読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

同形異字

2008-11-21 10:48:43 | 漢字

文字が象形文字や金文のようなもともとの形のまま使われているときには同形異字と言うことはなかった。微妙な意味の区別もその象形に表せたからである。しかしそれらの文字が整理され、線状化され一定の文字構造法に統一されると意味の別が文字上で判別できなくなる事がある。例えば「口」の形をしたものは三系統が有り、一つはものを食べたり喋ったりする口、のりとを入れる容器を示すサイというもの、それに一定の区域を示す口の三つである。口耳の意味での口は甲骨文字や金文にはその例が無く鳥が鳴くと言う鳴と言う文字でさえそこに含まれる口はサイと言う容器を著し、その容器に祝詞を入れ鳥の鳴き声で占ったのではないかと言う事である。文字が甲骨文字の象形文字として始り、それは人と人のコミニュケーションのためではなく、神の意向を卜うことから始まったものである以上、漢字に含まれる口は祝詞や占いの言葉を入れる容器としての口が多い事は理解出来るところだ。最後の口は区域を示すもので国、國、域、邑と言う文字に見られる口である。


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