ゴルゴ１３第43巻-1ミステリーの女王

■ミステリーの女王（第151話）　発表1979年9月

評価　　　　　★★★★★

依頼人　　　なし

ターゲット　 ミステリーの女王”マッジ・ペンローズ”

報酬　　　　 なし

今回弾丸発射数     19／　通算弾丸発射数　981

今回殺害人数　      18／　通算殺害人数　　 883

今回まぐわい回数    0／  通算まぐわい回数  73

＜ストーリー＞
女流推理作家「マッジ・ペンローズ」はゴルゴを題材にしたミステリーを執筆すべく、ゴルゴとの対決を企てる・・・

＜この一言＞
ほかをあたった方がよさそうだな・・・

＜解説＞
新作を書けない女流推理作家「マッジ・ペンローズ」は、ゴルゴを題材にした作品で再起を狙い、ゴルゴとの対決をそのまま作品にすべくアメリカ軍情報部エリック大佐と共謀する。ペンローズの罠に嵌り、負傷したゴルゴはアラスカでアメリカ軍に追われる。薬草”ワレモコウ”で止血、スギの花粉で消臭し軍用犬を振り払う、赤外線探知機から逃れるためにアラスカの川に潜る、などのサバイバル術を駆使するも、手負いのゴルゴは追い詰められる。ゴルゴは文字通り腹をくくり、自らを木に縛り付けて追っ手を迎撃、壊滅させる。

傷の癒えたゴルゴはペンローズ殺害に向かうが、その準備が半端ではない。
武器調達屋から100万ドルで戦闘機「ロッキードＦ１０４」を購入、イギリスとアイスランドの中間のフェーア諸島の島を買い取り、滑走路を突貫工事で造らせ、１万ドルで有能な整備士3名を雇い入れる。
アメリカ空軍のロッキードC５AギャラクシーをＦ１０４で威嚇し、新設した滑走路に着陸させる。小型戦闘機Ｆ１０４を調達したのは、Ｆ１０４が超大型輸送機ギャラクシーの格納庫に収まるサイズであることを計算にいれてのことであった。ギャラクシーはＦ１０４を抱えてベンローズのいるボスナフェルジェル基地へ向かう。ギャラクシーが着陸するや、ゴルゴはＦ１０４を離陸させベンローズが潜む建物をミサイルにて破壊し復讐を遂げる。

過去のエピソードが随所に散りばめられているのもファンにとってはうれしい。
ジャーナリストでゴルゴ研究家の「マンディ・ワシントン」は、 第14巻-1『日本人・東研作』 、 第21巻-1『統計解析射撃』 に続き3回目の登場。ワシントンとペンローズの文筆家同士の意地の張り合いも面白い。
武器調達屋のオヤジは、第3巻-1『狙撃のＧＴ』 、 第3巻-6『最後の間諜－虫－』 に続き3回目の登場。『最後の間諜－虫－』でメッサーシュミットの調達をさせられたことを愚痴り、ゴルゴのオーダーに口をはさむが、ゴルゴが帰る素振りを見せると、「や、や、やるよっ！やりますよ！」と態度を豹変させているのが可笑しい。
エリック大佐はゴルゴのことを「絶対不可能といわれたＫＧＢ養成学校へ潜入し、みごと破壊工作をおこなった」と述べているが、これは 第15巻-1『モスクワ人形』 のことを指しているのだろう。

前半の白兵戦と後半の近代兵器を用いた戦闘のコントラストが絶妙で、ストーリー展開も申し分ない。サバイバー、軍事マニア、タフ・ネゴシエイター、執念深い偏執狂、キリング・マシーン、といったゴルゴのキャラと魅力が余すところ無く描かれている作品。

ズキューン

ゴルゴ13 (43) 巻掲載
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