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「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

「高知ファンクラブ」に投稿された、続きもの・連載記事を集めているブログです。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・戦友を失いました

2011-02-19 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

戦友を失いました            情報プラットフォーム、No.281、2月号、2011

 


訃報に接したのは21世紀に入った直後である。越田豊先生を失ってから10年。
「鈴木先生、”バカ”の口癖は止めた方が良いです。」に「越田先生の”アホ と
ちゃいまっか”はきついです。」とやり返したことを思い出す。2001年3月21日の
一期生の卒業式に先立ち行われた追悼式で鈴木(当時副学 長)が読み上げたもの
を、越田先生を偲びながら採録したい。(Flying Fish(高知工科大学NEWS
LETTER)、No.14(2001,3)に掲載)


         ----追悼 越田 豊 副学長----


 戦友を失いました。高知工科大学を創るという戦場での戦いは熾烈でした。戦
いの相手は誰の心の中にでもある「固定観念」でした。どこに潜んでい るか分
からない相手です。この戦いは8年前に始まりました。副学長として共に、何時
も戦いの先頭を走っていたように思います。

 危篤と伺って駆けつけた1月28日の日曜日。先生の手を握りながら「しっかり
せよと、抱き起こし」の戦友の歌を思い出していました。しかし、友 は顔を上
げてくれません。手の温もりだけが伝わってきました。

 2月2日の告別式の帰り、「戦い済んで、日は落ちて」と心で歌い、涙しながら
伊丹からの高知便に乗りました。もうすぐ大学が出来て4年。そこま で近づいて
きた卒業式。第一期生を送り出す今日このときに、ここにいる卒業生の晴れ姿を
見ることなく、あの世へ旅立たねばならなかったことは大変 な心残りだったで
あろうと推察いたします。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 私の不平や愚痴を黙って聞いてくれた先生、持って行きようのない憤りをたし
なめてくれた先生でした。関西弁特有の穏やかな調子であっても、厳し い内容
を盛り込んだ先生の語り口が懐かしく思い出されます。

 何時だったかはっきりと覚えておりませんが、京都の鱧料理をご馳走になった
ことがあります。これは私の魚だよと言って居られました。豊の魚を 「ハモ」
と呼ぶことを知りませんでした。その時、この次は私が私の魚で奢らせてくださ
いと申し上げました。「スズキ」のフランス料理のつもりで機 会を探していた
のですが、借りになってしまいました。

 「何故、生き物は雄と雌があるのですか」、「その必要性は」、「生物にとっ
てどんな利得があるのですか」と質問したことがあります。これを読ん で下さ
いと渡された本、お返しできずにお借りしたままになっています。新潮選書「な
ぜオスとメスがあるのか」です。先生の思い出、先生の記念とし たいと思いま
す。また読み返してみると、さらに疑問が出てきます。でも、それをぶつける人
はもうこの世にはいません。

 高知工科大学を離れ、お互いに歳を重ねた5年後、10年後に、久しぶりにお会
いして、あのときは大変でしたね、今だから言えるけどこんなだった よ、と
いった会話を先生としている情景を夢に描いていました。残念で、残念でなりま
せん。誰よりも学生が好きで、学生諸君の身になって考える先生 でした。今日
の卒業生のことを最も気に掛けておられた先生でした。先生の情熱や思いは、本
学の学生・卒業生・教職員全員に、永遠に受け継がれてゆ くことでしょう。先
生、これまでありがとうございました。そして、お疲れさまでした。ここに謹ん
で越田先生のご冥福をお祈り申し上げます。

 

ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

鈴木朝夫   s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の講演・出版の記録

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・活力は土佐沖の海底より出づ

2011-01-01 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

活力は土佐沖の海底より出づ   

                                                                                          情報プラットフォーム、No.2801月号、2011

  

燃えるメタンハイドレート

 

日本周辺海域のメタンハイドレートの推定埋蔵域

画像出展:ウイキペディア メタンハイドレート 


楽しい夢を見た。高知から元気と活気を送り出すのである。鉱物資源に恵まれた「黄金の国、ジパング」復活の夢である。深海海底下400mに眠っている膨大 な資源、メタンハイドレートの掘削技術の発明が夢の始まりである。


 ある日、県内企業のZさんから「この特許出願書を見てくれんろうか。」と相談を受けた。メタンハイドレートからメタンを取り出すことの難しさを 多少は知っていたが、従来の「加熱法(温水圧入)」、「加熱法(抗井加熱)」、「減圧法」、「分解促進剤注入法」のどれとも異なっていた。命名す れば「加熱法(掘削先端加熱)」である。「優れた特許だからといって、それが直ちに事業に結び付くとは限りませんよ。」と説明した。


 気体包接水和化合物と言われるように、5.75個の水分子が作るカゴ構造の中に、1個のメタン分子が収まっており、これが立体的に連続して、規 則正しい結晶構造を作っている。高圧・低温の安定領域は、例えば{1気圧,-80℃}、{10気圧,-30℃}、{50気圧, 6℃}である。常温・常圧下でも表面が薄い氷で保護されるために比較的安定で、急に燃え出さず、天然ガスのように自噴することもない。この性質が困難を作 り出している。何れの掘削法も、メタンを分離した途端に水分が凍結し、排出管を閉塞させるのである。


「わしの掘削先端加熱法は、酸素だけを供給して、メタンを局所燃焼させる『その場加熱法』ながじゃ。メタンを効率よく取り出いて、分離してくる水も、堆積汚泥もその場に残しちょく。地上や海底に汚泥を出さんようにし、環境汚染がないがよ。」とSさんは説明する。「加熱範囲が際限なく広がらない局所 的な加熱法で、メタンを取出すに必要な最小限のエネルギーで済むのですね。」、「そうじゃ!!」と会話が弾んだ。


「工事が目的の事業と批判された高知新港(FAZ)やが、今となっては先見の明のある先行投資ちゅうことや。」、「2006年1月に、地球深部探査船「ちきゅう」がFAZに寄港し、一般公開があったときは興奮しました。海洋コア総合研究センターを高知大学に誘致できたのもFAZがあるからこそです ね。」、「高知龍馬空港も2500mになっちゅう。高速道から伸びる高規格道が、FAZを、空港を結んでくれるし。」と夢を膨らませた。


 南国市・高知市を中心とする香長平野は、平坦な広い土地を確保し易く、上記のように交通の要に位置しており、研究支援設備などの立地に最適であ る。試験掘削、実証試験は勿論、実用操業でもFAZは様々な役割を担うことが出来る。メタンハイドレートは高知県沖の南海トラフなどに大量に存在し、その賦存量は日本の天然ガス消費量の約100年分に相当すると言われている。温室効果ガス としての危険性が指摘されているが、海底の泥火山からは常にメタンが放出されており、心配は無用と分かっている。メタンはCO2の発生量が少な く、環境の視点からも理想的である。


「東京のY特許事務所のXさんから、今がチャンスやきと、国が公募している政策提言の申請用書式を送って呉れちゅう。どういても、東京での打ち合わせに同行してくれんかよ。」、「高知の立地条件を拠り所に、発明が高知から出ていることを強調して、高知に拠点を置くような構想ですね。」、「統括責任 者を誰に頼もうか?」、「高知に縁があり、海底探査の実績を持つWさんしか居ませんよ。」、「最適任やか。」と二人の意見が一致した。年頭に当た り、一富士(無
事)、二鷹(高)、三茄子(成す)の初夢を披露させて頂いた。

 



 

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鈴木朝夫   s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の講演・出版の記録


鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次

2010-12-05 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「高知ファンクラブ」の代表を務めていただいている、鈴木朝夫先生(元高知工科大学副学長・元高知県産業振興センタープロジェクトマネージャー)が、

高知県産業振興センター発行の月間情報誌「情報プラットフォーム」に掲載された 「ぷらっとウオーク」 を、「高知ファンクラブ」でも連載していただきました。

 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次(2002~2007年 ) 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら(2008年~ )

カテゴリーから連続で見ることが出来ます)

 

鈴木朝夫先生は、下にあるように多彩な分野で活躍されておりますので、「ぷらっとウオーク」の記事も幅広く、様々な提案や示唆に富んだ内容となっております。

様々な分野からの講演要請に対しても、これらの記事を活用しながら、臨機応変に対応されておられるようで、持ち前の気さくな人柄と併せて大変好評です。

 

「高知ファンクラブ」の運営体制より抜粋




鈴木 朝夫 SUZUKI Tomoo (元高知工科大学副学長・工学博士)
東京工業大学名誉教授  高知工科大学名誉教授

〒782-0054 高知県香美市土佐山田町植718  0887-52-5154、 090-3461-6571
   e-mail s-tomoo@diary.ocn.ne.jp 

高知県宇宙利用推進研究会(てんくろうの会) 会長
NPO 牧野の森(くるくる五台山) 理事長
高知県緑と水の会ネットワーク 会長
IT版・高知を元気にする「高知ファンクラブ」 代表
四万十川財団 四万十ブランド認定委員会 委員長
学校法人 みかづき学園 理事

日本金属学会 名誉会員  日本鉄鋼協会 名誉会員
緑サポーター(237号、(財)日本緑化センター)
宇宙教育リーダー(L07-820号、宇宙航空研究開発機

 



 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次(2002~2007年 ) 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら(2008年~ )

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・「ユズぽん酢"ゆずの村"」との出会い

2010-12-04 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ユズぽん酢"ゆずの村"」との出会い  

                                                           情報プラットフォーム、No.278、11月号、2010、

P1100438.jpg


馬路村との出会いは「ユズぽん酢"ゆずの村"」である。住んでいた「たまプラーザ」の東急デパートが開店したときに出来た常設の地域特産品売り場で買い求めた。品切れも多かった。工科系大学の策定に関わった平成5年までは、高知県や馬路村といった地名には無頓着であった。当時は室戸岬と足摺岬の区 別も出来ないほど四国音痴でもあった。


高知に着任した平成9年に早速、「ごっくん馬路村」方面へのドライブに出た。
緩い傾斜面を持つロックフィルダム特有の景観を見ることが出来た。遠くの湖面の向かい側には魚梁瀬の集落が見えている。運転の疲れを癒すに十分である。魚梁瀬では千本山入り口直ぐの、後で「森の巨人たち百選」に選ばれる巨 大な魚梁瀬杉を見る。そして丸山公園で食事をとった。ここには木材切り出しの昔の面影を残すように森林鉄道の軌道がグルッと廻っている。その後何 度も訪れているが、泊まったのは満木荘での一泊だけである。


 平成元年(1989年)に加藤登紀子のコンサートがロックフィルダム上で開かれたと知人から聞かされた。都合で聴けなかったので、良く覚えてい るとのことである。堰堤は北川村だが、共同して、何か有意義な、楽しいイベントをその後も続けているのだろうか。


 ある時、微笑ましい光景に出会ったことを思い出す。ウイークデイのためか、昼食時にも係わらず客の居ないレストラン「杉の家」で食事をしたとき のことである。生まれたての赤ちゃんを抱いて入ってきた若夫婦がお喋りしていたお年寄り達に祝福されている。高齢化が進み、人口が減少する中で、 若い世代がこの地に定着し、子供を授かったのではと思えた。声を掛けたくなる位、嬉しくなった。村の人口が1201人に、または1203人に増え たのではと想像した.。「馬路村特別村民」の制度があり、これは着実に増えている。


 馬路温泉の小さな森林鉄道も、水の重さで上下するケーブルカーのインクラインも面白い。動力源に電気も石油も使わないことをPRし、観光に、啓 蒙に活用する必要がある。
(株)エコアス馬路村で作られる数々の木製品はユニークである。杉の間伐材で作ったトレーの時代から苦労の連続、苦戦を重ねたことを知っている。手提げカバンの「モナッカ」あたりが転換点だったのだろうか、さまざまなデザインが目を楽しませてくれる。今の言葉で言えば、村をまるごと売る地域ブラン ド化戦略を早くから実行していた地域である。


 上流が馬路地区の安田川流域には、金林寺(こんりんじ)、安田町の北寺(きたでら)を始めとして多くのお寺が点在している。魚梁瀬地区からの奈 半利川流域の北川村、奈半利町にも多くのお寺がある。森林県の高知らしく木彫の仏像が多い。鎌倉時代や平安時代から、明治時代の廃仏毀釈を乗り越 えて、流域の民に守られて来た祈りの造形の仏達である。


 今年9月に「にほんの里100選」に選ばれた相名(あいな)地区の相名会館落成記念文化講演会で講演をする栄誉を頂いた。豊かな自然の中で人々 が普通に暮らしている「里山」と言う呼び名が大好きである。棚田の石積みの法面には雑草の一本も見あたらない。その実りの秋の、里の景観に感動し た。魚梁瀬森林鉄道は安田川・奈半利川沿いも含めて総延長250kmもあり、隧道や橋梁の遺構も各所に残されている。今でも車も通る道路として、 さり気なく使われている。でも、これらは国の重要文化財に指定されている。


高知のユズ製品は、ゆのす(柚子酢)だけではなく、皮・種などの全てを活かすようになり、県内の産地も年々増えている。「ユズぽん酢"ゆずの村」が始まり である。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・禍を福と成す遊び心で

2010-11-26 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

禍を福と成す遊び心で          情報プラットフォーム、No.277、10月号、2010、掲載

         

 野市駅前での野市チーム 画像出典:野市町 第10回全日本素人ちんどんコンクール 

高知で感じたことは、宣伝が下手なことである。「行きがけの駄賃」が貰えることを知らない。「禍を転じて福となす」ことは考えない。素人の私から見ても歯がゆい。  

高知県幡多地域のドライブインでの話。高知に住むことが決まった1995年にレンタカーで県内を廻った。 1時を過ぎ、2時になろうとしていたが、ランチに適当な場所は見つからない。一台も駐車していないレストランに入る気にはならない。 意を決してとある食堂に車を停めた。年配のご夫婦 と従業員一人の店である。尋ねると、通いで自分たちの車は店の裏側に駐めてあるとのこと。 「道路から見える一番の場所に移動したら」に「お客さん の駐車場です」と言いながらも渋々と場所を変えた。臨機応変が欲しい。 「あと3キロ、○○」、「あと1キロ、○○」、「○○ここ」と期待を持たせ るような表示は高知で見たことがない。また、達筆すぎて読めないロゴの店名は経営者の独りよがりである。

 たまプラーザの龍馬屋の開店は勤め先の起案書で知った。そこは以前住んでいた町。 東京に出張の折に、今は孫と娘の住むその町に行ってみた。それ らしい場所で改装工事が行われていた。大工さんに「何になるのですか」と尋ねたが答えは得られなかった。 直ぐ近くでは、全国展開の量販店が開店に 向けて改装中。「近日開店。乞うご期待」と大きく出ている。 「何たること」と高知に戻って、県に問い質した。広告・宣伝は完成してからと思ってい るらしいのである。期待を持たせ、待ち遠しさを醸し出す張り紙の一枚が欲しい。  

板囲いのビル建設現場に、大人の、女性の、子どもの目の高さで、小さな覗き孔が開けてある。しかも「覗かないでください」と注意書き。進捗状況 を見ずには居られない。施主や建設業者のユーモアが感じられる。高知では見られない遊び心である。

 ゆとりすとパーク大豊の風車を見に行ったのは1999年に出来て直ぐの頃である。何の説明板もないことに吃驚した。 県民への啓蒙のために、子ど もたちへの教育のために是非とも必要であり、設置した目的もそこにあると感じていた。 早速、県の担当に問い合わせたが特別の答えは得られなっかっ た。落雷で羽根の一枚が破損した。横たわった羽根の前に、発電能力600kWであること等の仕様の説明板がようやく設置された。 その巨大さに目を 奪われる。禍が転じて福となったのである。部局間の連携不足か、あるいは思いも至らなかったのかも知れない。 環境教育やCO2削減の絶好の宣伝の 場ではないのか。予算獲得・執行の成果を広報する義務がある。 首長名の記念の碑にはユーモアの欠片もない。

 なはり線の活性化について考える。野市のちんどんコンクールが中止になった。「禍を転じて福となす」の工夫が見られないのが残念である。 提案の 内容は、各駅にちんどん屋を配置し、駅間の上下の往復で一組がパフォーマンスを披露する企画、乗客は終点まで堪能し続けることが出来る。 後免から 奈半利まで、コンクールは広域化し、移動化する新機軸が生まれて来る。 また、夜須の公民館は精力的に企画を立てている。ある時、森山良子のリサイ タルを聴きに行った。会場は満員であった。 帰りのなはり線は大混雑と覚悟していたら、我々とあと一組だけ、すべてが車であった。何故、なはり線と 連携したチケット販売は出来ないのだろうか。 それにしてもJR後免駅と土電後免町駅間の運賃は高すぎる。  

高知では連携することが苦手である。例えば、観光地図には、行政区画の中の名所・旧跡しか示してない。市町村の行政境界は観光客には関わりのな いことである。 

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・夢に消えた高知活性化策

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」 情報プラットフォーム、No.2769月号、2010、掲載
{夢に消えた高知活性化策}

手続きを踏んで提案したわけではない。投書したわけでもない。折に触れてそれなりの人々に話題の提供をしてきた。今では夢となってしまった繰り言を述べたい。
 「はりまや橋界隈の賑わい復活」に関わる各種の提案である。 

その1はスクランブル交差点化である。{分離信号}(本誌No.18110(2002))に記してある。
関係する担当者の答えは、一瞬の考慮もなしに「車の渋滞が起こる」であった。北環状道路と土佐道路が完成しつつあり、市内の東西方向の交通に問題は無くなる矢先である。この時代に車優先を捨てて「渋滞が起こってもかまわない」と何故云えないのだろうか。

北側の横断歩道を交差点寄りに動かすには、土電の転轍器を移動する工事で済むことである。なお、土電の軌道は四方向自在にすることがより良い。ドライバーは本能的に渋滞を避ける知恵を持っている。よさこい祭りの土電通りの踊りは一回で終わりになってしまった。大変残念に思う。

その2は「柳の木を切る会」の結成である。電鉄ターミナルビルの純真お馬の仕掛け時計が、道路向かいの名物「はりまや橋」からは、柳が邪魔で見えない。音だけが聞こえる。  

「私が会長になり提案、よそ者が何を言うかの反論、ケンケンがくがく、市民総出で移植作業、某建設会社がユンボで協力、移植先は市の斡旋で交差点近く」が筋書きである。県を挙げての大イベントは全国的なニュースになる予定だった。台風で折れてしまった。

その3は連携した映画コンプレックスの形成であった。土電通りを挿んで、南に松竹ピカデリーの3館が、北にポポロ東宝の3館があった。双方に興行案内標識を、そして横断歩道も含めて、路上に例えば、緑色(松竹へ)の、桃色(東宝へ)の足跡の道しるべを書くのである。見事な映画コンプレックスの誕生である。全て無くなってしまった。

 

その4は四国銀行本店のショウウインドーの夜間の活用である。地場産品だけではなく、優れた地場技術の展示に使う。地域を盛り立てるべき銀行がここに存在することに違和感がある。

これで、大手筋から南はりまや町までも一体化した人通りが復活する。西武デパートの跡地も、柳の移植先と想定したバス・ターミナルの部分も生き生きとしたことだろう。 

「高知駅周辺の活性化(ロの字道路)」の提案。

高架工事に伴う新高知駅周辺をどのように使うかの議論が出ていた。高知女子大施設、県民ホール、県立図書館などを併設する案があったが、すべてが水泡に消えた。    

道路が駅の下を南北に抜ける案が没になり、ロの字になったのは不幸中の幸いである。中央駅の下を道路が通り抜ける都市構造は、国内外を含めて思い出せない。列車が出入りし、乗り降りするだけが駅の機能ではない。

中央駅は人が集まる場所であり、人が滞留する場所でもある。予定していた大学の機能、図書館、ホールは、朝早くから、夜遅くまで、人を駅周辺に惹きつける役割を果たす。はりまや橋駐車場、中央公園駐車場は廃止である。地下鉄駅のない地下商店街に衣替えである。

ここには「ひろめ市場」風のコーナーもあるだろう。 

重要なことはパーク&ライドの奨励である。JRと土電の遅くまでの頻度の高い運転スケジュールが望める。土佐山田駅や後免駅(町駅)周辺の駐車場、そして旭町駅から、いの駅までの周辺に沢山の駐車場を設置する。これで高知駅周辺には自然に商業施設が集まるであろう。赤提灯も欲しい。


 女子大だけでなく、工科大も高知大も含めた知の集積点として、高等教育の象徴的な場所、社会人教育や老人大学の中心地ともなる筈だった。惜しいことをしたと思う。

 
 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・図でよくわかる機械材料学

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

情報プラットフォーム、No.2758月号、2010、掲載
「ぷらっとウオーク」
{図でよくわかる機械材料学}

コロナ社発行(2010/2/22)の表記の著書を送ってくれたのは、(わたなべ×みうら)2である。すなわち、渡辺義見、三浦博己、三浦誠司、渡邊千尋の4氏である。

いずれも東京工業大学大学院総合理工学研究科で工学の学位を取得した方々であり、それぞれが名工大、電通大、北大、金沢大で、教鞭を執り、研究に携わっている。「諸先輩の書かれたたくさんの機械材料学の本があるが、これらと
一線を画すため、図面を多用し、機械工学科の学生さんにも理解しやすいように執筆したつもりです。全員で全文章を書いたものであり、苦労は単著以上になりましたが、統一感のある教科書に仕上がっているものと思います。」との手紙が付いている。巣立っていった人々の成長ぶりに感激いっぱいである。

 

 全10章は、第1章「機械材料とその製造プロセス」、第2章「結晶構造」、第3章「格子欠陥」、第4章「拡散」、第5章「熱力学と相変化」、第6章「平衡状態図」、第7章「転位と材料強度」、第8章「材料の強化方法」、第9章「材料評価法」、第10章「材料各論」から構成される。それぞれの章の終わりには適切な演習問題が付いている。

 材料の性質は材料の成分と材料組織によって決まり、材料組織は材料の成分と製造プロセスで決まる。製造プロセスとは、例えば、鋳造、熱間加工、冷間圧延、焼鈍・時効処理などと続く一連の工程であり、部品形状に作り上げるだけが目的でないことをが知れる。

 機械材料として最も重要な材料強度を転位との関わりで述べた第5章には、15%に当たる35頁を割いており、第10章の「材料各論」の20%の45頁に次いでいる。
 用途に応じて様々な材料強化法が使われる。加工硬化、結晶粒微細化、固溶強化、析出強化、複合強化などが選択肢である。また、種々の環境下で使われる機械材料は、引張強度試験だけではなく、疲労、クリープ、衝撃、摩耗などの特性を評価する必要がある。

 自動車などの軽量化に伴い、鉄からアルミニウムへ、アルミニウムからマグネシウム、無機材料・有機材料へ、さらに複合材料への流れが生まれている。第10章では、金属材料から離れて、複合材料にも言及している。複合材料の重要度が増している証拠である。 熱力学や相変化では、自由エネルギーの理解が、そして平衡状態図の基本を知る必要がある。昔、何故「自由」なのかと疑問に思っ
た。図書館で、書店で熱力学の本を読みあさった。ある一冊の本に、自由エネルギーに対して、束縛エネルギーも定義され、疑問が一気に解消したことががある。第5章にはそれがある。若い頃の懐かしい思い出である。

著者4人が電子メールで、時には札幌、東京、金沢、名古屋から集まり、オフ会を開いて協議している。普通は著者の得意な分野の記述が詳細になりがちだが、偏りのない均等な分野配分になっていることが第3の特徴と云える。材料の環境問題や破壊靱性への言及の物足りなさは感じられるが、最も大変な作業は割愛だったのではと想像できる。そのことが全体を引き締め、スマートな仕上りにし
ている。機械系だけではなく、材料系の学生にとっても、もの作りに関わる多方面の人々にとっても座右の書として役立つだろう。

まず、この本の2つの特徴を示そう。機械を構成する材料の大半は金属材料であることから、全ての材料を網羅的に書き並べるのではなく、対象を金属材料に絞っているのが第1の特徴である。220頁の手頃な分量であるが、表題のように図の数は231に達し、これが第2の特徴である。なお、数式は152あるが、次のステップへの基礎になるものである。
 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・モーツアルト大好きの対話

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

情報プラットフォーム、No.2747月号、2010
「ぷらっとウオーク」
{モーツアルト大好きの対話}

 

青木 淳:   みなさんこんばんは。日頃のご無沙汰をお許しください。実は明日の毎日新聞の朝刊(2010/04/03)に私が出ております。ノーベル物理学賞の小柴昌俊先生との対談ですが、私がインタビュアーです。誠に恥ずかしながら私の顔写真も付いています。今後このような大それたことはないと思うので、どうかこの度だけは、大目に見て下さい。

鈴木朝夫:   切り抜きを有り難うございます。音楽の話が印象的な小柴先生との対談です。私もモーツアルトの短調の曲はどれも好きです。「クラシック音楽ベストテン」(本誌、No.2234(2006))と題した私のエッセイをご笑覧ください。これにバイオリンソナタ、ホ短調、K304を入れています。青木先生も音楽好きとは。音楽談義が出来ますね。折角ご案内頂いた「地方仏フォーラム」、高知での開催ならばと残念です。

青木:   おはようございます。東京では不思議な仕事が有るものですね。自分が何の研究者だったのか分からなくなってきました。ただ、話を聞かせて頂けることで、未知の世界に繋がる楽しみが尽きません。実はこの対談の前に、モーツァルトがK304を書いたパリの旧居に行っていたのです。ここで21歳のモーツァルトは母親を亡くします。そんな状況下で作曲したんですねと切り出そうと思っていたら、小柴先生に「あの曲は体に沁みるんだよ」と語りかけられて吃驚しました。鈴木先生のお好きな曲、とても若々しい気がしました。マーラーの交響曲第1番。先日、クーベリック指揮のものを聴きました。あまりに熱く、しかし透き通っているのに感激しました。オルフのカルミナブラーナ、これは私がベルリンに留学していた頃のテーマソングでした。シューベルトの冬の旅、バッハの無伴奏チェロ、寒いドイツの町でウオークマンで聴いていて沁みました。いつか音楽対談したいですね。もし人生で最後に聴いておきたい一曲と言われたらどんな曲ですか。

鈴木:   大変難しい宿題が出ました。「沁みる」の範疇ではないかも知れませんが、考えあぐねた末に、モーツアルトではなくベートーベンに、交響曲、第7番、イ長調に決めました。リズムの昇華とでもいえる軽快な、しかし重厚な曲想が好きです。

 青木:  こんばんは。いやいや調子に乗って変な質問をしてしまったと、反省していたところでした。第7番。指揮はやはりフルトヴェングラーですか、それともクライバーですか。全くの名曲ですね。指揮者の個性を聞き分けるときにもよくこの曲を聴きます。ベートーベンのサービス精神がいっぱい詰まっているようにも聞こえます。私は、仕事で人の死について話すようになったのですが、その空気とか、時間を説明するときに、肉体的に亡くなっていてもどこか五感の中で聴覚だけが生きている気がして、最期の時間は好きな音楽に包まれて逝きたいと思っていました。小柴先生はきっとモーツァルトのホ短調、K.304なのですが、私はピアノ協奏曲21(ハ長調)23(イ長調)がいいかなと思っています。せめてこのぐらいは成熟したかったんだって、言ってみたくてです。美術の話もこのぐらい気楽に出来ると良いのですが、なかなか易々とはさせてくれません。

鈴木:   おはようございます。東京の、そして多摩美大の住み心地は、土佐の、そして高知女子大のそれとはかなり違うでしょうね。須崎市上分の大日如来座像(湛慶作)を、そして土佐の地方仏研究会を忘れないでください。レクイエム(鎮魂ミサ曲)ニ短調、 K626を忘れていました。モーツアルトはこれを沁みながら作曲したに違いありません。

 

ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・今夜の催し物を知りたい

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」 情報プラットフォーム、No.273、6月号、2010、 {今夜の催し物を知りたい}

 

 何処でもホテルのフロントには沢山の三つ折りパンフレットが置いてある。常設展示の美術館や博物館ならば、「何処に何があるか」、「何処でどのような特別展があるか」を知らせるに有効である。しかし、宿泊客が望んでいる「お知らせ」はこれ以外にもあるように思える。

「今晩、何処かで、何かないかな」、「明日、何処かで、マチネーはあるだろうか」といったことである。今日は土佐の心遣いが感じられる簡単な取組みの提案をする。

 ヨーロッパの中規模の都市での十数年前の経験の幾つかを話そう。訪れた町で、ホテルの近くで今晩何か催し物はないだろうかと探すことがある。フロントで尋ねると、その地域で開かれる音楽会、展覧会など、一週間先位までの予定表が置かれている。昔のことだから感圧紙のコピーだったように思う。会場への交通はフロントが教えてくれた。

 思いがけない拾いものの例の幾つかを示す。その町の由緒ある教会で、グレゴリオ聖歌を聴き、中世の時代に浸ることができた。別な機会には、ホテル近くの中学校講堂で、地域オーケストラの演奏を聴いたこともある。日本にこのようなオーケストラはあるだろうかと考えた。

また別の時に、別の街で、そこに里帰りしていた著名なハプシコード奏者の演奏を、コミュニティー・センターで聴いた。ハプシコードを間近で見るのは初めてであった。また、言葉のハンデを感じることがないパントマイムも楽しい思い出になっている。このような思わぬ出会い旅は、フロントに置かれている一枚の予定表のお陰である。

住んだことのある東京、札幌、それに高知を比較する。東京では、様々な催しが毎日何処かで開かれている。「多すぎてどれも選べない、どれにも行かない」、「家に帰り着くのが11時過ぎと遅くなる」が首都圏である。

札幌でも、高知でも、規模が小さく、演奏会などの機会が少ない。しかし、却ってそれが聴きに行く機会を増やすことになった。そして、知らなかった演奏家との出逢いが新しい発見につながっている。残念ながら、札幌でも、高知でも、他の都市でも、ヨーロッパで見かけたような案内をホテルに置いていない。

 四国へんろ道沿いの郵便局やガソリンスタンドには、手作りの地図が置いてある。市内のホテルに同じような感覚で、イベント案内一覧表は置けないものだろうか。その時は「ぐるりんバス」や「MY遊バス」の時刻表も忘れないようにしたいものである。高知は適正な規模の町である。何処かで何かが企画され、興行が行われている。

高知での演奏会・イベントの会場は、県民文化ホール、かるぽーと、高新画廊だけではない。独自の企画を展開している小粒だけど輝くようなギャラリーも多い。例を挙げれば、星ヶ丘アートビレッジ、ほのまるハートアートギャラリー、白木谷国際現代美術館などがある。  

高知新聞には、朝刊の「あすの催し」や夕刊の「伝言板」があり、さらに「K+」のような月刊誌もある。情報の一元化はそれほど困難ではないだろう。 観光関連の協会、NPO組織、あるいは高知新聞自体が受け皿かは、相談すればよい。

歴史・文化や風物・物産だけがアピールできる観光資源ではない。お接待の心が高知最大の観光資源である。 手頃な規模の高知だからこそ、毎日、ホテルに届く今晩のイベント情報に価値が出てくる。通り過ぎる観光客への、高知からの心配りの配信である。

思わぬ出会い旅の演出でもある。お客様とフロントとの会話が弾むきっかけとなれば素晴らしい。これは「土佐・龍馬であい博」の後も地道に続けて行ける高知のお接待の一つになる。

ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

 鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・牡丹、紅葉、桜、柏

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」 情報プラットフォーム、No.272、5月号、2010、

{牡丹、紅葉、桜、柏}

 

この四つの植物に共通するものは何? これは動物の肉の名前であり、イノシシ、シカ、ウマ、トリの肉の美しい呼び名である。

我々が現在、普通に食べる牛と豚の肉には、このような綺麗な和名はなく、牛肉と呼び、豚肉と呼ぶしかないのである。一般的に牛や豚を食用にする習慣が日本にはなかったことが要因と思われる。

欧米ではどうだろうか。   かって、欧米人の多くは日本の商業捕鯨を「日本人は野蛮だ。鯨を食べるとは」と非難した。シー・シェパードが執拗に日本の調査捕鯨に反対している。 日本人の反論は「自分たちが牛や豚を食べていることを棚に上げて」である。

しかし、この論理は欧米人には理解できないことだったのである。彼らは牛肉(牛の肉)、豚肉(豚の肉)、そして羊肉(羊の肉)は食べていないからである。 実は、彼らが食べているのはビーフ(beef)であり、ポーク(pork)であり、マトン(matton)なのである。英語では、動物の生きている姿の呼び名と、それから得た肉の呼び名とは全く別もののことが多い。

 日本語にはポークやビーフに対応する単一の単語はない。ポークは「ピッグ・ミート」ではない。狩猟の食文化と農漁業の食文化との相違である。欧米の言語には、肉の部位だけではなく、雌・雄にも、成獣・幼獣にも、それぞれ固有の呼び名がある。一方で、日本語の世界では、魚の部位に詳しく呼び名がある。さらに出世魚では、成長段階の各齢に応じて呼び名は変化する。まさに歴史・文化の違いであり、それぞれの置かれた気候・風土やそこでの生活・風習の違いである。

狩猟により捕獲した野生の鳥獣を食材とする料理をジビエと呼ぶ。ドイツのレストランで、ウサギの料理を注文した。口に入れたとき、歯に当たるものがあり、「アッ」と声を出した。散弾の一発である。仲間のドイツ人は「この店は本当に素晴らしい。ソバージュ(野生のもの)を提供している証拠だよ」と間髪を入れずに言ってくれた。  

最上の美味しい部位は、シェフの腕を振るったシカのジビエ料理として、高知の名物にしたい。保存用には、冷凍肉、塩漬け肉(コーンド・ミート)、干し肉(ジャーキー)、燻製肉(スモーク・ジャーキー)などと目的に応じての仕分けが必要である。 ソーセージやハムに適した部位もあるだろう。これからの研究課題である。脂肪分の少ないシカ肉は、部位によっては高齢犬のペットフードに活用できる。

シカの骨のスープは「鹿太郎ラーメン」として高知のご当地ラーメンはどうだろう。いずれにしても、シカの食害から森を守ることと、シカを資源として見守ることを両立させる仕組づくりが大切である。  

ディズニーの「バンビ」や「仔鹿物語」のフラッグのような仔鹿の可愛らしさが、シカを食材とするときの抵抗になる。欧米でも、人間の生活に密着し、友人として信頼関係を築いてきた馬や犬は別格である。食材とするには抵抗があるようで、それらの肉の固有の呼び名は英語には見あたらない。なお、鹿の肉はベニゾン(venison)である。  

狩猟で捕獲した野生鳥獣は、飼育動物と異なって、抗生物質などを添加した飼料を食べていない。この自然のままを売りにしなければならない。「生きている姿」の「肉」ではなく、美しい呼び名、「ぼたん」や「もみじ」として味わいたいものである。  

中国語では「羊頭狗肉」や「牛首馬肉」の諺から、犬肉や馬肉の表現が普通に使われていると想像できる。また、豚肉を忌避し、ハラール認証を必要とするイスラム圏の言語では、豚の肉を指し示すための固有の呼び名があるのだろうか。知りたいものである。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・キッズワールドは面白い

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                     情報プラットフォーム、No.272、4月号、2010、
{キッズワールドは面白い}

画像出典:NHK教育テレビ 「キッズワールド」 番組、「シャキーン」 

皆で、朝はシャキーンと(情報プラットフォーム、No.271、3月号、2010)


 録画してでも見るべき番組が「キッズワールド」である。毎日、朝7:00からの「シャキーン」に始まり、面白い出し物が目白押しである。私の推薦するベストスリーを放送の時間順に示していく。「シャキーン」続く「ぜんまいざむらい」の次は; 


 「クインテット」(月~金 7:25~:35、再放送17:50~18:00、土 8:25~8:35 )である。You Gotta Quintet(=You've got a Quintet)の主題曲で始まる「クインテット」は音楽の楽しさ、素晴らしさを子供たちに知ってもらう番組である。

宮川彬良(アキラ)がピアノを、パペット人形のキヤラクターのアリアがヴァイオリン、シャープがトランペット、スコアがチェロ、そしてフラットがクラリネットを受け持つ五重奏であり、広い範囲の音楽を聴くことができる。仕組みが分からないが、人形を操る人(映像)と演奏する人(音)との連携が素晴らしい。

「ゆうがたクインテット」がタイトルの由来と聞く。音楽のジャンルの幅広さは抜群である。聞いたことのある曲、知っている曲がどんどん増えていくことになる。番組のオリジナル曲、「ただいま考え中」は「ただいま運動中~」や「ただいま残業中~」とコマーシヤルにもなっている。次に「えいごであそぼ」があり、それに続くのが;


 「にほんごであそぼ」(月~金 8:00~8:10、再放送は17:05~17:15)である。名作の文学作品、古典・古文、漢詩・漢文など有名なフレーズを取り上げている。日本の古典芸能や、方言による詩などに接することになる。

難しい中身、意味不明の中身でも、口癖になるくらい暗唱した自分の子供時代を思い出させる。暗記と暗唱は違うと主張する『声に出して読みたい日本語』の実践と感じたが、その著者の齋藤孝さんが企画監修していると知り、納得した。

落語『寿限無』や、戯曲『まちがいの狂言』なども取り上げられた。出演者は、KONISHIKI(元大関)、神田山陽(講談師)、野村萬斎(狂言師)、豊竹咲甫大夫 (人形浄瑠璃・太夫)、鶴澤清介(人形浄瑠璃・三味線)、うなりやベベン(歌手・三味線弾き)など錚々(そうそう)たる顔ぶれで、子供たちも共演している。野村萬斎の狂言から「ややこしや ややこしや」の一節が子どもたちの口癖となった。その後に来るのが;


 「ピタゴラスイッチ ミニ」(月~金8:10~8:15、再放送17:25~17:30)である。「ピタゴラ装置」は積み木のドミノ倒しを複雑にしたものであり、振り子、てこ、バネ、浮力などを使った予想外の動きで、変動が伝わっていく仕組みである。

最後は「ピタゴラスイッチ」の表示が出て終わる。引き続いての「アルゴリズムたいそう」はニコリともしない真面目な顔での”いつもここから”の二人組(山田一成と菊地秀規)の出演であり、様々な職場に出向き、一列に並んで行う。

例えば、消防・救急隊員、水族館スタッフ、海上保安庁職員、バスガイド、舞妓、相撲力士などである。なお、本体の「ピタゴラスイッチ」(水 10:30~10:45、再放送は土 7:00~7:15、17:35~17:50)は15分間であり、「ミニ」はその短縮版になる。さらに「いない いない ばあっ!」、「おかあさんといっしょ」、「つくってあそぼ」、「しぜんとあそぼ」などが続いている。


  「キッズワールド」は大人が見ても面白い。教育振興基本計画(H21,9)によれば、高知県の現状を数値で示し、行政、学校、家庭、地域の役割を述べている。そして全ての基本が「規則正しい生活リズム」であると結論している。朝から「キッズワールド」を、幼児だけでなく、家庭だけでなく、小学生児童にも、学校でも、活用することを提案したい。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・皆で、朝はシャキーンと

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                      情報プラットフォーム、No.271、3月号、2010、3/20
{皆で、朝はシャキーンと}

画像出典:NHK教育テレビ 「キッズワールド」 番組、「シャキーン」


 朝、”おはようさーん おはようさーん そちらはどうだい おきてるかい? ・・・こちらはすっかり 目が覚めてるよ・・・”の歌を聞いた人はそれほど多くない。これはNHK教育テレビの「キッズワールド」の冒頭の番組、「シャキーン」のテーマソングである。


 夕方、仕事から帰る母親に引き渡すまで、孫の暖(ひなた)と「キッズワールド」を見ることが多い。子供を飽きさせないためか、5分ほどの短時間で次々と出し物が移って行く極めて移り気な企画である。

時間帯は月~金の7:00~9:30、再放送は16:00~18:10で、普通の勤めの父親や母親は殆ど見ることができない時間帯である。また、「シャキーン」(15分間)は夕方の再放送ではカットされる。暖くんは毎朝「シャキーン」を見ている。「今、暖くんも見てるだろうな」と思い、朝の慌ただしい時にも見ようと心掛けている。


 「シャキーン」は起きたばかりの子供たちに頭と体を“シャキーン”とさせようという意図を持っている。舞台は巨木の上の秘密基地のような設定。

そして、木の枝で縁取られた廃棄テレビの中の顔、ピンクのほっぺに機械的に動く口・眉・目が特徴のジュモクさん、そして元気な女の子のあやめちゃん達が進行役で話題を順次進めていく。テーマがさらに早く1~2分で移り変わるので、片手間で見るのは不可能に近い。


 テーマソングに続いて、さまざまなパターンの「おめざめクイズ」が来る。「指クササイズ」、「目クササイズ」、「四つの映像」などである。「どこ切る兄弟」は文字の書いてある丸太を輪切りにするアニメコーナーである。兄が”ゆでたまご/さます”(ゆで卵/さます)と切れば、弟は”ゆ/でたまごさます”(湯/出た孫さます)と切り返す。


 「みんなでうたおう」では、様々なオリジナル曲が紹介される。最新作の「イーブン・ イーブン」の歌詞は ”あー!もー!!・・・・カレーの中のきらいなニンジン またよける 好ききらいしちゃダメやない! ママのきらいなタマネギは入れてないじゃない!

 ・・・・イーブン・イーブン スナオになれなかったり それぞれ言い分 それぞれのいい部分(ん!) あわせたら わりと引き分けかもね イーブン・イーブン イーブブブン!!・・・・・”この歌詞から番組の意図が理解できるだろう。

さらに「世界のオノマトベ」、「そっくり方言」、「ジャストタイム」など楽しい企画が目白押しである。「答えはない」では、マリオネット人形のハジメくんが ”答えはない、答えはない、見方が変われば、色々・・・・・”と歌う。例えば「色って何色ある!」には答えはない。エンディングの歌は ”・・・・・シャキーンの木 シャキーンの木 シャキーンの木の木の木”である。


 金曜日はお髭のスーパージュモクさんになる。また、週1回、水曜日の「シャキーン!ザ・ナイト」(19:25~19:45)では、威厳のあるナイトジュモクさんである。


 親も、特に父親は、週1回位は「シャキーン」を見て、”シャキーン”として子供の言い分を聞く耳を鍛えることをお奨めする。そして、企画する側に身を置いて、もっと奇想天外なものが生み出せないかと考えるのも楽しい。

これを見て育つ子、その子を持つ親は幸せである。「キッズワールド」からは、規則正しい生活リズムと、好奇心、創造力、そして遊び心が生まれてくる。非行率は高く、学力・体力ともに大きく劣る高知県では、NHK教育テャンネルを有効に、組織的に活用すべきではないか。そうすれば視聴料は決して高くない。皆で「シャキーン」を見てシャキーンとなろう。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・ダム湖の役割、パナマ運河の場合

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                        情報プラットフォーム、No.270、2月号、20102/27使用済み
{ダム湖の役割、パナマ運河の場合}

 

                                 パナマ運河のガトゥン閘門

 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 早明浦ダムは、洪水調節、不特定利水、上水道、工業用水、灌漑、水力発電など、多目的な役割を持っている。ここでは、それとは別な特別の目的を持つダムの話をしよう。


 話の始まりは、小学3年の時に父が買ってくれた短編集「心に太陽を持て」(山本有三編著、日本小国民文庫、新潮社、(1935))の「パナマ運河物語」にある。二人の主人公の似た響きの名前、「ゴーサルズ」と「ゴーガス」が子供心に大きな印象を残した。一人は工兵大佐であり、もう一人は軍医である。話のあらすじは以下のようである。


  ---スエズ運河を完成させたレセップスは1880年にパナマにやって来た---

 砂地の平坦なスエズ地峡と違って、固い岩盤の分水嶺が中央を走り、黄熱病やマラリヤの温床の熱帯林が拡がっていた。9年間の歳月を掛け、巨費を投じ、多数の犠牲者を出して撤退した。

権利を買い取ったアメリカはこの難事業の最高責任者にゴーサルズ工兵大佐を選んだ。まず、彼は工事に当たる人々を大切にの大原則を立て、軍服を着ることもなく、人種のるつぼのような労働者達から慕われるようになっていった。また、運河の構造を水路式から閘門式に設計変更した。パナマ地峡中央部のガトゥン湖(海抜26mの人工湖)まで、大西洋側からは1つの閘門(2重の水門)、太平洋側からは2つの閘門で水位を変えて、船を持ち上げる構造である。


 黄熱病やマラリヤを媒介する蚊の絶滅に効果的なのは、熱帯林や居住区の水溜まりを潰すことである。理解され難い地道な作業がゴーガス軍医の担当であった。


  ---全長82kmのパナマ運河は1904年から10年を掛けて1914年に完成---

 完全な理解とまでは行かないが、子供心にも壮大なプロジェクトの多様性、そして厳しさを知った。特に人々が気持ち良く働ける環境作りが成功の鍵であることも感じ取ることができた。その他にも大人になってから思い当たる知見は多い。その一例として、ここでは水資源のもつエネルギーのことを示したい。


 人工湖を作ればそれがそのまま航路になることは子供でも十分に納得できた。しかし、海抜26mの位置にある人工湖の本来の意味を的確に理解していなかったことを、高学年になって知った。落差のエネルギーを持つ膨大な水量に価値があり、水門内に水を汲み上げるエネルギーは不要であることを知った。なお、1隻の閘門通過で19万トンの水が失われ、湖に蓄えられた位置のエネルギーがその分だけ減少する。太陽熱(太陽エネルギー)で蒸発した水は再び位置のエネルギーを獲得する。


  ところで、「地球破壊 七つの現場から」(石弘之著、朝日選書405(1990))の第2章「埋まるパナマ運河-焼かれる熱帯林」によれば、1977年、1983年にパナマ運河の水位は大幅に下がり、吃水制限がなされ、ホーン岬を回らなければならない船舶も出てきた。水の枯渇に備えて1935年にはガトゥン湖の上流域にマデン人工湖を作っていたのだが、それでも足りなかった。

熱帯林が農耕地に変えられたことが主な原因である。森林が持つ適切な流量調整の機能、「緑のダム」の役割が失われ、土砂の流入も増えて、ダムの貯水量が減ってしまった。中米はいま「緑なき地峡」と呼ばれ、生態系の破壊も深刻になっている。皮肉にも、伝染病の源であった熱帯林を失ったとき、深刻な環境破壊の問題が発生したのである。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・古新聞紙の中の早明浦ダム

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                        情報プラットフォーム、No.268、1月号、2010
{古新聞紙の中の早明浦ダム}

  

画像出典:四国新聞 早明浦ダム 


  旧家のお蔵の整理に際して、不要な骨董品などを沢山頂いてきた。その中に皿鉢の詰まった2箱と取り皿の1箱があった。皿鉢や小皿はそれとして、興味を引いたのは緩衝用に間に挟んである40年程前の新聞紙である。

その中の一枚の高知新聞に目が行った。日付は昭和44年10月14日(1969年)である。「徐々に偉容現す早明浦ダム」の見出しとともに、不夜城のように浮き出たダム本体工事現場の大きな写真がある。「完成、二年後に迫る」、「嶺北の”あす”をひらく」の小見出も付いている。早明浦ダム特集号である。


  四県知事の談話があり、それぞれのタイトルは、「早明浦ダムに期待する」が武市恭信徳島県知事、「和こそ限りなき成長の力」が金子正則香川県知事、「四国の国作りは四県の大同団結で」が久松定武愛媛県知事、そして「水没地域住民の理解と協力に感謝」が溝渕増巳高知県知事である。

徳島県48%、香川県29%、愛媛県19%、高知県4%の利水配分率を発言内容に重ね、そして、洪水調整に主眼がある徳島県、上水道としての利水が必要な香川県と考えれば、それぞれに深い意味があることが分かる。


 ダム右岸の「四国のいのち」の記念碑は、当初は「四国はひとつ」と刻む予定だったと聞く。しかし、溝渕高知県知事は「水は一つになったが、他のことはまだ一つになっていない」として予定を変更したというエピソードが残っている。


 2005年の夏はダム貯水率が0%にまで枯渇し、全国的に毎日のニュースや新聞で水不足が報道された。水底から現れた大川村役場の映像が大きなインパクトを与えた。調べてみると、この鉄筋3階建ての庁舎は昭和37年8月(1962年)に出来上がったものであることを知った。

当時の大川村はダム建設に猛反対していた。固定資産税は堰堤の所在地である本山町と土佐町に配分され、大川村には入らない。メリットが全くない大川村では、行政・住民が一体となって反対運動を繰り広げた。

その意思表示のために、あえて水没する場所に耐久性のある庁舎を建設したのである。渇水や水不足の象徴としか考えて居なかったことは申し訳ないことだったのである。また、これを知らない県民も多くなっただろう。


 難航した補償交渉は1973年(昭和48年)に概ね妥結し、1967年の着工から8年の歳月を掛けて、1975年に完成した。総事業費は約332億4,000万円であった。


 土佐町と本山町にある堰堤から、ダム湖の途中に掛かる吊り橋を通る一周の湖畔の四季は美しい。春には2000本の桜回廊、初夏にはあじさい、秋には紅葉と四季折々の美しさを湖面に映している。日本で最も小さな村、大川村では謝肉祭などのイベント、はちきん地鶏、杉材の木製家具などの地場産品で活性化を図り、環境保全にも取り組んでいる。


 利根川上流、群馬県の八ッ場(やんば)ダム、球磨川上流、熊本県の川辺川ダムの建設中止が話題となるときに、40年前の古新聞紙に目がとまったのは偶然ではないように思える。

11月中旬の高知新聞に「ダムは反対だけれど」と大川村に住む84歳の女性の投書が載った。八ッ場ダムについて「半世紀の間の中で翻弄され、そしてさだめし涙をのんで承諾に踏み切ったであろう水没者の方々。・・・・・それを突然中止とは。」と当時の大川村の苦悩を思い出しながらの投書である。


 鳩山総理大臣の「コンクリートより人」の理念がどのように決着を付けるのかを見守りたい。「今を大きく変えないこと」が環境と人類にとって最も大切なことではあるのだが。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・高知のお宝、手結の跳ね橋

2010-11-25 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                       情報プラットフォーム、No.267、12月号、2009
{高知のお宝、手結の跳ね橋}

出典:手結漁港-跳ね橋 

2010.1.22撮影(あがっていないときの状況)

 

 

IMG_1199.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 


  孫の暖(ひなた)君は今3才を少し過ぎたところである。夕方、保育園に迎えて、山田のお家で、ばんばちゃんとかあさん(明日香)の帰りを待つのが通常の日課である。少し楽をしたいときには、高知龍馬空港の展望台に、布師田のJR基地に、美良布のアンパンマンに、工科大キャンパスに連れて行き、時間つぶしをする。


 今の彼の関心は、高知空港のJALやANAから、手結港の可動橋に移りつつある。初めて見に行ったときは、「線路がないに、踏切がどうしてあるが?」、「橋が上がったに、なんで船が来んが?」、「誰が動かしゆうが?」と質問の連発であった。


 「可動橋」、「跳ね橋」の検索で必ず出てくるのは、国内では、手結港の跳ね橋と勝鬨橋であり、国外では、アルルの跳ね橋とロンドンのタワーブリッジである。


 手結港可動橋(正式には高知県手結港臨港道路可動橋)が完成したのは2002年9月である。長さ32.8m、跳開角70゜、開閉時間6分 、そして建設費は21.3億円である。


  勝鬨(かちどき)橋は築地と月島を結ぶ晴海通りにあり、全長246mの橋の中央で両側22mが「ハの字」に開く跳ね橋である。東京万国博覧会開催を念頭に、最先端技術の粋を集めて建設し、1940年に完成した。完成当時は跳開橋として東洋一の規模であった。また、この橋には路面電車も走っていた。

その後、隅田川を航行する船の減少、陸上交通量の増加により、1970年11月29日の開閉を最後に跳ねずの橋となっている。東京に住み始めた中2の頃、片道1時間を掛けて、この勝鬨橋の開閉を見に行った。開く早さに感動した。今調べると、角度86゜までの作動時間は1分だったようである。


  跳ね橋で思い出すのはゴッホの画いた「アルルの跳ね橋」である。モデルとなった橋は、南フランスのアルルの南西の運河に架かっていた。現存していないが、近くに再現されて観光名所となっているそうである。


 テムズ河に架かるタワーブリッジは高さ40mの石造りの塔2基の間に跳ね橋と吊り橋がある。跳ね橋が開跳中でも塔上部の吊り橋を歩いて渡れるようになっている。ロンドンのシンボルであり、観光スポットである。


 勝鬨橋では40年近くも動かしていないが、使わない変電所を改修して資料館とし、さらに装置や橋脚内の見学ツアーを行い、学習の場として有効に活用されていると聞く。


  日常的に稼働している数少ない手結の跳ね橋では、1時間ごとにライブ状態を眺めることが出来る。高知のお宝を有効に使わない手はない。機械室の見学コースも必要である。週日には学校の児童・生徒達の勉強の場に、休日には親子ずれ、そして観光資源として有効に活用すべきである。

香南市に限っても、野市風力発電所、のいち動物公園、四国自動車博物館、絵金蔵など、また近隣の企業の工場見学も含めて、有機的に連合体を作れば、広域連携科学館はほとんど出来ていると言って良い。高知県には科学館がないと嘆く必要はまったくない。

国道55号線からの、ヤ・シィパークからの誘導案内を置きたい。また、跳ね上がれば立て看板のように見える路面に、巨大なキャラクターを描きたい。さらに、発想を転換して、年齢ごとに斜度を変えてのよじ登り大会を開催出来ないだろうか。


 以来、暖君は「じじ。ここは跳ね橋と違うが?」と渡る橋ごとに聞いてくる。跳ね橋に模した積み木を「カンカンカン」と言いながら上げ下げしている。

 

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鈴木朝夫  s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

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