2007-0206-yis086
「すぐ行く」の言の葉さえも枯れそうで
あふれる涙をどうしたものか 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書は、「たのめて侍りける女の、後には返事(かへりごと)をだにせず侍りければ、この男にかはりて」と。こういう文章や歌を読み続けていると、男と女の駆け引きをしみじみ思う。
¶たのめて侍りける女=「男の求愛を承諾して、契りを交わすことを約束した女。」(新潮版)
¶かれゆくに=<「枯れ」(「葉」の縁語)に「離(か)れ」をかける。>(同)
□和086:いまこんと いふことのはも かれゆくに
よなよなつゆの なににおくらん
□悠086:「すぐいく」の ことのはさえも かれそうで
あふれるなみだを どうしたものか
【memo】校注者は、『後撰集』によるか、と指摘する。
言の葉もみな霜がれになりゆくは
露の宿りもあらじとぞ思ふ (恋五、よみ人しらず)
本歌取りは、本歌を超えて初めて成立するものであって、競技ででもないかぎり、その判定は読者(書写、回し読み)にゆだねられる。
2007-0206-yts293
寒中に温く緩びし日はあれど
中州の宿なき人寒からん 悠山人
○短歌写真、詠む。
○ホームレスが何人か見える。暖冬は、天からのせめてもの慮りか。昨日は大阪で行政代執行(強制撤去)があった。
□短写293 かんちゅうに ぬるくゆるびし ひはあれど
なかすのやどなき ひとさむからん
【写真】多摩川。右が世田谷、左が川崎。
寒中に温く緩びし日はあれど
中州の宿なき人寒からん 悠山人
○短歌写真、詠む。
○ホームレスが何人か見える。暖冬は、天からのせめてもの慮りか。昨日は大阪で行政代執行(強制撤去)があった。
□短写293 かんちゅうに ぬるくゆるびし ひはあれど
なかすのやどなき ひとさむからん
【写真】多摩川。右が世田谷、左が川崎。