北の旅人

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アメリカ大陸横断「青春日記」-1972・35日間・5000km⑬

2008-02-22 11:46:04 | Weblog

1972・8・29(火) 晴れ ピッツバーグ
(ペンシルベニア州)

午前8:00起床。Opportunities Industrialization Center(Man Power)へ。バスの降車所を間違えて、13人がただ乗り。ここのBill.w.Johnson、(黒人、29歳、子どもさん1人)から、職業教育、開発などについてレクチャーを受ける。

公益法人で、1964年フィラデルフィアで、下級の人たちの就職斡旋を目的に全て黒人によって設立された。ナイジェリア、ケニア、エチオピア、ガーナにもある。105の支社、500人の社員がいて、年間600人の就職を斡旋する。

失業者への再訓練、麻薬患者を更生させるため、95人のインストラクターがいる。経費の19%は政府の援助。1週間56ドルを保証+交通費。テレビ、新聞の広告によって募集するが、場合によっては出かけて行って斡旋する。最低1時間1ドル60セントだが、目標は2ドル。

しかし斡旋したうちの10%は何の理由もなく去っていく。黒人についても語ってくれた。黒人にはハンディキャップがある。アメリカには3,500万人の黒人がおり、人口の10%を占める。最近は政府も配慮するようになってきているが、政府を破壊せよ!という強硬論者もいる。議会には上院に1人、下院に13人いる。

黒人は①アメリカナイズされている②固有の文化を持たないという。彼の先祖も200年前にアメリカに渡ってきた。黒人の6分の1は子どもで、その割合は少しずつ増えてきている。

その点、日本人は①日本人固有の文化を持っている。精神的な誇りを持っている。アメリカに住んでいる日本人と話していてそれを感じる。②日本人は清潔で実直。アメリカの真似をしている面もあるが、工業関係が優れている。「トヨタ」は、アフリカでは自動車という言葉と同義語。オーストラリアでは「ホンダ」だそうだ。ソニー、ヤシカの製品は大変良いと評価されている。

アメリカ人は簡単に転職する。彼自身もオクラホマの大学を卒業して高校教師を3年。ガーナに1年いて、ここに就職。ディレクターの代理を務め、現在は専務。29歳、1児の父。現在の仕事をライフワークとは考えてない。4~5年経ったら考えるという。

生活信条は、人間の平等性を説いた、ウイリアム・ジェームスの「心のふれ合い」(条件、関係を越えた)という言葉が好き。アメリカで人気のある職業(大卒)=先生、社会福祉関係、科学者(ソ連の人工衛星以来)、化学者、ジャーナリスト、電送、電話交換手など。若者の40%は大学に進学する。定年はないアメリカ人は、4分の3が東部に、4分の1が西部に住んでいる。従って、西へ行くに従って環境も良い。

2:00から、「ボランティア活動センター」を訪れる。Mrs.Hepnerからボランティア活動に関する話を聞く。このセンターには4,500人がいるが、給料は半分以上が無給。寄付などで集まったお金はここでプールし、税金はかからない。登録制。

民間会社でもボランティア活動を行っているところがある。ゼロックスでは、「社会が健康であれば会社も健康」だということがスローガン。貧しい人への援助、盲目の人、お年寄り、小さい子どもがいる人、失業者などへの手助けを行っている。

このような活動は、ヨーロッパから始まり、地域で隣から隣りへと広がったが、社会が大きくなって、こうした考え方だけでは限界がある。やはり、局や省を通すことが必要。今、大学のコースにボランティアのコースを作るよう働きかけている。 

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5回の転職経験

けっして自慢になる話ではないが、私には、5回の転職経験がある。昭和42年、東京でのPR会社をはじめとして、郷里の北海道へ帰って父が経営する会社、政治家秘書、映像制作会社、政治広報の専門会社である。

転職のキッカケは、自分のやりたいことと、経済的なバランスを、いかにとるかということだった。最終的には、その両方が、まずまず納得できるような会社に25年間勤め、自分なりに満足できる仕事ができたし、責任者の立場も経験した。小さい組織ではあったが、充実したサラリーマン人生だったと思う。

私が転職した昭和40年代半ば頃から50年代半ば頃にかけては、日本では今のように転職する人が、それほど多くはなかったように思う。転職する人間に対する評価も、必ずしも高くはなかった。ヘッドハンティングという言葉が流行りだしたのは、その後のことである。

私は、4年前に早めのリタイアを決断し、今は趣味の旅行(一昨年には、JRによる日本縦断も行った)を中心に、パークゴルフ、北海道日本ハムファイターズ応援、家事手伝い(未だに見習の域を出ないが)、読書、ブログ、親しい仲間との情報交換会など、気ままな毎日を送っている。

政府は今、再チャレンジ支援策を推進しているが、2010年までにピーク時(2003年の217万人)の8割に減らすことを目標にしている。この3年間に20万人の職業訓練を行うとしているが、実際に就職までこぎつけるのは、なかなか厳しそうだ。社会構造が変化している今、働く側も、雇う側も意識改革が迫られている時代ではないか。

(参考資料は最後に一括して掲載させていたただきます)



 


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