2007-0208-yis088
折ったのが私だからこの花は
院の香りが消えちゃったのね 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○前書きが長い。「敦道のみこのもとに、前大納言公任(さきのだいなごん きんたふ)の白河院[(しらかはゐん。院政を創始)]にまかりてまたの日、つかはしける使ひにつけて」。現代詠ではとくに、この「院」の予備知識が必要である。少し長いけれど、ここは新潮版の注を引く。<『正集』および『公任集』によれば、敦道が和泉式部を連れて白河院[(ここでは敦道の別荘名)]を訪れ、かつ花を折ったのも敦道で、この歌も公任に送ったものとなるが、ここでは詞書に従い、和泉式部が帥宮のもとに送った歌として解した。> せっかくの院の花の香りなのに、私のようなものが手折ったばかりに、平凡なわが家の香りと同じになってしまったのね。相手を誉め、自分が謙る、という作品である。
□和088:をるひとの それなるからに あぢきなく
みしわがやどの はなのかぞする
□悠088:おったのが わたくしだから このはなは
いんのじかおりが きえちゃったのね
折ったのが私だからこの花は
院の香りが消えちゃったのね 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○前書きが長い。「敦道のみこのもとに、前大納言公任(さきのだいなごん きんたふ)の白河院[(しらかはゐん。院政を創始)]にまかりてまたの日、つかはしける使ひにつけて」。現代詠ではとくに、この「院」の予備知識が必要である。少し長いけれど、ここは新潮版の注を引く。<『正集』および『公任集』によれば、敦道が和泉式部を連れて白河院[(ここでは敦道の別荘名)]を訪れ、かつ花を折ったのも敦道で、この歌も公任に送ったものとなるが、ここでは詞書に従い、和泉式部が帥宮のもとに送った歌として解した。> せっかくの院の花の香りなのに、私のようなものが手折ったばかりに、平凡なわが家の香りと同じになってしまったのね。相手を誉め、自分が謙る、という作品である。
□和088:をるひとの それなるからに あぢきなく
みしわがやどの はなのかぞする
□悠088:おったのが わたくしだから このはなは
いんのじかおりが きえちゃったのね