極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

世界初 3DPで細胞チューブ

2017年02月24日 | 新弥生時代

 

     33  一歩後退 / 天山遯(てんざんとん) 

                                 

    ※ 宋の大学者、朱熹が天子の侍講(じこう)であった頃、権臣韓侂冑
      (かんたくちゅ)の専横を弾劾する上奏文を提出しようとしたこと
      がある。それを知った弟子たちが、師の危険を恐れて諌止したが、
      聞き入
れられず、ついに占筮(せんぜい)によって決することにし
      た。その時得た
のがこの「遯」の卦である。朱熹は黙って退き、上
      奏文を焼き捨ててそれ
以後隠遁したという。遯とは、のがれ退くこ
      と。また豚と通ずる。豚は逃げ
足の早い動物である。運気が衰えて、
      時流われに味方せず、こういうとき
には、さっさと退くことが最上
      の道である。卦の形は、陰の勢力(--)が勃
興して上にある陽(-)
      が隠遁することを示している。力まかせに切り抜
けようとせず、
      運の過ぎるのを待つことだ

 Feb. 20, 2017

【人工光合成触媒に道】

21日、岡山大学らの研究グループは、光合成プロセスの中で、これまで謎だった2つの
水分子が分解されて1つの酸素分子が形成される触媒反応の基本原理を明らかにしことを
公表。それによると、光合成の水分解反応において、光化学系ⅡI複合体(PSII)が酸素分
子を発生させる直前状態の立体構造を捉えることに成功、酸素分子の生成部位を特定した。

● 光合成の酸素分子を生成する触媒反応を解析

上図、PSIIは、光エネルギーを利用して水分子を酸素と水素イオン(プロトン)と電子へ
と分解して酸素分子を発生させる、いわば“光合成の始まり”を担う。これまでにPSII
高純度結晶の立体構造を解析し、水分子を分解する触媒の立体構造の正体は Mn4CaO5
ラスターで“ゆがんだイス”のような形状をしていることが明らかになっている。“ゆが
んだイス”の触媒は、周期的な5つの中間状態を経て水分解反応を行う。今回、水を分解
する反応サイクルの「途中」状態に相当する立体構造を解析し“ゆがんだイス”の触媒の
中に新たな水分子が取り込まれる様子を捉えることに成功。水分解反応の「始まり」の状
態ではMn4CaO5クラスターの触媒が、反応「途中」の状態で水分子を取り込むことで反応
中間体の1つに変化することを明らかにした。立体構造の解析には、X線自由電子レーザ
ー(XFEL)施設SACLAを用いている。 

今回SACLAのX線自由電子レーザーで解析した光化学系複合体(PSII)に含まれる水分
解触媒の立体構造。“ゆがんだイス”のかたちをした触媒に水分子が取り込まれた瞬間を
捉えている。水色の部分が今回明らかにされた酸素分子が発生する部分(上図)

今回の成果は、太陽の光エネルギーを利用して水分解反応を人工的に実現する触媒の構造
基盤に関する情報を提供するもの。この反応を模倣する「人工光合成」が実現すれば、
陽の光エネルギーを利用して水から電子と水素イオンを取り出して有用な化学物質を高効
率・低コストで作り出せると期待されている

 Feb. 22, 2017

● 分子の自己組織化を制御:
     水素結合性材料で世界最高効率3.0%の太陽電池

22日、千葉大学は分子の自己組織化を制御する仕組みを解明したと発表。これを応用する
ことで、太陽電池などの有機材料による電子デバイスを低コスト・大面積化できる。同大
学矢貝史樹准教授らの研究グループは、「多点水素結合」と呼ばれる分子間での相互作用
を利用し、半導体性を持つ分子の自己組織化を精密に制御できるようにした。

つまり、この多点水素結合は、分子の集合経路の制御に有効な手法である。DNAやRNA
塩基対形成にも利用されている。特定の分子を認識するだけでなく、分子の向きや角度を
揃えることができる。多点水素結合部位の「バルビツール酸」を、汎用性半導体分子の「
オリゴチオフェン」に結合、構造の異なる2
種類の分子を合成し、それらのわずかな違い
を利用して、さまざまな条件下集合構造を制御することに成功する。


例えば、上図のレポートのように、例えば、溶解性の向上に必須な4本の「ヘキシル鎖」
が、半導体分子の左右どちらよりに結合しているかで異なり、それらの分子構造のクロロ
ホルムへの溶解性の違いが、水素結合による集合構造の違いにあることを突き止め、
また、
分子が高い精度で階層的に組み上がる仕組みを解明。集合体の溶液から溶媒を除去すると
自己組織化がさらに進行し、構造が積層して異なったナノ構造が形成される。

例えば、わずかな分子構造の違いによって規制された水素結合パターンが、溶液(1次元
)から界面(2次元)、固体(3次元)と、構造を変えることなく階層的に組み上がるこ
とで、高い精度で自己組織化が進行
 さらに、今回の方法で得た集合構造の一つは、電子
物性が異なる材料とよく混ざり合う性質をもち、水素結合性材料としては、世界最高の太
陽電池としての性能を示すことがわかった(出典:「分子の自己組織化を制御、水素結合
性材料で世界最高効率3.0%の太陽電池」 日経テクノロジーオンライン 2017.02.23)。



自己組織化によって形成される構造の違いが有機デバイスに与える影響を調べるため、オ
リゴチオフェンと反対の電子的性質を持つ半導体分子であるフラーレン誘導体と溶液中で
混合し、乾燥させて混合薄膜を作成。この手法は、バルクヘテロ接合法と呼ばれ、有機材
料による安価な太陽電池の作製法として知られる。混合
薄膜の形成時に、①ロッド構造は
フラーレン誘導体とよく混ざり合うが、②多層構造はフラーレン誘導体が入りこむ隙間が
なくうまく混ざり合わない。そこで、
バルクヘテロ接合法による太陽電池は、電子物性が
異なる二つの材料がより細かく混ざり合った方が、光励起によって異種材料の界面で電荷
がより多く生まれるため、高い性能を示すという原理である。



そこで、実際に混合薄膜に光を照射すると、①ロッド構造を使ってフラーレン誘導体とよ
く混ざり合った混合薄膜と、②多層構造のためフラーレン誘導体がうまく混ざり合わなか
った混合薄膜では、光電変換効率で2倍の差がつく。ロッド構造を使ってフラーレン誘導
体と
よく混ざり合った混合薄膜による太陽電池の効率は3.0% を超え、水素結合性材料
として
は世界最高の性能を示した。ナノレベルの構造の違いが、太陽電池の性能に大きな
影響を
与えることを証明する(素晴らしい!)。今後は、分子の自己組織化を利用した有
機デバイ
スは、低コスト・大面積化の面で、無機材料によるデバイスや従来の蒸着法によ
る有機デバイスよ
りも優れており、さらに発展する分野に貢献する。



【3DP倶楽部:神経再生向け細胞チューブ作製】


 Feb. 13,2017

23日、京都大の池口良輔准教授らの研究グループが人や動物の細胞を立体的に作る「バ
イオ3Dプリンター」を使い、事故などで欠損した神経を再生する世界初の技術を開発。

事故で指の神経細胞が欠損した場合、足などの神経を移植する手術が行われるが、代わり
に足の神経は欠損してしまう。シリコン製チューブで欠損した神経同士をつなぐ人工神経
の開発も進むが、事故前の状態まで回復させるのは難しい。そこで、池口准教授と九州大
発の医療ベンチャー、サイフューズは、人の皮膚から採取した細胞を培養して作った細胞
の塊から、サイフューズが開発したバイオ3Dプリンターを活用し、筒状のチューブ「神
経導管」を作製。神経導管は長さ8ミリ、外径3ミリ程度。神経が欠損したマウスに移植
したところ、人工神経では足を引きずるマウスが多かったのに対し、人の細胞から作った
神経導管を使った場合は健康なマウスのように足を上げて歩いた。研究グループは19年
度から臨床試験を行いたい考え。池口准教授は「日本では年間5000~1万人が事故や
労災で神経を欠損しており、患者の社会復帰と痛みを取ることができる」と話す。


JP 5931310 B1 2016.6.8

【要約】

細胞トレイと細胞塊に貫通する穿刺部とを備え、穿刺部はその先端が貫通部に進入するま
で凹部に支持される細胞塊を貫通することを特徴とする細胞構造体製造装置を提供する。
さらに、細胞塊の特徴を検査する判定部と、該判定部による検査結果に応じて細胞塊を分
別する分取部と、該分取部による分別結果に応じて細胞塊を細胞トレイに配置する吐出部
と、細胞トレイに配置された複数の細胞塊を貫通する穿刺部と、複数の細胞塊を貫通した
複数の穿刺部を配列して保持する保持部とを備える細胞構造体製造システムを提供する。


JP 2016-105700 A 2016.6.16

【要約】

肝細胞と、血管内皮細胞及び幹細胞から選ばれる少なくとも1種の細胞との混合物から形
成された肝臓組織型スフェロイド、及び前記スフェロイドを配合又は積層することを特徴
とする肝臓組織型立体構造体の製造方法で、肝臓組織型スフェロイド並びにその製造方法
の提供する。

蓋し、3Dプリンタの発明は日本(特許申請で遅れをとる)、元々実力がある。医療分野
で貢献できれば本懐であろう。

 ● 今夜の一曲

ハイドン: 弦楽四重奏曲 String Quartet No.78日の出, in B, Op.76-4

弦楽四重奏曲第78番変ロ長調op.76-4は、オーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・
ハイドンによって、1797年に作曲された弦楽四重奏曲である。第1楽章の冒頭が太陽が昇
ってくる様子を連想させるので、「日の出」という副題で呼ばれることが多い。

【楽曲構成】

  • 第1楽章:Allegro con spirito ソナタ形式。
  • 第2楽章:Adagio
  • 第3楽章:Menuet: Allegro
  • 第4楽章:Finale: Allegro ma non troppo 快活な主題をもった三部形式。



 

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