goo blog サービス終了のお知らせ 

ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第89巻-1BEST BANK

2007-08-11 22:01:52 | 第086巻~第090巻

■BEST BANK(第301話) 発表1993年5月

評価   ★★★★

依頼人  四菱グループ総帥志村

ターゲット ①東亜銀行頭取坂本を狙うスナイパー ②東亜銀行頭取坂本

報酬     不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 1,692

今回殺害人数         4/ 通算殺害人数   3,837

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
四菱銀行と東亜銀行の合併を巡り、アメリカ・元日銀総裁・四菱グループの思惑が交錯する・・・

<この一言>
仕事の内容を聞かせてもらおう、か・・・

<解説>
日本最大の財閥銀行”四菱銀行”と外為業務に強い”東亜銀行”の合併が進行。仕掛人は大蔵省から”東亜銀行”に天下った坂本頭取であった。

アメリカはメガバンクの登場を快く思わず妨害工作を企てるが、日本経済の牛耳る”元日銀総裁松下”は、これを阻止。メガバンク設立の仕掛人と思われた坂本も松下の操り人形でしかなかった。

四菱グループ総帥”志村”は、四菱=国家との思想の持ち主で、アメリカの日本への干渉を排除しつつ、新銀行のイニシアチブを握るため、
①アメリカが放った坂本頭取を狙うスナイパーの殺害
②新銀行設立後、坂本頭取(新銀行会長)の殺害
をゴルゴに依頼、ゴルゴはこのミッションを難なく完遂する。

言うまでもなく、本作の”四菱銀行”は三菱銀行であり、外為に強い”東亜銀行”は東京銀行である。本作は1993年発表であるが、1996年に三菱銀行と東京銀行は合併、『東京三菱銀行』が設立され、その後の都市銀行の合併の先鞭となった。ゴルゴシリーズが金融史を先取りする形でメガバンクの出現を予言しているのである。その後、都市銀行の合従連衡は周知の通り。本作発表時の都市銀行(今ではその呼び名も忘れ去られているが・・・)と現在の銀行名を比較すると、隔世の感がある・・・

三菱銀行+東京銀行=東京三菱銀行
三和銀行+東海銀行=UFJ銀行      
東京三菱銀行+UFJ銀行=三菱東京UFJ銀行

さくら銀行+住友銀行=三井住友銀行

第一勧業銀行+富士銀行+日本興業銀行=みずほ銀行

あさひ銀行+大和銀行=りそな銀行

北海道拓殖銀行→破綻

ズキューン

ゴルゴ13 (89)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第88巻-3プログラム・トレーダー

2007-08-10 23:58:28 | 第086巻~第090巻

■プログラム・トレーダー(第300話) 発表1990年2月

評価   ★★★★

依頼人  前SEC(米証券取引委員会)委員長シャーク

ターゲット ①グラス ②ハミルトンとコンピューター

報酬     不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 1,690

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   3,833

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
インサイダー取引と”ブラックマンデー”で職を失った元証券マン「ハミルトン」。ウォール街に復讐を誓ったハミルトンは・・・

<この一言>
わかった。やってみよう・・・

<もう一言>
引き続き一任する

<解説>
証券取引を監視するSECの委員長「シャーク」は、インサイダー取引容疑者「ポリャンスキー」に『マフィアがポリャンスキーの命を狙っている』とブラフをかます。ポリャンスキーの持つグラスをゴルゴに狙撃させると、ポリャンスキーはインサイダー取引を自白し保護を要請する。

ポリャンスキーのインサイダー取引を幇助していた証券マン「ハミルトン」は、SECにより多額の課徴金を請求された上、1987年の大暴落「ブラックマンデー」によりリストラされる羽目に。証券市場に恨みを抱いたハミルトンは、マーケットに恨みを抱き復讐を誓う。

会計事務所に転職しM&Aを担当するようになったハミルトンは、「ユナイテッド航空持株会社UAL」の買収を任される。UAL買収を発表することでUAL株を吊り上げ、今度は買収不調を発表することで株価を下落させる。さらに急落した株価をさらに暴落させるため、プログラム売買により売り浴びせる。加えて、コンピューターウイルスにより世界中のマーケットを暴落させることを企てるハミルトン。しかし、シャークはハミルトンの企てを察知し、ゴルゴにハミルトンの殺害を依頼。日本マーケットが開く直前にゴルゴの黄金の銃弾がハミルトンと彼のコンピューターを貫き、世界同時株安は阻止される。

本作のエピソード一つ一つがバブル末期のマーケット事情と、アメリカ型資本主義を追従している日本の今日を描き出しているのが面白い。

・株価下落のスパイラルを招く「プログラム売買」
 →金融工学(デリバティブ)の進歩と各国市場の連動による世界的株価連鎖
・80年代から90年代に吹き荒れたアメリカでのM&Aブーム
 →20年遅れの日本市場/アメリカ型資本主義の追従
・インサイダー取引など証券市場監視強化
 →日本版SECの設立は未だならずも、市場ルールの整備進行

また、ゴルゴの窓口となる美人秘書が登場しているのも興味深い。彼女は「秘書」なのか、それもと「秘書代行業」をゴルゴが利用しているのか。この秘書は「G13型トラクター」を合い言葉に、ゴルゴとシャークのアポイントを調整している。また、オランダの「ランベトラ」投資信託会社がゴルゴから一任勘定で資産の運用を任され、「年利26%」で運用益をあげていることも判明。秘書がゴルゴからの伝言「引き続き一任する」をランベトラに伝え、取引を継続している。ゴルゴの一任勘定に穴はあけられないだろう・・・。運用担当者のプレッシャーは相当なものに違いない。

ズキューン

ゴルゴ13 (88) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第88巻-2東欧の激動・六日間革命

2007-08-08 23:45:59 | 第086巻~第090巻

■東欧の激動・六日間革命(第299話) 発表1990年6月

評価   ★★★

依頼人  反政府運動組織

ターゲット チャウシェスク大統領夫妻の影武者/秘密警察 ミハイル・ベリンデ将軍

報酬     不明(狙撃料+依頼変更にともない当初狙撃料の50%を上乗せ)

今回弾丸発射数       5/ 通算弾丸発射数 1,687

今回殺害人数         5/ 通算殺害人数   3,832

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数    94

<ストーリー>
ルーマニア・チャウシェスク政権崩壊!激動の六日間にゴルゴはいかに関与したのか・・・

<この一言>
入って来た敵が死ぬか、俺がやられるかは、その時のただの状況にすぎない・・・

<もう一言>
体型は同じでも、文官と武官ではその筋肉の動きがまったく違うものだ・・・

<解説>
1989年12月、ルーマニア・チャウシェスク政権が崩壊した。政権崩壊前、反政府運動組織はゴルゴに殺害依頼を行う。その依頼内容は、「チャウシェシュク大統領夫妻の影武者」の殺害と秘密警察「ミハイル・ベリンデ将軍」の殺害であった。
チャウシェスク体制の崩壊が近いと読んだ反政府運動組織は、体制崩壊後に「ベリンデ将軍」が「チャウシェスク大統領夫妻」の影武者を操って権力維持を図ることを恐れ、ゴルゴに影武者の殺害を依頼したのである。

市民運動に政府軍も加わり、いよいよチャウシェスク政権は追い詰められる。一方、体制維持を図るベリンデ将軍は、影武者とともに打開策を検討する。市民運動の圧倒的な勢いと、先を見いだせぬベリンデ一派の焦燥の対比が、革命前夜の緊迫感をあぶり出す。

国営放送局が占拠され、チャウシェスク逮捕が報じられると、ベリンデ将軍は行動を開始する。ベリンデ将軍がマスクを剥ぐと、その下にはチャウシェスクに瓜二つの顔が現れる。ベリンデ将軍こそがチャウシェスクの影武者だったのである。
ソ連に亡命すべくリコプターを要請する影武者一派だが、無線を傍受していたゴルゴはヘリコプターで影武者一派の元へ現れ、影武者以下を殺害する。

チャウシェスク体制崩壊を題材にした作品。緊迫した革命前夜のルーマニアが描かれており、非常にスリリングな内容。1980年代後半から、ゴルゴシリーズは時事問題を題材にした作品が増えている。東西冷戦構造が崩れ、東西陣営の対決・諜報戦という題材が描きにくくなった面もあろうが、エポックメイキングな事件が節目節目で描かれているのが分かる。作者の慧眼には驚くばかりだ・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (88) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第88巻-1餓狼おどる海

2007-08-07 23:53:14 | 第086巻~第090巻

■餓狼おどる海(第298話) 発表1990年4月

評価   ★★★★

依頼人  UNCHR(国連難民高等弁務官事務所)本部ボートピープル救済特別委員会

ターゲット 海賊

報酬     $2,000,000

今回弾丸発射数     43/ 通算弾丸発射数 1,682

今回殺害人数       27/ 通算殺害人数   3,827

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    93

<ストーリー>
ボートピープルを襲う”海賊”の殲滅を国連がゴルゴに依頼。ゴルゴは人間魚雷”回天”を準備して海賊一味に立ち向かう・・・

<この一言>
言っておくが・・・俺は、上着のボタンのかかっていない男の同席は・・・許さない!

<もう一言>
銃口を人に向ける時は・・・引き金を引く時、だ・・・

<さらに一言>
それに・・・言っておくが・・・銃を手にしている時は、絶対に俺の背後に立つな・・・つい手が出てしまう・・・お前を殺したくないんでな・・・

<解説>
1975年以降、カンボジア・プノンペン陥落、ベトナム・サイゴン陥落、ラオス・ビエンチャン陥落といったアジア諸国の政変は、大量のボートピープルを発生させた。同時に、ボートピープルを襲う海賊が南シナ海に出没、被害が拡大していた。事態を重く見たUNCHR(国連難民高等弁務官事務所)本部ボートピープル救済特別委員会は、海賊の殲滅をゴルゴに依頼する。依頼金は破格の$2,000,000で、バブル絶頂の日本が拠出している。

ゴルゴはオーストラリア・ダーウィン在住の武器職人「ジム・マッキボン」を訪ね、第二次世界大戦末期に日本海軍が人間魚雷として開発した”回天”を改良した簡易潜水艦を受けとる。小型船に”回天”を曳航し南シナ海を目指す。

ゴルゴの小型船にはジムの甥「アルフィー」が潜んでいた。アルフィーはスリルを求めてゴルゴの船に乗り込んだのだが、ゴルゴはアルフィーの同乗をやむなく許可。思いがけない闖入者に教育的配慮を示すあたりにゴルゴの懐の深さが伺える。

ゴルゴは海賊を発見するや回天に乗り込み海賊を撃破、さらにはアジトに海賊が終結するのを待って一斉攻撃をかけ、海賊一派を殲滅する。

ゴルゴとアルフィーの掛け合いが面白い。アルフィーがゴルゴのことを「おたく」と呼ぶくだりは、「オタク」出現と時期的に合致して興味深い。アルフィーに対し、突き放しつつも教育的指導を繰り返すゴルゴがなんともいい味を出している。アルフィーの人物観察眼はなかなか鋭く、ゴルゴ評はかなり核心を突いている。
<アルフィーのゴルゴ評>~「おたくはきっと・・・」~
・海の好きな日本の実業家
・世界中を飛び回っていて国際的な大物たちに顔がきく
・がっぽりコンサルタント料が支払われる
・結婚なんて面倒
・ガールフレンドなら世界中にいる
・よっぽどイカレたマニア
・死神のとり憑いたやつ

ズキューン

ゴルゴ13 (88) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第87巻-3ファイル消失

2007-08-05 22:56:25 | 第086巻~第090巻

■ファイル消失(第297話) 発表1990年5月

評価   ★★★

依頼人  バチカン市国行政首席ドン・フェリーチ侯爵

ターゲット 麻薬組織の表向きのボス”ネルビ”

報酬     不明

今回弾丸発射数      5/ 通算弾丸発射数 1,639

今回殺害人数        5/ 通算殺害人数   3,800

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    93

<ストーリー>
バチカンに寄付された病院は、麻薬資金のマネーロンダリングによるものだった。この事実を知ったバチカンは・・・

<この一言>
これは・・・バチカン市国の依頼・・・と、考えていいんだな?

<解説>
「バジーレ市長」がバチカン寄付した病院は、麻薬資金のマネーロンダリングにより建てられたものだった。市長の仮面を被りながら裏で麻薬組織を束ねるバジーレは、麻薬売買で稼いだカネで病院を建設、その建物の建築請負をグループ企業に発注することで資金を環流させていた。この事実を知ったバチカンのバッキス神父はバチカン上層部に資料を送付した直後、バジーレ一派に殺害される。

バジーレはバチカン上層部がマネロンを公にすることを阻止すべく、バチカンの弱みを握る。第二次世界大戦終了直前、バチカンがナチス幹部の逃走を助けていた資料を国連から盗み出し、マネロン資料との交換を強要する。

バッキス神父の弟「行政首席ドン・フェリーチ侯爵」は、バチカン上層部の決定を受け、マネロン資料とバチカンがナチス逃走を助けた資料の交換交渉に当たる。しかし、兄を殺されたこフェリーチは、バッキス神父殺害の実行犯「ネルビ」の殺害をゴルゴに依頼する。

フェリーチはネルビとの書類交換の場所において、ネルビに命を狙われる。その刹那、ゴルゴのM16がネルビ一派を殲滅。殺害の現場を目の当たりにしたフェリーチは、罪を償うために自害する。

マネーロンダリングとバチカンをテーマにした作品。バチカンがナチス幹部の逃亡を助けたことを知る元ナチ「ハンス」が不気味だ。ナチスと因縁深いゴルゴだが、ハンスとゴルゴが交わることはあるのだろうか・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (87) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>