心 私説 源氏語り16
このことの意味を知っている、女房の中にもいるだろう。
その人と知らないでいる者こそ愚かなことだとみる人々もいるだろう。
心穏やかにはお思いにならないけれど、自分のとがであるだろうことは、いたしかたない。
女房のためにはかわいそうだが、などとお思いになり
顔色にもお出しにならない。
自身の、とか のこともある、女房のため と思って景色に見せることはできない。
光源氏の不安を表すが、思い合せることがあったのである。
女房 のところ、原文では、女の御ため とあり、特定の人を指すように解釈される。
通行本文の表現には、物語を決定づける
いと何心なく物語りして笑ひたまふ君
口つきなどのうつくしきが
心知らざらむ人はいかがあらむ
なおいとよくたよひたりけり、と見たまふ
たいそう無邪気に何かを言ってお笑いになる赤子の
口つきが見るからにかわいらしく、
この意味を知らない人はどう思うだろう、
やはりよく似かよっているものだとご覧になる。
このことの意味を知っている、女房の中にもいるだろう。
その人と知らないでいる者こそ愚かなことだとみる人々もいるだろう。
心穏やかにはお思いにならないけれど、自分のとがであるだろうことは、いたしかたない。
女房のためにはかわいそうだが、などとお思いになり
顔色にもお出しにならない。
自身の、とか のこともある、女房のため と思って景色に見せることはできない。
光源氏の不安を表すが、思い合せることがあったのである。
女房 のところ、原文では、女の御ため とあり、特定の人を指すように解釈される。
通行本文の表現には、物語を決定づける
いと何心なく物語りして笑ひたまふ君
口つきなどのうつくしきが
心知らざらむ人はいかがあらむ
なおいとよくたよひたりけり、と見たまふ
たいそう無邪気に何かを言ってお笑いになる赤子の
口つきが見るからにかわいらしく、
この意味を知らない人はどう思うだろう、
やはりよく似かよっているものだとご覧になる。