読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

更に伊勢神宮のこと

2007-10-24 14:28:20 | Weblog

この伊勢神宮には平安末期の歌人、西行も参拝している。「何事のおはしますをば知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」の歌は神宮の厳かな雰囲気を感じさせる。清浄な環境に既に神の存在を感得できると言うことだ。西行は伊勢で神官に乞われ歌会を主催しており「何事がおはしますか」知らない筈はなかった。この伊勢神宮も室町、戦国時代には寄進されて神領となっていた土地を各地の豪族に横領されたそうだ。が庶民の伊勢参りは栄えた。江戸期には六千二百石の領地を貰い、伊勢信仰が盛んになり、伊勢講が出来、江戸町民におかげ参りが流行した。伊勢参りは武士階級より庶民が圧倒的に多かった。
司馬遼太郎「この国のかたち 5」から


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