読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

天璋院篤子の御殿医は緒方洪庵

2008-04-05 10:23:09 | Weblog

岩波新書 「幕末の大奥 天璋院と薩摩藩」畑 尚子著から
大阪の敵塾の緒方洪庵が天璋院の健康管理に当たっていた事が有ったそうである。1862年(文久二年)8月幕府奥医師に任命され洪庵は大阪から彼自身が体は丈夫ではなかったが江戸へ移り将軍家茂に拝謁した。幕府の医師には将軍とその家族を診る奥医師、登城した大名、役人を診る表医師、寄り合い医師が居り、本科(内科)、外科、眼科、鍼灸医、漢科医、蘭科医の種別が有ったそうだ。この年、11月中頃、天璋院は麻疹に罹った。10月末、麻疹に罹った家茂と和宮から伝染したと言われる。同年7月には江戸中に広がり、銭湯、髪結いに客は絶え、花街の娼妓も麻疹で商売にならず江戸は混乱したと言う。天璋院は12月27日に全快した。