ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第139巻-2 錆びた黄金

2009-06-15 00:18:05 | 第136巻~第140巻

■錆びた黄金(第459話) 発表2000年8月

評価   ★★

依頼人 南アフリカ共和国鉱山エネルギー省 サイモン・ロイド長官

ターゲット アメリカ合衆国 ゴア副大統領(依頼不成立)

報酬 依頼不成立

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 2,518

今回殺害人数       3/ 通算殺害人数   4,760

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   112

<ストーリー>
南アフリカ共和国の政府高官がアメリカ合衆国副大統領の暗殺を計画。依頼を受けたゴルゴは・・・

<この一言>
お前は・・・南アを救うどころか、危機に陥れようとしている・・・

<もう一言>
もういい。お前は俺の依頼人になるには不適格だ・・・。札束を積んだからといって、誰もが世界に手を出す資格があるわけではない・・・

<さらに一言>
言ったはずだ・・・札束と資格は・・・別だ、とな・・・それに、殺人の目撃者になったお前が、このまま生きて帰れると・・・思っているのか・・・?

<解説>
格差拡大とエイズ禍に悩まされている南アフリカ共和国。エイズ蔓延を食い止めるため、アメリカ帰りの『カレル教授』は、アメリカ製のエイズ治療薬のコピー作成に勤しんでいた。しかし、アメリカ副大統領『ゴア』は、治療薬コピーに対する規制を打ち出す。

アメリカ副大統領の意向に不安を抱いたカレル教授は、エネルギー省長官『サイモン・ロイド』に南ア政府の見解を問う。アメリカ副大統領の死をに匂わす発言をしてカレルの元を去ったロイド長官は、ゴルゴとの接触を仲介する長老の元へ向かう。長老はロイドが副大統領暗殺を企図していることに不安を抱くも、ゴルゴとの待ち合わせ場所をロイドに伝える。

ロイドはボディ・ガードを従え、ゴルゴとの会見に臨む。札束にモノを言わせ依頼を強要するロイドに対し、ゴルゴは”もういい。お前は俺の依頼人になるには不適格だ・・・。札束を積んだからといって、誰もが世界に手を出す資格があるわけではない・・・”と言い放ち、依頼を拒絶する。ボディ・ガードとともにロイドを葬り去ったゴルゴは、ロイドとの仲介に立った長老にも死罰を与えるのであった・・・。

アメリカ副大統領ゴアの暗殺を断るゴルゴ。政治・宗教にとらわれることなく、自身が納得しなければ依頼を引き受けないゴルゴであるが、”政治的判断”により依頼を断っている点において、本作は異色である。ロイドの不躾な態度が依頼拒絶の一因であることは確かだが、主たる拒絶要因は”南アを救うどころか、危機に陥れようとしている”ロイドを食い止め、世界秩序の維持を優先したものと考えられる。ゴルゴが政治的意図を持って依頼を拒否したのは、本作だけではなかろうか?世界に手を出す資格を得るには、ゴルゴの承諾を得なければならない。某国のゴルゴ好き総理大臣には、その資格は与えられないだろう・・・。

ゴルゴ13 (139) 巻掲載
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さん、こんにちは。 (totti)
2009-06-15 01:26:24
賛美歌13番さん、こんにちは。

「よくわかるゴルゴ依頼法」などと言う本でも有った日には最悪の例として挙げられそうな話でしたね。
(少なくともロイドはゴルゴ史上最低の愚物として名を残すのは間違いないでしょう)

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賛美歌13番さんこんにちわ。 (ペロ)
2009-06-15 08:35:46
賛美歌13番さんこんにちわ。
>某国のゴルゴ好き総理大臣には、その資格は与えられないだろう・・・
おっしゃる通り。というよりも、日本の政治屋の中で資格がある者が一体何人いるのか?残念な限りです
>“政治的判断”により依頼を断っている
ひとこと付け加えさせていただくと、“南アを救う”という目的と“副大統領を殺す”という手段との整合性が取れていないという理由もほんの少しのではないでしょうか?99,9%は賛美歌13番様のおっしゃる通りだと思いますが。
PS:またコメント先を越された(涙)
本日の一句「ゴルゴ好き、気持ちは総理に、負けないぞ!!」
返信する
tottiさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-06-15 11:14:44
tottiさん、こんにちは。
>よくわかるゴルゴ依頼法
マニュアル社会・マニュアル依存の日本人には必要ですね(笑)私も欲しいです。
>少なくともロイドはゴルゴ史上最低の愚物として名を残すのは間違いないでしょう
同感です(笑)
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ペロさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-06-15 11:19:26
ペロさん、こんにちは。
>、“南アを救う”という目的と“副大統領を殺す”という手段との整合性が取れていないという理由
なるほど!なるほどなるほど!!
『目的と手段の不整合』に納得しなかったということですね。
なぜゴルゴが依頼を断ったかを考えておりましたが、ペロさんのこの指摘ですっきりと理解できました。ほんと、すっきりして気持ちがいいです。難しい数学の問題が解けたような感じです。ありがとうございます。
返信する
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。 (yatu)
2009-07-19 02:32:25
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。
一つ疑問に思うことがあります。
>某国のゴルゴ好き総理大臣には、その資格は与えられないだろう・・・。
とありますが、何をもってそう書かれたのか分からないです。
返信する
yatuさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-07-19 10:52:45
yatuさん、こんにちは。
あいまいな記述でした。ゴルゴの発言をもとに整理してみると・・・
『札束を積んだからといって、誰もが世界に手を出す資格があるわけではない』
このセリフの意味は、
a)札束を積んだからといって、世界(政治)に影響を与えるアクションを起こす資格は誰にでもあるのではない
b)札束を積んだからといって、世界(ゴルゴ)に依頼できる資格が誰にでもあるのではない
との二通りにとれます。
その前にゴルゴは『お前は俺の依頼人になるには不適格だ』と言っているので、どちらかというと、b)の意味合いが強いのではないかと思います。
一方、ゴルゴが依頼を受託するにあたっては、依頼人の揺るぎない信念が必要とされています。
以上を勘案すると、
a)の意味で世界政治にアクションを起こすために、暗殺というようなラディカルな手法を用いることはしないはずですし、文脈上b)の意味合いが強い。
b)の意味で、ゴルゴに何かを依頼する際、揺るぎない信念が条件となるが、
依頼人が備えなくてはならない信念が、最近揺らいでいる(とされる報道が多い)ので、
ゴルゴが引き受けてくれないのでは?との意味で記しました。
最近の報道をみると、お気の毒という気がしますが・・・。
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お前ごとき俗物に批判される覚えはない。 (麻生太郎)
2013-12-28 02:40:21
お前ごとき俗物に批判される覚えはない。
燕雀焉んぞ鴻鵠の志を知らずや
返信する
ロイドもそうだが、長老も問題ありだな。副大統領... (通りすがり)
2014-02-19 21:26:52
ロイドもそうだが、長老も問題ありだな。副大統領を殺したら南アフリカを危機に陥れるおそれがあるのに、批判が許せないからとロイドを止められず、後でそのことを後悔して、どうにかしようとカレルに頭脳明晰であることを理由に押し付けている。正直ひどいな。だから長老も殺されても仕方ないと思った。
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Unknown (Unknown)
2018-01-02 00:55:03
実在の人物を仄めかしで中傷するのはどうなんやろなあ
ブログ自体は有益だったのに残念や
返信する
Unknown (Unknown)
2018-06-24 07:16:45
政治ネタってのは言ってる側は気の利いた風刺だと思い込んでる質の悪い中傷だからね
そこに右も左もない
でもこういうこと言っちゃうあたりこいつゴルゴから何も得てないんじゃないの
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