ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第110巻-1ジャパン・オリジナル

2007-12-08 23:25:47 | 第106巻~第110巻

■ジャパン・オリジナル(第367話) 発表1994年6月

評価   ★★★

依頼人  極東重工 中尾社長

ターゲット ANNEX社 ブラッド社長の殺害と新型航空機MX2の破壊

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,037

今回殺害人数         4/ 通算殺害人数   4,199

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
日米企業の共同開発航空機”MX2”。しかし、アメリカ側の思惑はMX2をアメリカ企業の単独開発とすることにあった。日米特許紛争の行く末は・・・

<この一言>
・・・

<解説>
極東重工とANNEX社の協同開発航空機”MX2”。しかし、ANNEX社ブラッド社長はMX2はアメリカ側の単独開発であり開発に係る特許は全てアメリカ側に帰属すべく事を進めていた。特許の知的所有権の帰属は、日本を含む大多数の国は『先願主義』であるが、アメリカは『先発明主義』をとっており、MX2の特許はすべてアメリカが先んじて発明したものと主張する腹づもりであった。

しかし、調査を進めていくうちにMX2に用いられた技術は1942年に日本の技術者”寺谷”が論文に残しており、『先発明主義』を適用すれば特許権が日本に帰属するのは明らかであった。ブラッドは寺谷の論文を破棄すると共に寺谷を殺害、さらには寺谷理論を体現した飛行機のモックアップも破壊する。

ブラッドの暴挙に憤慨した極東重工社長『中尾』は、親友である寺谷の理論がブラッドにより葬り去られることを許すことが出来ず、ゴルゴにブラッドの殺害と新型航空機”MX2”の破壊を依頼する。ゴルゴは、MX2の離陸直前に鳥の群に弾丸を撃ち込み、鳥を驚かせてMX2のエンジンに吸い込ませてMX2を事故に見せかけて破壊、ブラッド一派を殺害する。

日米特許紛争をテーマにした作品。中尾と寺谷の友情の深さが感動を呼ぶ。ゴルゴは一言のセリフもなく、鳥の群に二発の弾丸を撃ち込むだけで仕事を完結させている。

ズキューン

ゴルゴ13 (110)巻掲載
ゴルゴ13 (147)巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第109巻-3 13カウント

2007-12-05 21:12:20 | 第106巻~第110巻

■13カウント(第366話) 発表1994年5月

評価   ★★★★

依頼人  世界ウエルター級チャンピオン”アルベルト・メンデス”

ターゲット メキシコ政府軍ガルシア将軍

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,035

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,195

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
メキシコからアメリカに移民、ボクシング世界チャンピオンに登りつめた”アルベルト・メンデス”。重い十字架を背負い、裏切りに打ちのめされ、病に冒されたチャンピオンの選んだ道は・・・

<この一言>
失礼した・・・

<もう一言>
どうやら、左眼に異常があるようだな・・・

<解説>
メキシコからアメリカに移民した”アルベルト・メンデス”。幼少時、弟と密出国を企てたメンデスであるが、弟は捕らえられメンデスのみがアメリカへ渡ることになった。弟は後にメキシコ政府の圧政に反旗を翻すも、ガルシア将軍率いる政府軍に殺されてしまう。ボクシング世界ウエルター級チャンピンにまで登りつめたメンデスであるが、弟に対する贖罪意識から逃れられずにいた。

プライベートにおいても妻が自分の運転手と不貞を重ねていることを知り、孤独を味わうメンデス。メンデスの気持ちを紛らわすのはボクシングだけであったが、ロードワーク中にゴルゴの背後に近づいてしまったメンデスは、左頬にゴルゴの手刀を受けてしまう。後日再び、ロードワーク中にゴルゴを見かけたメンデスはゴルゴの背後に忍び寄る。ゴルゴは手刀を繰り出した後、寸止めハイキックをメンデスの左頬に見舞う。メンデスの左眼の異常を悟ったゴルゴは「左眼に異常があるようだな・・・」との言葉を残し立ち去る。

メンデスは網膜剥離を患っていることが判明、手術を行い世界タイトルマッチに臨む。挑戦者サイドに寝返ったメンデスの運転手が、左眼の異常について密告したため、劣勢にまわるメンデス。しかし、アッパーカット一発で逆転勝利を収め、タイトル防衛に成功する。直後、メンデスは引退を表明、「13カウント」とともにリングを降りることを告げる。メンデスはガルシア将軍をリングに上げ、メキシコを称え介抱する。その刹那、メンデスとガルシア将軍をゴルゴの銃弾が貫く。メンデスは自身の贖罪と誇りのために、ガルシア将軍の殺害と自身の網膜剥離を患った左眼の狙撃をゴルゴに依頼していたのであった。

ゴルゴが脇役に徹するサイドストーリーもの。哀愁を帯びた場面と、リングの緊迫した場面が交錯し、練られた構成と相俟って、充足した読後感が得られる作品。妻にも運転手にも裏切られたメンデスの孤立感と弟を裏切ってしまった贖罪意識が、痛いほどに伝わってくる。ウエルター級世界チャンピオンに一歩も引かないゴルゴのボクシング技術は賞賛に値する。しかし驚くことなかれ、第4巻-1『査察シースルー』第15巻-2『残光』でゴルゴはヘビー級のボクサーと対決している。それぞれの闘いでゴルゴは完全勝利。『査察シースルー』では世界ヘビー級チャンピオンを半殺しにしており、『残光』では東部ヘビー級チャンピオンのパンチを完全に見切りスウェイで軽くいなしている。ゴルゴの格闘技術恐るべし・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (109)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第109巻-2雪上の悪魔

2007-12-02 22:26:59 | 第106巻~第110巻

■雪上の悪魔(第365話) 発表1994年5月

評価   ★★

依頼人  不明

ターゲット 不明

報酬    不明

今回弾丸発射数       0/ 通算弾丸発射数 2,034

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,193

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
フィンランドで不法越境を取り締まる国境警備隊。オリンピック・バイアスロン金メダリストがゴルゴと対決する・・・

<この一言>
科白なし

<解説>
フィンランドとロシアの国境にて不法越境を取り締まるフィンランド国境警備隊。アルベールビル・オリンピックのバイアスロン金メダリスト「スキュレ」は、氷点下30度の吹雪をものともせず救助・警備活動に勤しむ。

フィンランド側よりロシア国境へ向かうゴルゴを発見したスキュレは、ゴルゴの後を追う。ゴルゴはスキュレの起こした雪崩に巻き込まれM16を失いつつも、背を向けながらスキュレの弾丸を巧みに回避しスキュレを翻弄、ロシア国境へと逃げ込む。

罠にはまったトナカイの下に潜り込み、自らの匂いを消したゴルゴは、ナイフでスキュレを仕留めロシアへと消えていく・・・

バイアスロン金メダリストにも劣らないゴルゴのスキーテクニックが堪能出来る作品。だが、それ以上でもそれ以下でもなく、ストーリー的にも起伏の乏しい作品。ちなみに、アルベールビル・オリンピックのメダリストに「スキュレ」の名前はない・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (109)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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ゴルゴ13第109巻-1五十年の孤独

2007-12-01 23:50:11 | 第106巻~第110巻

■五十年の孤独(第364話) 発表1994年8月

評価   ★★★

依頼人  ゴールドシュミット財閥レオポルド・ゴールドシュミット会長

ターゲット ワレンバークの身に危険を及ぼそうとする者の排除

報酬    不明

今回弾丸発射数      11/ 通算弾丸発射数 2,034

今回殺害人数        14/ 通算殺害人数   4,192

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
第二次世界大戦末期、ハンガリーでユダヤ人の救出に奔走した「ラウル・ワレンバーグ」。ワレンバーグがロシアに囚われているとの情報に・・・

<この一言>
俺には関係のないことだ・・・俺は”救出者”じゃない・・・

<解説>
第二次世界大戦末期、ハンガリーでユダヤ人の救出に奔走した「ラウル・ワレンバーグ」。旧ソ連に囚われたワレンバーグは1957年、ソ連により死亡が発表された。しかし、ワレンバーグの生死の確認はなされていない。

ユダヤ人であるゴールドシュミット財閥会長「レオポルド・ゴールドシュミット」は、ロシアにワレンバーグが囚われているとの情報を得、ワレンバーグ救出を決意する。ユダヤ人による救出部隊を派遣し、ゴルゴにはワレンバーグに危害を加えようとする者の排除を依頼する。ゴルゴがボディーガードや救助といった依頼を受けないことを知って、ゴールドシュミットは「排除」の依頼をしたのである。

ゴルゴは「救出者」ではなく、「exterminator(排除者)」としてメンコフ大佐率いるロシア軍を殲滅、ワレンバーグ救出をサポートする。

ワレンバーグのゴルゴ評が興味深い。
『(ナチスの)アドルフ・アイヒマンと同じ眼だ。(ゴルゴも)アイヒマンと同じように、冷徹な計算のもと、なんの疼痛も感じずに人を殺せる人間のようだ。しかし、一つだけアイヒマンにないものがある。その眼の奥にひっそりと眠る哀しみだ。』
この言葉を聞いたゴルゴの心中やいかに・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (109)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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