0806 きょう広島原爆の日
生きた証言を若き伝承者に きょう広島原爆の日 被爆体験 言霊に込め 中日新聞トップ記事、見出しである。20140806
リードには、広島は六日、政府が憲法解釈による集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから初めての「原爆の日」を迎える、とある。
>戦後六十九年続いた日本の平和主義が脅かされる中、広島では高齢化のため年々少なくなる被爆者の記憶と平和への思いを語り継ぐ伝承者の養成が始まっている
左の見出しには、理研の笹井氏自殺、小保方氏に遺書 「STAP必ず再現を」 とある。20140806
記事には、STAP細胞論文の共著者だった理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長(52)が五日、センターに隣接する研究棟で首をつった状態で見つかり、その後、死亡が確認された。自殺とみられる、とある。
トヨタ過去最高益 4~6月期、北米・欧州市場好調 20140806
記事には、トヨタ自動車が五日発表した二〇一四年四~六月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比4・4%増の六千九百二十七億円と、この期としては〇七年以来七年ぶりに過去最高を更新した、とある。
中日春秋(朝刊コラム)
2014年8月6日
<私の太股(ふともも)から取り出されたガラスのかけらは/あと 幾つか残されたまま/瞬間に失った八月のあの日を/ガラスの裏面に焼き付けている…>。広島市に住む上田由美子さんの詩「ガラスのかけら」だ(『原爆詩一八一人集』コールサック社)
七十六歳の上田さんは七歳の時、あの夏を迎えた。原爆投下から四日目、母に連れられ呉から広島市内に入った。まだ街には熱がこもり、水膨れの皮膚を体中にぶらさげた人がいた
幸い無事だった自宅で母は負傷者を手当てし、上田さんも懸命に手伝った。外傷はないのに髪がごそっと抜け、血を吐き死んでいく女学生の姿が七歳の目に焼き付いた
だが、その記憶を言葉にするには長い長い歳月が必要だった。自分が被ばくしたことも隠し続けた。「黙っていてはいけない運命にある」と思い、詩に書き始めたのは六十五歳を過ぎてからだ
「ガラスのかけら」は、爆心地近くで被爆し、生き延びた幼なじみの体験を綴(つづ)った詩だ。<今 メスで光の中に取り出され/空気に晒(さら)され/原爆投下の瞬間の閃光(せんこう)が/白く発光しながら/ガラスの表面でその映像を/目の前に写し出す/血痕を洗い流され/長い沈黙から目覚めた小さなガラスのかけら/…私の掌(てのひら)に取ってみる/小刻(こきざ)みに震えながら/何も答えない>
上田さんの心の中では、六十九年前のかけらが震え続けているのだろう。
生きた証言を若き伝承者に きょう広島原爆の日 被爆体験 言霊に込め 中日新聞トップ記事、見出しである。20140806
リードには、広島は六日、政府が憲法解釈による集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから初めての「原爆の日」を迎える、とある。
>戦後六十九年続いた日本の平和主義が脅かされる中、広島では高齢化のため年々少なくなる被爆者の記憶と平和への思いを語り継ぐ伝承者の養成が始まっている
左の見出しには、理研の笹井氏自殺、小保方氏に遺書 「STAP必ず再現を」 とある。20140806
記事には、STAP細胞論文の共著者だった理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長(52)が五日、センターに隣接する研究棟で首をつった状態で見つかり、その後、死亡が確認された。自殺とみられる、とある。
トヨタ過去最高益 4~6月期、北米・欧州市場好調 20140806
記事には、トヨタ自動車が五日発表した二〇一四年四~六月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比4・4%増の六千九百二十七億円と、この期としては〇七年以来七年ぶりに過去最高を更新した、とある。
中日春秋(朝刊コラム)
2014年8月6日
<私の太股(ふともも)から取り出されたガラスのかけらは/あと 幾つか残されたまま/瞬間に失った八月のあの日を/ガラスの裏面に焼き付けている…>。広島市に住む上田由美子さんの詩「ガラスのかけら」だ(『原爆詩一八一人集』コールサック社)
七十六歳の上田さんは七歳の時、あの夏を迎えた。原爆投下から四日目、母に連れられ呉から広島市内に入った。まだ街には熱がこもり、水膨れの皮膚を体中にぶらさげた人がいた
幸い無事だった自宅で母は負傷者を手当てし、上田さんも懸命に手伝った。外傷はないのに髪がごそっと抜け、血を吐き死んでいく女学生の姿が七歳の目に焼き付いた
だが、その記憶を言葉にするには長い長い歳月が必要だった。自分が被ばくしたことも隠し続けた。「黙っていてはいけない運命にある」と思い、詩に書き始めたのは六十五歳を過ぎてからだ
「ガラスのかけら」は、爆心地近くで被爆し、生き延びた幼なじみの体験を綴(つづ)った詩だ。<今 メスで光の中に取り出され/空気に晒(さら)され/原爆投下の瞬間の閃光(せんこう)が/白く発光しながら/ガラスの表面でその映像を/目の前に写し出す/血痕を洗い流され/長い沈黙から目覚めた小さなガラスのかけら/…私の掌(てのひら)に取ってみる/小刻(こきざ)みに震えながら/何も答えない>
上田さんの心の中では、六十九年前のかけらが震え続けているのだろう。