wsj日本版から
人はソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)で自己紹介するとき、自分の性格について正確に、そして(ときに当惑させられるほどに)正直に書くことが多いことはよく知られている。患者は実在の医師よりもネット上の医師と向き合うときの方が、精神科的症状についてよりオープンになる。調査会社によると、電話による調査よりも、ネットを通じた調査の方が人々の率直な回答が得られる。
しかし、ネット上の正直さはもろ刃の剣だ。ブロガーは、投稿に対して手厳しいくらいに露骨なコメントをすることが多い読者が、直接コンタクトを取ると礼儀正しくなることを知っている。ネット上に「なりすまし」が横行するのではという懸念がかつてあったが、それと相反する興味深い傾向がここにある。実際のところ、インターネットという機械化された媒体は、自己の隠蔽(いんぺい)ではなく、脱抑制(抑制喪失)を促し、告白的な行為や醜いほどぞんざいな行為をもたらす。媒体が人間でないと、人々は個人を解き放つ傾向にある。
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