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「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

「高知ファンクラブ」に投稿された、続きもの・連載記事を集めているブログです。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・めだか

2010-11-20 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

{めだか}   「ぷらっとウオーク」                 情報プラットフォーム、No.177、6(2002)

medaka1.jpg
                                                      
 落語「めだか」を聞いたことがある。高知の地名が沢山でて来る。この時は漠然と聞き流していた。検索してみると八代目林家正蔵の演題であることが分かり、内容を確かめたくなった。

取り寄せたテープからは、高知、高岡、戸波(へわ)、須崎、そして久礼、上ノ加江(かみのかえ)、葉山、船戸などの地名が聞こえてくる。

「回船問屋の万七は後妻に財産を乗っ取られ、なさぬ仲の幼い男の子を連れて高知から須崎に戻る。途中で高価な帽子を欲しがる。なけなしのお金で買った帽子で無邪気にめだかを掬う。

その子が大きくなり、東京に出て十年が過ぎ、上ノ加江の診療所に医者として戻ってくる。上品な五十絡みの女性と一緒に峠の茶屋で商売をしている幸せそうな義父と再会する。戦勝記念の花火を高知に見に行く途中で、めだかを掬った場所を通り掛かる」と云った人情話である。


  この親子の通った道を調べ出し、歩いて辿りたいと思っている。峠の茶屋のあったところは道の駅布施坂の近く、新庄川(葉山村)と四万十川(東津野村)を距てる峠ではないかと思っている。

関連する情報を頂ければ幸いである。     [suzuki@joho-kochi.or.jp]


鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・秋の水田

2010-11-20 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」              情報プラットフォーム、No.176、5(2002)   
{秋の水田}                                                         
  水を張った水田を南国市内で見かけた。春先ではない。二毛作が可能な高知であっても、秋に田植えをするはずがないと我が目を疑った。職場には農家出の職員が大勢居る。聞いて廻ったが、その事実さえ知らないのである。答は得られなかった。

  そのようなとき、水田転作で長なすを作っている福岡県のことを小耳に挟んだ。ホームページは便利である。ちゃんと出ている。収穫後に水を張ることのできる水田にハウスを作り、長なすを栽培している。これこそ、禍を転じて福と「なす」である。これで病害虫を死滅させ、連作障害を防ぎ、30年以上にわたって長なすの全国シェア6割を守り続けている。受粉には「まるはなばち」を使っている。長なすを食べる習慣のない関東圏に、レシピ付きで販路を拡げる努力もしている。

 稲作が寒冷な東北・北海道にまで進出できたのも水田のお陰である。寒の戻りがあるとき、早苗が水没する程に水かさを増やしている。米に執着する日本人の知恵である。   

 注:なお、安芸市周辺での「なす」の生産量は全国トップであるが、栽培法の詳細を検索で知ることは出来なかった。                           [suzuki@joho-kochi.or.jp]

 

 


鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・破獄

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
破獄 情報プラットフォーム、No.202、7(2004)




正月の2日には子供達を連れて我孫子の実家に行くことが恒例になっていた。

同じこの日に必ず来る人が居た。小説の中の呼び名で言えば脱獄囚の佐久間である。一年に一度、世話になった父に近況報告に来るのである。

戦前・戦後の混乱期に4回の脱獄を繰り返した後、当時、父が所長をしていた府中刑務所に移送されて来た。ここで更生し、仮釈放で出所したのである。酒も煙草もやらず、とつとつと話をする人である。しかし、精悍な面構えである。


 脱獄した山の中、北海道の冬をどのように過ごしたかは、登山をする私にとって興味の尽きない話である。

あまりに面白いので、録音をさせて貰った。まだテープがオープンリールの時代である。私が質問して、彼が答える形であるが、父も質問に加わっている。

録音は3年ほど続いた。ドキュメンタリー作家の吉村昭氏がこのテープの存在を知った。佐久間やその係累が生きている間は、世に出せないと父は断り続けていた。その後、このテープを基に小説「破獄」が書かれたのである。


 法務大臣からの移送の命令を受けた夜の記述は史実と異なっている。小説には「彼はその夜、まんじりともしなかった。」とある。母に言わせれば、酒を飲んで大いびきで寝ていたそうである。これは小説に馴染まない。


 娘の葉子が中学生になった頃、「少し難しいかも知れないが、我孫子のおじいちゃんはこんな人だから。」と読むことを薦めた。


 床板を切って床下から、鉄格子を押し広げて窓から、天窓を打ち破って屋根から、入り口の扉を破って廊下へ。脱出方向は4回がそれぞれ異なっている。

日常的に体力トレーニングを欠かさず、看守の心理操作を巧みに行い、裏をかく達人であった。府中刑務所へ送られて来たときは、後ろ手に手錠、足枷を掛けられ、これらの鍵穴は鋳潰されていた。

人間性を無視した屈辱的な状態である。手が使えないので、犬食いしかできない状態だった。父は手錠・足枷を切断させた。

北風のピューピューから、太陽のポカポカに変えたのである。詳しいことは新潮文庫の「破獄」を読んで欲しい。


娘の感想は予想外のものであった。「おじいちゃんほど残酷な人は居ない。佐久間の生き甲斐を奪ってしまっている。」であった。今も、葉子の生き方はユニークである。



ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154


鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・切り詰めて生きる

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
切り詰めて生きる                             情報プラットフォーム、No.201、6(2004) 

 

出典:木の話いろいろ         光合成を行う植物にとって太陽光は不可欠である。誰よりも早く背を高くする必要がある。背伸びに時間が掛かり、他の木に先を越されれば、回復のチャンスは無くなってしまう。

 


 

「背は高く、幹は太く丈夫にしたい、でも栄養は限られている」とすれば、生きるために必要なエネルギー・コストを最小にしなければならない。

そこで、生かしておくのは重要な機能的性能を発揮してくれる細胞、すなわち、個体維持・成長・生殖のための細胞だけに留め、一方、体を支える構造部分の細胞には死んでもらうことが得策となる。


 
養分や水分を送る維管束を備えた形成層は木の皮の少し内側にある。

形成層の外側に作られる細胞はコルク層となり、数年後には形を変えて皮になる。

表皮は生きて居らず、死んで保護・防御の役に回る。形成層の内側で作り出される細胞の寿命は、新しい細胞が作り出される次の年までである。

ここでは、細胞壁は硬く、死んでも、古くなっても壊れずに、蓄積されて木質部になる。

杉や桧を思い出して欲しい。年輪の見える木の断面は、皮-形成層-白い木質部(辺材)-褐色の木質部(心材)になっている。

辺材部分では、僅かな監視細胞だけが生き残り、外敵に対する防御をしている。

心材部分は防腐剤が残され腐食に備えている。

樹木は最小限の労力で、最大限の効果で、外敵を防ぎ、エネルギーの消費を押さえ、背を高くして生き延びることに専念しているのである。


 動物の寿命は長くても100年である。樹齢1000年を優に越える巨大な樹木があるのもこのような節約の仕組みがあるからである。

注)なお、この文章はimidas2004に寄稿したものが基本になっている。
 

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・200億円

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

200億円                                                 情報プラットフォーム、No.200、5(2004)

≪青色発光ダイオード≫
写真:日亜化学工業(株)
 

出典: 青色発光ダイオード(LED)」の最新記事 特許などの知的財産権は、創作に対して期間限定の独占排他権を認める制度である。「新規性」と「進歩性」はオリジナリティ(創造性)に関わる必要条件である。

 

 

 

 

文藝春秋に掲載された「200億円判決」の評論では、会社側の処遇や事業への貢献度などを勘案して、2億円が相当と試算している。副題の「リスクへの挑戦と発明の対価を混同してはならない」は特許要件の二面性を対比していることは評価できるが、両者をハカリに乗せて議論をするほど簡単な問題ではないように思う。

 

アメリカの裁判では、請求範囲を規定する文言とは無関係に、別な製造方法であっても実質的に同じモノであれば、特許侵害と判断される場合が多いのである。

同じものと見なすとする考え方を「均等論」と呼ぶ。特許権者に極めて有利な概念である。東京地裁の判断はこれに準拠したものと思われる。


 

自社での事業化が決断ならば、特許流通システムに乗せて、使い手を探し出して利益を確保することも決断である。

特許も、人材も、機能も、システムも、企業本体もすべてが商品であり、売買や投資の対象である。商品の値段は原価計算で決まるものではない。高値で売り抜けるのも決断である。

 

 

 

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 日本もアンチパテント(特許軽視)から、プロパテント(特許重視)の時代に変わりつつある。因みに4月18日は発明の日である。
 日本工学アカデミーの西沢潤一会長が示した見解、「発明が0から1への挑戦ならば、その1100倍、10億倍にする新規事業も挑戦である。010億倍しても0、逆に10を掛けても0である」は特許要件の二面性を的確に示したコメントである。つぎに、「事業化・商品化はさまざまなリスクを伴う。社長の決断あればこそ今がある。」はそのとおりである。しかし、社員の発明に対する対価も事業化のリスクの一つであると共に、企業が特許を取得すれば有用化・事業化・製品化の社会的義務が発生すると考えるべきである。 まず、「大量生産される窒化ガリウム・青色LEDの製造法は最初の発明とは異なっているので、中村氏の実質的な貢献度は低い。」とする主張は成り立たない。 青色発光ダイオード(LED)の判決は大きな話題となった。中村修二氏が発明の対価として得た社内報奨金はあまりに低すぎるとして、東京地裁は200億円の支払いを日亜化学に命じた。 一方、「有用性」と「開示性」は活力に溢れる社会形成に期待する十分条件と見ることができる。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・冷やして飲む、温めて飲む

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
冷やして飲む、温めて飲む 情報プラットフォーム、No.199、4(2004)


中国のハルピンでの話。夏の太陽の照りつける街中を歩き、喉が渇ききったとき、道ばたに小さな店があった。

冷たいビールか、コカコーラが欲しかった。私はビールを、友人はコカコーラを注文した。

なま暖かい缶ビールを手にする私に対して、彼のコカコーラの缶には水滴が付いている。

「コーラは冷えていると予想したのです。」に続けて、「アメリカと国交を開いてから、冷やして飲むものとして最初から中国に入ってきたコカコーラ。特に冷やして飲まなかったビールの違いを考えてのことです。」と言いながら誇らしげにコーラを飲んでいた。悔しい思いである。


ドイツでの話。マイナス気温のクリスマスの夜のシュトットガルトの街を散歩していた。

熱く温めた赤ワインを屋台で売っている。このグリューヴァイン(Gluehwein)にはシナモンなどの少量の薬味が加えてある。

キーンと音がするような寒さの中、手袋をした両手で暖かさを感じながら口にすると、冷え切った体の芯から暖まってくる。

子どもの頃に飲んだ「甘酒」を思い出す。お燗をして飲むのは日本酒だけではないことを知った。


 高知での話。

辛口の高知の酒は冷酒に限ると思った。もともと日本酒は好きではなかった。

お燗をしたお酒の匂いと、ベトベト感がその理由である。「何になさいますか。」「冷酒にします。」を常とすることによって思わぬメリットが出てきた。

宴席での献杯を少なくする効果である。なお、温めたお酒での絶品は「ひれ酒」や「骨酒」である。


 温めると言えば、焼酎のお湯割りやホットウイスキーがある。アルコール濃度の高い蒸留酒では、温めることよりも、薄めることの方が主目的だろう。



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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・ユダヤ人

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
ユダヤ人 情報プラットフォーム、No.198、3(2004)




「山口さんちのつとむ君」ではないが、友人に勉君(つとむ君)が居る。

皆、「ベン」と呼び捨てにしている。彼がアメリカに留学したが、そこでも「ベン」と呼ばれた。

「ベン、あなたはユダヤ人ですか?」と尋ねられ、皮膚の色を見れば分かるのに、何故そんなことを聞くのだろうと不思議に思ったと言う土産話をしてくれた。


 話を変えよう。90年代のエチオピアとエリトリアの紛争のとき、ユダヤ人救出のテレビを見て吃驚した。

イスラエルの特別救援機に乗り込もうとしている人々は、見たところエチオピア人である。

モーゼに率いられてエジプトを脱出したとき、一部のユダヤ教徒が残留し、その末裔たちが血を交えながらも教えを守り続けたのだろうと感じた。


 ユダヤ人で思い浮かべるのが「ベニスの商人」のシャイロックのような容貌である。これが全くの偏見であることは上の二つの例で分かるであろう。

ユダヤ人とは、人種ではなく、ユダヤ教徒を指すことが普通である。だから、肌の色や容貌とは無関係なのである。


 ベストセラーになった「日本人とユダヤ人」が出版されたのは30年程前である。

「安全と水はただと思っている日本人」の記述で有名になった。

著者はイザヤ・ベンダサン、翻訳者は山本七平氏である。今では、山本氏自身が「ベ(ペ)ンダサン」のペンネームで書き下ろしたものと信じられている。

であれば、(さあ、言いたいことを言うぞ)の意味を込めて、「いざや、べん(弁)出さん」としたと考えられる。

ユダヤ人らしい名前である。胸の思いを弁ずればストレス解消になる。この他にもいろいろに読める。

(便)とすれば、お通じが良ければお腹の脹れは無くなる。勉とすれば、うんちくを傾けた勉学の成果を論じ満足するとなる。(ペン=筆)とすれば、筆を執り出し世相を論評することに通ずる。


ところで、イザヤ、ベンジャミンは比較的ユダヤ人に多い名前である。ベンジャミンの愛称がベンである。

友人は「ベンジャミン ヤマグチ」と思われたのである。また、今では安全と水がただと思っている日本人は殆ど居ないだろう。 



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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・ユビキタス

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
ユビキタス                                                        情報プラットフォームNo.197(2004)  

 



PCimage05.jpg 
最近、ユビキタス・コンピューティングとか、ユビキタス情報社会と言う言葉を耳にするようになった。


ちなみに、現代用語事典のイミダス(imidas)にこの単語が出現したのは2002年版からである。何時でも、何処でも、誰でも」コンピュータに囲まれた生活環境にあるとの意味である。


ubiquityubiquitousはラテン語源の言葉であり、神は「何時でも、至るところ、あまねく存在している」とするキリスト教の考え方を示している。


同時遍在性と訳すことが出来る。偏在ではなく、遍在である。


 


  ユビキタスとはどの様な社会だろうか。「何時でも、何処でも、誰でも」に加えて、「見えない、気が付かない、そして心のままであり、思うままである」のようになる。



computer01.jpg多数のコンピュータやセンサーを装備した軽快な衣服を着て、それらと応答できる外部環境の整った空間でしか生きることの出来ない人類を想像して欲しい。


こんな環境は容易に破壊される、セキュリティの確保が出来ないなどと情報化社会の脆弱性を心配する人が多いのは当然であろう。実際にその環境から離れれば人間は生きることは出来なくなる。


 


体毛を失っても人類が寒さに耐えて生き残ることが出来たのは衣服のお陰でもある。将来、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが生まれた孫に贈る産着は、暖かさ・軽さ・可愛さに加えて、情報的な機能性・自律性の高い装備品になっているだろう。



 



Office11.jpgここでは失せ物を探す必要がなくなる。いや、失せ物、捜し物の概念がなくなるのである。


持ち主が失せ物と意識すれば、身に付けた見えないコンピュータが直ちに察知し、その瞬間にICタグが付いているので失せ物ではなくなると想像して欲しい。


皆さんも、携帯電話が手元にないと気付いたとき、「ここに居るよ」と応答してくれる機能を使ったことは何度もあると思う。


 


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ユビキタス社会を容易にイメージできる一例を示してみよう。
 しかし、これが進化ではないだろうか。進化の過程で人類が衣服を身に着け始めたときと同じことと考えられないだろうか。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・お墓とIPアドレス

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

お墓とIPアドレス                          情報プラットフォーム、No.196、1(2004)


  




  


子供心にとってとりわけ大きなショックは、土葬だったことである。そして、そこには先祖さまのお墓が並んでいた。




 


                出典:お墓参りの豆知識


 何となく感じられる恐怖感とは別に、「このままでは、地面のすべてがお墓になってしまう」と心配したことを思い出す。後になって、何処かの遺跡発掘の報道から、お墓の下に、またお墓が、その下にまた遺跡があることを知った。


また、風葬、鳥葬、散骨などのお墓を作らない弔い方のあることも知った。これで一安心したものである。                           




PCimage03.jpg インターネットが身近になろうとしていた一昔前に話を変えよう。


情報工学が専門の同僚に「将来、アドレス数が足りなくなりませんか。地球上の人口が100億人になるのは見えています。」と質問した覚えがある。


今、この心配が現実になろうとしている。このままでは、陸地の上にお墓を作る余地が無くなるのと同じように、IPアドレスが足りなくなるのである。


 



 
ictagu2.jpg                                           出典: ICタグ辞典



 このようなニーズに対しては、例えば、
IPv6のような大容量のIPアドレスが必要になってくる。現在のインターネットのIPアドレスはIPv4Internet protocol version 4)と呼ばれ、32ビッ
ト(23243億個)を識別できるに過ぎない。IPv6では、その数が128ビット(2128)になる


 



 
(注:ICタグとは、情報の書き込み、記憶、読み出しの機能を持つ極小の集積回路である。バーコードを超える機能を持つタグ(荷札)と思えばよい。無電源で作動するもの、電池を内蔵するものがある。)


 


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 どの位、多くなるかを示すと296倍である。計算は(1283296)のように行う。と言われても想像できない。IPv6の容量を太陽の大きさとすれば、今使っているIPv4は石油缶の容量ほどに過ぎない。
 個人個人に対応したアドレスだけではなく、それぞれの家電製品、自動車、携帯電話だけではなく、商品などを含むあらゆるものに「ICタグ」などによって、アドレスを付ける時代がそこまで来ているのである。
hakamairi1.jpg
小学生になった頃、お祖父ちゃんが亡くなった。身内の始めてのお葬式。亡骸に対面するのが初めてであり、悲しかったと言うよりも怖かった。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・暗記と暗誦

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

暗記と暗誦                   情報プラットフォーム、No.19512(2003)

 


 「祇園精舎の鐘の声、からガマの油売りまで、覚えて声に出すと心地よい日本語の名文、名句を集めた本。

暗誦は心を養うために必要であり、もっと注目すべきと説く。日本語の魅力を再発見。いま、暗誦文化は絶滅の危機に瀕している。

かつては、暗誦文化は隆盛を誇っていた。小学校の授業においても、暗誦や朗誦の比重は低くなってきているように思われる。・・・・・・歴史のなかで吟味され生き抜いてきた名文、名文句を、声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。

そして身体に活力を与える。それは、たとえしみじみしたものであっても、心の力につながってくる」と"声に出して読みたい日本語"の著者の斉藤孝氏は述べている。(草思社、20019

 

 

私は「いらかの波の・・・」と歌っていたが、今さら人に聞くことが恥ずかしい年齢になって始めて意味が分かったのである。

でも私の脳裏には、さわやかな青空、それにはめ込んだような家々の屋根、そしてそよ風にはためく鯉のぼりの状景は鮮明であった。それで良いのである。

「思い込んだら試練の嵐・・・」が流れると、星飛雄馬が一人でローラーを牽いている場面が出てくる。

学生達とテニスをした後、ローラーを持ってきてと頼んだとき、彼は「コンダラですね」と答えた。

「重いコンダラ」と思い込んでいたのである。なお、"声に出して読みたい日本語"の続編も出版されている。

 

 

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 しかし、この本は暗記と暗誦とは根本的に違うことを教えている。意味は分からなくても良いと主張している。
 暗記の受験勉強は良くないと言われてきたが、未だに記憶重視の教育が続いてる。前に教壇と黒板があり、座席が並んでいる教室での座学が、教育の唯一無二の形態であると錯覚してる。勉強机に張り付いていると安心するお母さん達であり、教師達である。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・政治と民意

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

政治と民意                           情報プラットフォーム、No.19411(2003)

 


 政治家や、行政に携わる人々は「国民の声を聞く」、「県民の声を聞く」と言うことが多い。

かって、「国民の声なき声を聞く」と言った政治家も居たように思う。

 
 
皆の意見を聞くことは極めて難しい。大きな声が通りやすいのも当然である。耳障りの良い声だけが聞こえる場合もあるだろう。

為政者が民意を知ることの困難さを述べた「ことわざ」は多い。


        

 

一生懸命の努力をしても皆に真意を伝え、理解して貰うことはとても難しいとの意味である。

これからの政治や行政は徹底したアセスメントと情報公開が基本である。


       

このNIMBYが解決困難にすることもある。合意形成には時間が必要である。

成田国際空港が未だに建設途上にあるのは、着工を急ぎすぎたのである。

 

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 {待てば海路の日和かな}
     {急いては事をし損ずる}
 環境問題だけではないが、「我が家の裏庭だけは困る(not in my back yard)」は何処の国でもある。
 ここで、{由らしむべし知らしむべからず}の解釈には誤解ある。「知らしむべからず」は「知らせることはとても難しい」の意味である。
{芋の煮えたのご存じない}
     {民を貴しと為す}
        
{由らしむべし知らしむべからず}
     {天は口なし人をもって尋ねしむ}
 
    {民の口をふさぐは川を防ぐよりも甚だし}
        
{三人寄れば文殊の知恵}

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・血液型

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
血液型 情報プラットフォーム、No.193、10(2003)


ある有名な格調の高い総合月刊誌の小さなコラムに目が留まった。編集後記の一部のような記事と覚えている。三十数年前のことである。

記事は「鹿児島県警の統計によれば、交通事故を起こした人の血液型はA型が40%、O型30%、B型・・・であり、A型の割合が多い。

A型の人はかっかとし易いので運転に注意する方がよい」と言った趣旨であった。

日本人の血液型分布はA:O:B:AB=4:3:2:1と覚えていた。この記憶を元にして、標準化の割り算をしてみると特にA型の人の事故率が高いわけではない。


 血液型で性格を占うことは間違いであると思っている。人の性格は4つに分類できるほど単純ではない筈だからである。

しかし、血液型の分布に地域差があるとすれば、西日本では、あるいは九州や九州南部や鹿児島ではA型の人数が平均よりも少ないとすれば、事故率は高いことになる。

そこで、この出版社に質問の手紙を書いた。「血液型分布の地域差は殆どありません。従ってA型の事故率が特に高いわけではなく、コメントは間違っていました。でも訂正記事はご容赦下さい。」と謝りの返事が来た。



血液型と性格は無関係とする私の思いに賛成の答を期待しながら、友人・知人に勝ち誇ったようにこの話をした。ある親しい知人の反応は「鈴木さんらしいね。やはり鈴木さんはA型だよ。」と言われたてしまった。


 なお、日本列島を南に行くほどAが多くB,Oが少なくなり、北に向かうにつれてB,Oが多くAが少ないという統計がある。



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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・台場クヌギ

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

台場クヌギ                                  情報プラットフォーム、No.1929(2003) 

  

川西里山クラブ

訪れてみたい場所がある。

菊炭 

  菊炭(きくずみ) 

  

 

福知山線で川西池田駅で下車。5分歩いて、川西能勢口駅から能勢電鉄に乗り、終点の妙見口駅で降りる。

妙見山ケーブルの下駅、上駅周辺が目的地である。

日本の典型的な里山の景観が見られる。京都に近く伝統の茶の湯と結びつく地の利を持ち、茶道文化に欠かせない美しい菊炭(きくずみ)という付加価値を付けている池田炭。だから今でも炭焼きが続けられ、里山も生き延びることが出来たのである。

 

10年経過すると、その側幹を切ることを繰り返す。主幹の部分は年々成長し、太くなっていく」とある。

この主幹の部分を台場(台公、だいこ)と呼んでいる。シカなどの食害を防ぐ方法でもあるし、下草刈りで誤って萌芽枝を切り取ることもないし、根張りが良いので再生産の周期も短い。


 

炭焼き窯のすぐ横に生育している台場クヌギは池田炭の象徴である」とある。

江戸時代からの歴史を持ち、生産の場として、持続的に管理していた典型的な例であろう。持続型社会、循環型社会の典型であるように思える。


 

しかし、看板が見えない、交通標識を見落としそうになった、落ち葉の掃除が大変だ、街路樹を切ってしまったなどなど、様々な報道がなされた。

結局、散髪をして見通しが良くなった。台場クヌギはこのような格好だろうと想像している。


 


   

 

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鈴木朝夫   s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

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参考:「ふしぎの博物誌 動物・植物・地学の32話」河合雅雄編、中公新書16802003)
追記すべきことがある。この里山では、植物・植生の多様性があり、カブトムシ、クワガタ、ギフチョウなど多様な昆虫の生息にも適している。小学1年生の孫を連れて行きたいと思っている。
桟橋通りの街路樹が問題になった。高知の自然の一つであり、守るべき景観になって居るとも聞いた。
「自然林の照葉樹林(コジイ林)、夏緑林(ブナ林)と里山(クヌギ林)を僅かな移動距離で見ることができる。
 「大入道が突っ立って、両手を掲げたような奇妙な形の台場クヌギの存在である」、「地上部付近から伐採するのではなく、樹幹の1mから2m前後の高さの位置で伐採し、その切り口から萌芽枝を出させる方法である。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・鍵と暗号

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」
鍵と暗号 情報プラットフォーム、No.191、8(2003)







出典:http://www.miwa-lock.co.jp/lock_day/




鍵で扉を閉めて外出、帰宅して鍵で扉を開ける。これが出来るのは鍵を持っている人々に限られる。



普通の文章(平文、ひらぶん)を「予め決めた手順」で暗号化し、その手順で復号(暗号文を平文に戻す)する。この手順(鍵)を知っている人だけが暗号を読むことが出来る。



コナン・ドイルの「踊る人形」という短編では、人形の姿がA,B,C・・に対応する。この程度の単純な鍵ではシャーロック・ホームズに読まれてしまう。







日本軍の暗号はアメリカに全て読まれていた。このような仕組みの暗号化を共通鍵暗号と呼ぶ。








ホテルでは誰でも鍵なしで部屋を閉めることが出来るが、鍵(カード)を持っていなければ開けることは出来ない。



これと同じような仕組みが暗号でも使われている。公開した鍵で誰でも暗号化できるようにしておく。



しかし、復号化には私の持っている秘密鍵が必要なのである。ホテルの部屋を閉めることは人に頼めたが、鍵(カード)の所有者でなければ部屋に入れないのと似ている。このような方式を公開鍵暗号と呼ぶ。







 サイバー・スペースでは公開鍵暗号方式が用いられる。



情報の秘匿の際には、どの通信相手にも公開鍵で暗号化させ、受信した暗号文を自分だけが持つ秘密鍵で復号することになる。



本人であることの認証には、秘密鍵で署名文を作成し、どの相手にも公開鍵で検証させることになる。



いずれの場合も秘密鍵は自分だけ、公開鍵は他の多数の人に使わせるのである。どの様な仕組みだろうか。考え方だけを示す。数学の話を少し我慢して欲しい。




 例えば、71×97=6887(p×q =N)である。この場合、6887(N)の数字を公開鍵とする。そして、71(p)又は97(q)が秘密鍵になる。掛け算はいとも簡単に出来るが、Nの桁数が大きくなればなるほど、素因数分解は困難になる。



80ビット(280)では、現在の最速コンピューターを使っても解読に700年かかる勘定である。だから安全である。



 参考:「暗号と情報社会」辻井重男著、(1999)、文春新書078







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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp



高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154



鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・『あー そうですか』

2010-11-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

『あー そうですか』                情報プラットフォーム、No.1907(2003)


 


 国語の時間に俳句を一句だけ、次回までに詠んでくることという宿題がでた。


中学生のときである。真面目に20句ほど作り、その中でベストと思うもの一句を選んだ。黒板に書き出した生徒達の句を、先生が順番に読み上げ批評していった。


自分の句になった。自信があったのだが、酷評を受けた。


「君が努力したことは認める。しかし、君のは俳句ではない。句の後に『あー そうですか』と付けて見れば面白くないことが分かるだろう」と云われた。


その句はいま覚えていない。花鳥風月の俳句である。



 


「古池や蛙飛び込む水の音」も、「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」もこれを付けると面白みがなくなる。


芭蕉だけではない。蕪村も子規でも同じである。俳句の鑑賞能力を失う結果となった。この先生は私の感性を奪ったのではないかと恨んだこともあった。



 


小林一茶の句、「寒き夜や我身をわれが不寝番(ねずのばん)」、「やれ打つな蠅が手をすり足をする」、「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」に『あー そう
ですか』は付かない。


種田山頭火の句、「分け入っても 分け入っても 青い山」、「空たかし べんとういただく」、「まっすぐな道でさみしい」などに『あー そうですか』は付かない。


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鈴木朝夫   s-tomoo@diary.ocn.ne.jp


高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

数十年後、あるとき、これを後に付けても耐えられる俳句のあることを知った。
以来、俳句にはすべて『あー そうですか』を付ける癖が付いてしまった。