■シャーロッキアン(第433話) 発表1995年5月
評価 ★★★★
依頼人
①サー・フレッド・バーンウェル
②サー・フレッド・バーンウェル
③ディック・ターナー(ペーター・シュトラウス)
④スーザン・セントクレア
ターゲット
①ディック・ターナーのザイル
②労働党下院偽委員 リック・スミス
③サー・フレッド・バーンウェル
④ディック・ターナー
報酬
①£1,000,000(銀行振り込み)
②£500,000(古い紙幣で現金払い)
③不明
④依頼人の命と”まだらの紐”の原稿(後に現金化)
今回弾丸発射数 5/ 通算弾丸発射数 2,364
今回殺害人数 4/ 通算殺害人数 4,649
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 108
<ストーリー>
シャーロック・ホームズ愛好家の集うベイカー街。ホームズ・シリーズ”まだらの紐”のように、交錯する人物模様にゴルゴは・・・
<この一言>
で・・・俺に、何を言いたいのだ?俺への用件は?
<もう一言>
むだ話はいい。用件を聞こう・・・
<さらに一言>
こんなエレベーターで、五十階まで昇ってくるほど、俺の仕事は”柔和”じゃない・・・
<解説>
スイスの観光会社の英国支社長”ペーター・シュトラウス”は、過去の記憶を失っていた。シャーロック・ホームズ愛好家が集うベイカー街を社用で訪れた際、気分が悪くなりホームズ愛好家グループ『ベイカー・ストリート・イレギュラーズ』のメンバーに助けられる。新聞記事が”サー・フレッド・バーンウェル”の当選を報じているのを見て、ペーターは自身の過去を思い出す。
ペーター・シュトラウスの本名は”ディック・ターナー”であり、かつてこのベイカー・ストリート・イレギュラーズに属していた。そして、バーンウェル議員もこの会のメンバーで、”スーザン・セントクレア”という女性を巡って二人は鞘当てをしたのであった。ターナー、バーンウェル、セントクレアは3人でホームズが落ちたという滝壺を見に旅行に行ったが、この旅行の途中にターナーがセントクレアに求婚、セントクレアがこれに応じた。嫉妬に狂ったバーンウェルは、ゴルゴにコンタクトをとり、翌日のロッククライミングの最中にロープを狙撃し、ターナーを滝壺に落として欲しいと依頼をする。この”事故”によりターナーは死亡したとされ、後日、バーンウェルとセントクレアは結婚したのである。さらには、ターナーが狙っていた”まだらの紐”の原稿をオークションで競り落としたバーンウェルは、ターナーの願いを根こそぎ奪っていたのであった。一方のターナーは命は助かったものの、記憶喪失となり以後”ペーター・シュトラウス”としての人生を歩んできた。
すべてを思い出したターナーは、ゴルゴにバーンウェル殺害を依頼。自社ビルの竣工式にバーンウェル夫妻を招待したターナーは、セントクレアにバーンウェル殺害を見せつける。シュトラウスがターナーであることに気づいたセントクレアは、忌まわしい愛憎劇に決着を着けるべく、ゴルゴにターナー殺害を依頼。報酬として、自身の命と”まだらの紐”の原稿を差し出す。果たしてゴルゴはターナーを殺害、”紐”を用いたトリックでターナーのビルを後にする。その後”まだらの紐”の原稿を現金化したゴルゴは、ロンドンから去っていく・・・
シャーロック・ホームズ・シリーズの”まだらの紐”を題材にした作品。登場人物の過去と現在が交錯、男女の愛憎と相まって展開されるストーリーが見事。要所要所にちりばめられる”まだらの紐”にまつわるエピソードも、ドラマにほどよいスパイスを与えている。近年のゴルゴ・シリーズは、時事問題・社会問題に特化したり、最新鋭のテクノロジーに拘りすぎたりするきらいがあるが、本作のようにストーリー展開そのものに重きを置いた”劇画”的展開こそがゴルゴ・シリーズの原点であろう。往年の名作を彷彿させる、良質な作品。
ズキューン
<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>
シャーロッキアンという程ではありませんが、私もホームズは好きなのですが、この作品には思うところがあります。それは“ホームズがモリアーティ教授と死闘を繰り広げた谷”での殺しを依頼するとは・・・許せぬ[E:annoy]
本日の一句「ファンなのに、晴れの舞台を、汚すなよ!!」
(先程のコメントでは怒ったまま終わってしまったので、フォローの意味も込めて)
ドラマシリーズにおいて、シャーロックホームズの役をされた方は幾人かいますが、個人的には「(出演)ジェレミー・ブレット(声)露口茂」のパッケージングが最高だと思っております。
ゴルゴ13と関係ない話、失礼しましたm(_ _)m
ホームズをお好きなのですね。私も読書好きなのですが、ホームズはきちんと読んだことがないのです。今回の”シャーロッキアン”を機会に、ちゃんと読みたいな~思いました。
もうこんな時間だったかと言わせることが多いゴルゴですが、
この作品では約束の時間にはまだ五分前だ・・と何か新鮮でした。
そのスーザンの依頼にしても依頼を受けずにその場でスーザンを撃っても良いわけですから・・紹介したローレンス卿というのはなかなかの人物なのでしょうか
>約束の時間にはまだ五分前だ・・
のセリフの直後、ゴルゴの屈み具合が、不自然ですね(笑)
>ローレンス卿というのはなかなかの人物
お城みたいな屋敷に住んでますからね~
スーザンですが15年前、ザイル切断狙撃の全容を目撃しておきながら(普通は婚約者を亡き者にした輩に鞍替えはしないんじゃ…)フレッドと夫婦となって過ごしていた設定に無理があると思うのは私だけでしょうか…。
私はザイルの切れたときは、スーザンが、依頼者がフレッドだとは思わなかったのではないかと考えています。
スーザンが、結婚後に少しずつ「あれ?」と思っていたところに、今回の再会があって、全てが確信に変わって・・・、ということではないかと思っています。