ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第27巻-1芹沢家殺人事件

2006-12-11 01:33:33 | 第026巻~第030巻

■芹沢家殺人事件(第100話) 発表1975年11月

評価     ★★★★★

依頼人    安井 修記郎

ターゲット  安井 修記郎

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 708

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   621

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数  56

<ストーリー>
昭和21年に起きた「芹沢家殺人事件」。この一家惨殺事件を追う元刑事は「芹沢五郎」が犯人であり、芦沢五郎こそがゴルゴであるとの推理を立てる・・・

<この一言>
科白なし

<解説>
『日本人・東研作』(第14巻-1) に続く、ゴルゴ出生の謎に迫る「ルーツもの」第2弾。
元刑事「安井 修記郎」は昭和21年6月に起きた「芹沢家殺人事件」を追い続け、芹沢家の末息子「五郎」が殺人事件の犯人であり、五郎こそがゴルゴの正体であるとの推理を打ち立てる。

まずは「芹沢家殺人事件」の概要を見てみよう。
[芹沢家殺人事件]
昭和21年6月 芹沢家の主人と兄弟4名、計5名が射殺体で発見される。
         現場には芹沢家の末息子「五郎(8才)」のみが生存していた。
         末娘「ひろ子(6才)」と使用人「ばあや・くめ(53才)」は行方不明。
         この1週間前、芹沢家の母親が殺され水死体となって発見されていた。
         五郎は軍の射撃教官をしていた遠縁の「佐久間茂造」に引き取られる。
昭和36年6月 「芹沢家殺人事件」時効成立
         行方不明だった「ひろ子」「ばあや・くめ」が安井の前に現れる。
         「ひろ子」は「五郎」をホテルに訪ねた後、行方不明に。
         「佐久間茂造」が狙撃され死亡。五郎は佐久間から1km離れた場所にいた。
         「ばあや・くめ」が狙撃され死亡。五郎はくめから800m離れた場所にいた。

安井はこれらの状況を元に、下記推理を展開。
・芹沢家は代々の暗殺集団
・政府高官の殺害に失敗した母親を父親と兄4名で殺害
・母の殺害を目撃した五郎が、父親と兄4名を殺害
・五郎は佐久間に射撃を中心とした殺人の教育を受ける
・時効成立後、五郎はひろ子、ばあや・くめ、佐久間を殺害
・海外に渡り整形手術をうけゴルゴ13となる
この推理を安井はゴルゴにぶつけるがゴルゴは何も答えない。ゴルゴ=芹沢五郎説の回答を示すよう、安井は自らの命をかけてゴルゴに依頼する。ゴルゴ=五郎ならば、ゴルゴからみて顔中央より左側に杖がある時に、ゴルゴが五郎でないならば、顔中央より右側に杖がある時に安井を撃つように依頼したのであった。しかし、ゴルゴは杖が顔の中央に来た刹那、杖と眉間を打ち抜いたのであった。
         
[芹沢五郎プロフィール]
1938年     芹沢家の五男として誕生。
1946年  8才 父と兄4名、計5名を射殺。
          遠縁の元軍の射撃教官「佐久間茂造」にひきとられる。
1961年 23才 妹・ひろ子、ばあや・くめ、佐久間を殺害。渡仏後、行方不明
1975年(37才)存命していれば、ゴルゴの推定年齢(35才~36才)とほぼ合致
※芹沢五郎=通算弾丸発射数7/通算殺害数8/通算まぐわい回数0

五郎の狙撃術、整形手術後に想定される顔立ち、推定年齢の一致など、ゴルゴ=芹沢五郎説もかなり信憑性が高い。しかし、安井の殺害が顔の中央でなされたため、ゴルゴ=芹沢五郎説は決め手がない。
うがった見方をすれば、本作でゴルゴは日本人であることが判明する。なぜか?右・左、白・黒といった決着をつけず、中間をとってお茶を濁す「中庸」を日本人は好むと言われるが、安井の殺害も明確な答を示さない中庸そのものだからだ。

ズキューン

ゴルゴ13 (27)巻掲載
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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんわ管理人さん。 (M16)
2006-12-12 20:43:27
こんばんわ管理人さん。

私はこの話と「すべて人民のもの」がゴルゴのルーツとして信憑性が高いと睨んでます。
ルーツ物で「河豚の季節」を除けばゴルゴと思われる人物は子供時代残忍な一面を見せていて、怖いです、正直。

安井の頼みを破った理由らしきものがウィキペディアに掲載されています。興味があればご確認ください。
返信する
M16さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2006-12-13 00:48:47
M16さん、こんばんは。
>子供時代残忍な一面を見せていて、怖いです、正直。
こわいですねぇ。このような子が近くにいなくてよかったです(苦笑)・・・

>安井の頼みを破った理由らしきものがウィキペディアに掲載されています。興味があればご確認ください。
ご教授ありがとうございます。早速読みました。依頼のルール違反ということですね。
返信する
ゴルゴの身長ってたしか約180cmって各国の情報機関... (マリヨ神父)
2011-01-17 02:08:48
ゴルゴの身長ってたしか約180cmって各国の情報機関に乗ってなかったかなぁ?芹沢五郎って安井修記郎よりも背が低くそうだぞ!
返信する
マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-01-21 22:00:04
マリヨ神父さん、こんばんは。
>芹沢五郎って安井修記郎よりも背が低くそうだぞ!

!!重要な発見ですね!!
この話のおどろおどろしさに囚われてしまい、重要なことを見逃していました!!
返信する
コンビニで暇潰しに最近出た廉価版コミックスで再... (パトリック三平)
2011-10-19 23:16:09
コンビニで暇潰しに最近出た廉価版コミックスで再読しました…う~ん、面白い。最高です!
しかしながらあらためて感じたのは、本作の魅力は「ルーツ編」として優れているから、とは感じられなかったという点です…。
安井の盲執ともいえる推理で話が進んでいくのもそう感じた一因でしょうが……それ以上に安井と芹沢五郎の狂気的なキャラクターに魅せられたからだと思います。
特に凄いと感じたのは本作の3人の女性、「安井の妻」「ばあや」「ひろ子」の存在です。彼女達が安井と五郎の狂気と暴走を止められず、゛悔恨と覚悟を持って運命を受け入れる゛姿が、「二人の男」の異常性をことさら際立たせている点が見事です!!
故に今の私には、本作はルーツ編というより、安井と芹沢五郎という、「二人の怪物」の物語としての感動を覚えました。
そんなことをコンビニで感じている私……なんてヒマな男なのでしょうか(笑)。
返信する
パトリック三平さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-10-31 00:45:40
パトリック三平さん、こんばんは。
パトリックさんご指摘のように、この作品はルーツ編だからというより、おどろおどろしい鬱屈した世界観が作品の魅力を増していると思います。何度読見返しても味のある作品ですね~
返信する
Unknown (ギョウシン)
2021-02-26 09:18:21
教えはするけど明確には教えない。という事なのかな?
「杖が左にある時に撃ったから本人だ!」
「いやいや、杖が右に行こうとした時に撃ったから別人なんだ!」みたいな
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