恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

イラク人質事件の「費用請求」について

2004年04月17日 | 基地・有事体制
 先に解放された3名に続き、お2人の方が解放されました。皆様とともに、まずこのことを喜びたいと思います。

 しかし、与党やメディアが「自己責任」論を唱え、中には「救出の費用を全て彼らに請求すべきだ」とする声があります。
 私は政府に「請求できるものなら、やってご覧なさい。裁判で政府は負けますよ」と言いたいと思います。

 今まで、多くの事件があり、膨大な費用・延べ数十万人もの捜査員を動員した事件もありました。
 その事件で容疑者が逮捕され、裁判で有罪が確定した場合、「加害者」である犯人に、事件解決のためにかかった費用を請求したことがあったでしょうか。
 まして今回、人質になった方々は「被害者」です。「違法行為」もありません。
 「加害者」にさえ請求しないのに、なぜ「被害者」である彼らに請求できるのでしょうか。
 この請求は法的合理性を欠きます。このことは与党議員も理解できるはずです。狙いは別にあると疑わざるを得ません。
 与党やメディアが、このような「請求」を主張することで目論むのは、「政府の方針に添わない者」への「見せしめ」ではないではないでしょうか。

 戦時中、政府の方針に従わないものは「非国民」として、周囲から白眼視され、石を投げられ、あるいは家に放火され、政府に逮捕され、拷問を受け、命を落とした人々もいました。

 国会では13日から、「国家総動員体制」づくりを目指す「有事関連7法案」が審議入りしています。この中では、個人が所有する土地や物資などの「財産」を政府が強制的に使用できることや、避難や移動を政府が強制できるということ、通信や電波を政府が統制することなど「私権制限」が目白押しです。違反すれば、すなわち「政府に逆らえば」懲役などの罰則が課せられ、「前科者」になります。

 今回このようなタイミングで、私は政府が、メディアを使い、このような「ファシズム・キャンペーン」を行っていることは、「政府に逆らうとどうなるか」を強調する狙いがあるものと断じざるをえません。

小泉首相の「テロとの戦い」への「覚悟」

2004年03月19日 | 基地・有事体制
 「テロとの戦いは長くかかると覚悟している」

 これは今日19日に小泉首相がインタビューで答えた言葉です。
 彼は一体何を「覚悟」する必要があるのでしょうか。厳重な警備に囲まれ、一人安全なシェルターのような官邸に暮らし、何を「覚悟」していると言うのでしょうか。

 イラクに派遣された自衛隊員はもちろん、一般人に危険が及ぶテロ予告さえ発せられている中、彼が言いたいのは、隊員・一般に国民に対し「覚悟せよ」ということではないでしょうか。ちょうど「痛みをともなう改革」を唱えながら、「痛み」を負ったのは国民だけだったのと同じように。

 福田康夫官房長官も今日、イラク戦争について「武力行使でイラクの人々は解放された。」と言い放ち、戦争の大義名分とされた「大量破壊兵器」について「ないはずがないと思う。」と強弁しました。

 武力行使、すなわち「戦争」を正当化させてはなりません。どう理屈をつけて言いつくろっても、「良い戦争」などは存在しません。
 「良い戦争」を認めることは、「聖戦」を叫ぶテロを繰り返すテロリストを認めるのと同じです。
 明日20日、全世界の人々とともに立ち上がりましょう。為政者に戦争をさせないことこそ、戦争被害者を出さないことであり、私たちにできる本当の「国際貢献」だと思います。

有事関連7法案提出「国家総動員体制」へ

2004年03月10日 | 基地・有事体制
 有事関連7法案が昨9日、閣議決定を経て国会に提出されました。すべて問題だらけの法案ですが、各論よりも最近の情勢と法案の狙いについて考えたいと思います。
 小泉内閣の最大の狙いは「戦争国家体制づくり」であり、今回の有事関連7法案もその一部です。
 特に「国民保護法案」の中身は、戦争が起きたときに、国民・物資・土地や財産・情報・エネルギーなどを国家がすべて掌握するという、戦前の国家総動員法です。中身を見れば「国民の保護」のための法案でないことは一目瞭然です。
 政府与党はこうしたことを進めながら、一方で教育基本法改定による戦争する人づくり、憲法改定による戦争する国づくりに向けての作業に当たっています。

 各紙は、有事のシミュレーションを報じていますが、その中には「武装兵が日本上陸」を想定するものがありました。実に悠長な話です。
 現代の戦争は、アフガンやイラクでの攻撃のように、ミサイルや空爆によって壊滅的な打撃を与え、抵抗の恐れがなくなってから上陸となります。その頃には都市部は壊滅していますし、まして50基以上もある原発が攻撃されれば日本は放射能地獄です。すべてがチェルノブイリ並みかそれ以上の出力であり、1基でも爆発すれば最大で広島型原爆の2000発分の放射能被害をもたらすと指摘されています。
 小泉首相は「備えあれば憂いなし」と唱えていましたが、どんな準備をしようとも戦争が起これば終わりなのです。戦争の準備をすることよりも、戦争を起こさない努力を怠らないことが最も重要です。

 今回の有事7法案が可決されれば、前述の通り、次は憲法と教育基本法がターゲットです。その次に出てくるのはおそらく徴兵制でしょう。現在、自衛隊は1割以上の欠員があります。実際に戦闘地域に投入される中、除隊者も急増しています。志願者は募集人員の数倍にものぼりますが、健康状態など一定の条件をクリアできない人々も多く、定員を満たすことが困難な状況にあります。もう現在の「志願兵方式」は行き詰まりつつあると言っても過言ではありません。
 いま進められようとしている「戦争国家」への流れを止めなければ、数年後、皆さんや周囲の若者に「召集令状」が届くことにもなりかねないのです。

首相官邸「テロ対策」で警備強化

2004年03月08日 | 基地・有事体制
 首相官邸ではテロへの警備強化として今日から、官邸正面玄関の内側の扉も閉鎖し、金属探知機とX線での身体と荷物の検査を始めたとのことです。
 危険な戦闘が続くイラクに自衛隊員を送り込み、自分だけが安全な殻の中に閉じこもり、「テロに屈しない」「恐れず怯まず」と叫んだところで空虚に聞こえます。
 大戦中の沖縄で、鬼軍曹が自分だけ防空壕に残り、地元住民や部下の兵に突撃を命じる姿に似ています。

 確かに、国の最高責任者である総理大臣に何かあっては、一大事です。
 しかし、イラクでの自爆テロの例を見ると、暫定統治機構などよりむしろ市民が密集した場所で起きていることが分かります。テロがあるとすれば、あの物々しい警備体制を敷く永田町周辺ではなく、一般人が密集する場所こそ警戒が必要です。
 警察力は、テロの原因を作る政治家より、そのあおりを受ける一般国民を守ることにこそ使われるべきではないでしょうか。

米国陸軍第1軍団司令部が神奈川に?

2004年03月02日 | 基地・有事体制
 米国政府が昨年11月から、陸軍第1軍団司令部をワシントン州から神奈川県の「キャンプ座間」へ移転させようと、日本政府に打診していることが明らかになりました。

 この第1軍団はアジア太平洋地域全体に展開するもので、日本の防衛のためだけの軍隊ではありません。

 米国はアフガン・イラクの連戦で戦費がかさみ莫大な財政赤字を抱えていますが、「軍を日本に駐留させれば、『思いやり予算』で日本に経費を肩代わりさせることができる」という発想なのです。

 日本政府は今のところ「日米安保条約の趣旨を逸脱する」と、強い難色を示しているとのことです。日本国民の税金を食い潰されぬよう、きっぱりと拒否してほしいと思います。