとしてこなかった。戦後世代の頭の中には、民族という捉え方がインプットされていない。
『民族の創出』の出発点となった随筆「私の民族考」(月刊『イオ』2006年4月~6月号所収)を掲載します。
http://izumo-studies.info/articles/about_nation/1
私の民族考(上) 日本のマジョリティは何民族か?
私の民族考(中)民族識別と中華民族論
私の民族考(下) 日本の「少数民族」観と在日コリアン


http://izumo-studies.info/link/
八雲の空 岡本雅享の出雲学

近代以降の日本で、民族がいかに創り出されたか。
「民族の創出――まつろわぬ人々、隠された多様性」
岡本 雅享 著 岩波書店(2014/7/26)
混合民族論が主流だった日本で、戦後単一民族論が拡がったのはなぜか。大和中心のNation Building(民族意識や国民の形成)を出雲、エミシ、クマソなどの視点から捉え直し、同質社会論で覆い隠された日本人内部の多様性を解き明かしながら、多元国家観に基づく民族意識の再構築を説く。

http://izumo-studies.info/files/uploads/
日本における民族の承認
「出雲民族」論からみる多元民族国家観の構築
岡本雅享
>「民族」は 19 世紀末、“Nation”の訳語として創られた言葉で、それまで東アジアに民族という概念は存在しなかった。古代の王政復古を掲げて近代国
家の仲間入りを図った日本では、民族のルーツを神話に求めて大和民族という概念が創り出されるが、古代に遡る民族設定は大和に「服わぬ」人々とさ
れた出雲、蝦夷、熊襲等の民族も同時に生み出した。そうした混合民族論が主流だった日本で、戦後単一民族論が拡がったのはなぜか。そこに現代日本
人の民族的アイデンティティと民族承認をめぐる問題の源泉もあると思われる。大和中心の Nation Building を出雲民族論の視点から捉え直し、日本人
内部の多様性を解き明かし、民族融合論の克服と多元国家観に基づく民族意識の再構築を論じる。
「日本的民族認同」国立政治大学(台湾)民族学系『民族学界』第36期、2015年10月(漢語論文)


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