ロシアの風土とラフマニノフ

2014-02-01 17:50:26 | 音楽の思い出

ソチ冬季五輪まで1週間となりました。

そのロシアの代表的な作曲家、ラフマニノフに

はまりつつある私にとって、彼の音楽には

感じるところがあります。

ロシアといえば、広大な寒冷地、

大きな河が流れ、シベリアに代表される

ような肥沃ではないツンドラ地帯が

占めている国。そんなイメージが

強いのですが、この風土が生み出した

と感じられる音楽があまたあるのは、

周知の事実です。

ラフマニノフの音楽も

例外ではないと思います。

首都モスクワやサンクトぺテルブルグも

厳寒地で、氷点下の気温の中、

超冷たい強風の吹雪に見舞われる

ことは日常茶飯事なことでしょう。

しかも、冬季は、日照時間が

とても短い。場所にもよりますが、

朝の10時でも太陽の光が射さない

夜のままのエリアもあるといいます。

こんな厳しい、暗い地域、季節で

生まれる音楽というのは、

厳しい自然を畏敬する人間の

微力さを感じた音楽も、そのひとつ

でしょう。

それと、同時に「あわてたって

どうにもならない。じっと静観し、

時を過ごせば何とかなるよ」と

いういい意味での諦観も

生活の知恵だと聞きます。

四季のある狭い島国、日本と違い、

超大陸的ですよね。

日本でも北国の人は、我慢強い

といいますけど、これは、ある意味、

生活の知恵ではないでしょうか。

ラフマニノフの音楽にも、この陰鬱さと、

諦観が同居している気がします。

代表作『ピアノ協奏曲2番』では、

第1楽章は、陰鬱な出足で始まり、

悠久の流れのような雄大なゆったり感が

音で表現されています。

第3楽章は、まさに明るい諦観を

感じます。じたばたしない!

自然に逆らってもどうにかなる

もんでもないのがわかっていて、

風土に溶け込むように生活する。

この生活の極意が、穏やかな

温かい音で表出されている気が

するのです。

実に味わい深いと思います。

風土に影響され、自己を重ね

合わせて作られた曲という

印象です。

このような故国の風土に影響

を受け、愛国心を表現した

先代の国民楽派と呼ばれる

作曲家には、チェコのスメタナ、

ドボルザーク、フィンランドの

シベリウスらがいます。

それぞれ味があり、趣深い

音楽だと感じます。

ゴルフでもコース環境(河川、

山岳、丘陵、リンクスなど)が、

ゴルファーを育てるといいます。

私たちにとり、自然は

切っても切り離せない存在ですね。