ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第69巻-4心臓の無い男

2007-05-20 17:21:18 | 第066巻~第070巻

■心臓の無い男(第241話) 発表1986年1月

評価   ★★★

依頼人  SAPO(スウェーデン国家保安警察)

ターゲット シンジケートのボス ベイルマン

報酬   $500,000

今回弾丸発射数    13/ 通算弾丸発射数 1,365

今回殺害人数        7/ 通算殺害人数   1,461

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    82

<ストーリー>
スウェーデンでは人工心臓を埋め込んだ者は”死者”とみなされ、法律上裁かれることはない。この制度を悪用したシンジケートのボス「ベイルマン」は殺害を繰り返す・・・

<この一言>
人工心臓を移植した患者たちのリハビリテーション・スケジュールを、数例知りたい・・・機能回復に要する日数と運動方法・・・脈拍、呼吸、などの、数値データなどもだ・・・

<解説>
シンジケートのボス「ベイルマン」は情事の際、『首締めプレイ』により女を殺してしまう。裁判の直前に心臓発作で倒れたベイルマンは、人工心臓移植手術により一命を取り留める。しかし、スウェーデンの法律では心臓の停止=死亡と見なされ、人工心臓手術を受けたものは死亡者として扱われるため、ベイルマンは裁判にかけられることがなくなった。これに乗じたベイルマンは、次々に組織内の有力者を粛正する。警察はベイルマンの仕業と知りつつ、法律の壁に地団駄を踏むばかりであった。業を煮やしたスウェーデン国家保安警察(SAPO)は、ベイルマンの殺害をゴルゴに依頼する。しかし、殺害方法には、狙撃の痕跡を残さず他殺と知れないようにとの条件が付けられていた。ゴルゴは依頼を受託するにあたり、人工心臓患者のデータを提出を要求する。

ゴルゴは、ベイルマンが猟に出かけた際、付き人と猟犬を狙撃し、ベイルマンの足下を狙い撃つ。慌てたベイルマンは逃げまどうが、人工心臓に過度に負担がかかったため死亡する。人工心臓患者のデータを元に、人工心臓の欠陥を割り出したゴルゴの医学的知識の深さに驚嘆せずにはいられない。
なお、本作の殺害数7には猟犬4が含まれている。

余談だが、本作は1986年発表作品。渡辺淳一の『愛の流刑地』でも主人公の男性が女性を『首締めプレイ』で殺めてしまうが、愛ルケに20年も先行して『首締めプレイ』を登場させるあたりに先見の明を感じる。まあ、阿部定も『首締めプレイ』の末の事故だったようなので、『首絞めプレイ』は案外ポピュラーなプレイなのかもしれないが・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (69) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さんこんにちわ。医学の発展によって... (ペロ)
2007-05-21 11:34:43
賛美歌13番さんこんにちわ。医学の発展によって、人の死の定義が難しくなっていますね。
ところで、法律上は死んだベイルマンが殺された場合、法的にはどう処理されるのでしょうか?興味深い
返信する
ペロさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2007-05-21 21:46:50
ペロさん、こんばんは。
今回の作品、ペロさんのコメントにもあるように深い問題を提起していますね。医学的/法的な死の定義、飛躍して尊厳死の考え方・・・。ペロさんのご指摘の通り、死の定義により矛盾が生じてしまいます。ゴルゴの死の定義は「おれがギルティと定めたら・・・、死だ・・・」といったところでしょうか。
返信する

コメントを投稿