極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

レンズフリー顕微鏡工学

2014年12月27日 | デジタル革命渦論

 




● ムーアの壁はどこだ?! 

一昨夜の続きだけれど、国道307号から八風街道にかけて、建設中あるいは導入済みのプチ
メガソーラーを数多く見かけた。過熱気味ということで、見直し問題が浮上していて、予測の
甘さを指摘する意見をネット上で見かけるが(産経新聞系は顕著)、資本主義的な政策はこん
なに効果があるのかと、寧ろ感心して看ている。さて、その光電変換素子の半導体の話。世界
半導体市場統計(WSTS)は2日、2014年秋季半導体市場予測を発表し、2014年の世界半導体市
場規模は、前年より9.0%成長し、3331億5100万米ドルに達する過去最高の見込みだという。

もう一つは、米国で開催された「IEDM(International Electron Devices Meeting)2014」の報告で
は、Intel社の14ナノメートル FinFETプロセスやTSMCの16ナノメートル FinFETなどの開
発状況をはじめ、多くの論文が発表されている。ムーアの法則に壁はないのか、あるとしたら
どのぐらい先なのか、そんな疑問も湧いてくる。そこで、インテル社のシニアフェローである
マーク・ボアーは、7ナノメートルプロセスについて、下記の楽観的な見方を示しているので
掲載しておこう。

 研究開発においてわれわれは、微細化は、少なくともあと10年は続くとみている。この考
 えは、10年前や30年前から変わっていない。微細化は世代ごとに難しくなっているものの、
 トランジスタ当たりのコストを前世代のプロセスよりも下げられるような技術開発に取り
 組んでいる。私は、1マイクロメートル
が壁だった時の、身もすくむような気持ちを覚え
 ている。われわれの22ナノメートルプロセスは、これまでで最も歩留まりが高く、最も欠
 陥が少ないプロセスになっている。14ナノメートルプロセスも同様になるだろうが、その
 ためには多くの課題を克服しなければならない。(EE Times 「微細化は今後10年続く」
 2014.12.24)

 

● レンズフリー顕微鏡 がん細胞検出精度99%

米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは17日、大型で高価な光学顕微鏡と
同等レベルの精度で、がん細胞や、その他の異常を細胞レベルで検出できる、“レンズを使わ
ない顕微鏡(レンズフリー顕微鏡)”を開発したと発表。血液や組織などの一般的な検査を実
施するための、持ち運びしやすい顕微鏡を製造できる可能性がある。レンズフリー顕微鏡は、
サンプルを置くスライドガラス、CMOSイメージセンサーアレイを搭載したマイクロチップ、光
源(レーザーか LED)で構成される、非常にシンプルなものだ。スライドガラスは、マイクロ
チップに直接触れることがないようサンプルホルダーに置かれる。レーザーかLEDの光を上から
サンプルに当てると、イメージセンサーは、そのサンプルの影影のパターンなどを捕捉して記
録する。さらに、センサーの情報を使って3次元画像を映し出す。画像を再構成するアルゴリ
ズムによって、画像のコントラストがより強くなり、異常を検知することが容易になる。この
事例によると、
子宮頸がん検査向けのパップスメア(細胞診検体)、乳がん細胞を含む組織標
本、血液サンプルを使用して、レンズフリー顕微鏡を評価した。その結果、がん細胞検出の精
度は99%だった。
尚、レンズフリー顕微鏡のもう1つの利点は、視野を拡大できるので、従来
の光学顕微鏡より
も迅速に検体を処理することが可能になる(下図参照)。

 

● 事例研究 特表2013-508775
  オンチップでの非干渉性のレンズフリーのホログラフィおよび顕微鏡法

ところで、何10年もの間、光学顕微鏡法は工学、物理科学、医学および生物学を含む様々な分
野に貢献してきた。その長い歴史にも関わらず、比較的最近まで、光学顕微鏡のデザインや動
作原理の著しい変化はなかったが、ナノ世界の域の探求動機を背景に、回折限界などの光学画
像化基本的制約事項に対する、超解像技術が光学顕微鏡法の革新がはじまる。その反面、光画
像化プラットフォームの全体的な複雑さや費用が逓増してきた。その一方で、小さいピクセル、
優れたダイナミックレンジ、フレーム率および信号雑音比を有する著しく大きな領域と、より
早く、安く、より強力なデジタルプロセッサとメモリとを有するかなり安価な2次元の固体検
出アレイを用いるデジタル技術における急速な進歩により、デジタル革命はさらに、進歩した
画像化理論と数値アルゴリズムと組み合わせることで、光学画像化と顕微鏡法の光学画像化装
置をダウンサイジング(簡略化)とデフレーションにより、著しく小型で費用効果をもたらし、
使い易いものとして変貌してきた。

数10年の間、レンズは所望の視野および画像の分解能によって決まる最低の空間-帯域の積で
動作するように検出器を補助してきたが
、デジタル革命は、1千万-2千万以上の2次元の空
間-帯域積が処理できる最先端技術が進化。このことは、検出器アレイの回折歪みを素早く是
正処理に反映されるが、光学画像化でレンズ使用の絶対的な必要性を意味し、さらに、新しい
アルゴリズムとデジタルプロセッサは、瞬間的に、物理レンズの役割をすべく検出器の末端で
取得された情報処理に適した形態でもある。光学画像化で広く使用されるレンズ(または同様
の波面形状要素)は、デジタルドメインについて複雑さを欠いた光学要素を費用効果が高く小
型で、より単純な光学構造で補完できる。

最近の10年間、マイクロ流体工学は、必要なデバイスと試薬の量、関連費用を逓減させセルの
ツールセットを激変させ、いわゆるラボオンチップの適用が可能となり、光学技術とマイクロ
流体工学との融合により、光学顕微鏡プラットフォームとマイクロ流体機構の一体化により、
「その場計測」可能にし、この手法は既に文献に発表されており、様々なレンズフリーのオン
チップ画像化構造が実証されている(下図参照)。これらの手法の中で、レンズフリーのデジ
タルホログラフィは、新たな計算アルゴリズムおよび数学モデルを用い、このデジタル革命に
より最大のものを作り出す可能性がある。

 

しかし、上図のセルや微小生物の高分解能顕微鏡法について実証されてきたものの、従来の干
渉性のレンズフリーのインラインホログラフィ法は、照明に対し完璧な空間干渉性の要求があ
り、空間的にフィルタリングし、波長と同じサイズの小さな開口にレーザ光を収束する必要が
あり、例えば、1~2マイクロメートルの開口サイズでは、光処理量の向上にレーザ放射の集
束レンズと安定化システムが必要であり、さらに、長時間にわたり開口部をクリーンな状態に
維持することが課題であり、また、従来のレンズフリーのインラインフォログラフィは、対象
のセルにセンサ表面から1~2センチメートル以上で配置されことで、各セルのホログラフィ
ックシグネチャはセンサ領域全体にわたって実質的に拡がり、全てのセルの特定のホログラフ
ィックシグネチャがく重なってしまう。このような手法では、残念ながら細胞における画像化
視野(FOV)を制限してしまう。全てのこれらの要求事項が、光学機器の費用やサイズを増
加させる。さらに、これらの制約は、野外などの資源が限られた環境において使用する従来の
干渉性レンズフリーインラインホログラフィ法は不便であった。

また、ホログラフィにおける非干渉性または部分的干渉性光源は、異なるレンズベースの光学
機構にも利用され、これらのホログラフィック画像化技術は、様々な大きい光学要素を利用す
るため「オンチップ」に分類されず、前述の高性能画像化様式と同じカテゴリ下にある。部分
的に干渉性のレンズフリーのインラインホログラフィを用いるより簡便な手法は、ラテックス
粒子の画像化で実証されているが、これらの技術も対象の物体をセンサ面から離れて配置する
ため、視野が小さいという問題があった(Partial spatial coherence effects in digital holographic mi-
croscopy with a laser source  Frank Dubois, Maria-Luisa Novella Requena, Christophe Minetti, Olivier
Monnom, and Eric Istasse Applied Optics, Vol. 43, Issue 5, pp. 1131-1139 (2004
)
)。

以上の課題を解決するために、細胞試料を画像化するためのシステムは、細胞試料を保持する
よう構成された試料ホルダを有する。
空間フィルタは試料ホルダの第1の面において試料ホル
ダからzの距離に配置され、この空間フィル
タは、その中に配置され、照明が通過できるよう
構成された開口を有する。画像化センサアレイは、試料ホルダの第2の反対側の面において試
料ホルダからzの距離に配置される。照明光源は開口を通して細胞試料を照明するよう構成
されており、空間フィルタは照明光源と試料ホルダの間に置かれた構成特許が下図のように提
案されている。


上のザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア社の特許翻訳を紹介掲載
させたもらったが、"デジタル革命"という言葉が多用されていることが特徴だった。

  ● 今夜の一曲


天気もよく、朝のうちから、宗安寺に墓掃除を済ませ、田中豊一の墓参りをすませ、年末掃除
ということで、洗車しはじめたのは良いが、チョットした操作ミスがあったのかよくわからな
いがで?ハードトップが開閉不良となり、屋根のない状態で販売会社に整備に車を走らせた。
原因はプログラム上での動作不良のインターロック作動ということではあったが、ルーフ収納
部ゴムシール部の不具合ということで、ロック解除と潤滑剤を補充し整備は終わったが、場合
によれば再び不具合が生じることもあるとのことだ。ところが、ブログ掲載しているとテレビ
で小椋佳が『生前葬コンサート』で偶然にこの「屋根のない車に乗って」を歌っていた。小椋
佳の曲をはじめて紹介してくれたのは、若くして他界した同僚のNだったが、小椋佳の聴くう
ちに、思わず叫び出したくなるような衝動に襲われたのち暫く深い郷愁と変わっていった。



   ある日公園でみたことのない大きな鳥がいた


   みたことのない輝<鳥がいた


   屋根のない車にのって俺は追いかけた


   空をかけるその鳥を追い街をすぎ去った


   その鳥を追い丘をすぎ去った


   屋根のない車にのって俺は追いかけた


   ある日野原に鳥はありたち


   鳥のそば近<みたことのないかわいい娘がいた

   屋根のない車をおりで俺は近づいた


   鳥はとびたち俺と娘は小屋をつくって


   俺と娘は一緒にくらした


   屋根のない車はもう俺は忘れはて



                             
                            作詞/作曲 小椋 佳




その彼の1994年の作品である「流されはしなかった」の曲を掲載したかったが、そのよう
な経過から、これをを選曲。

そういえば、今日は総本山知恩院の除夜の鐘試し撞きでもあった。         

                                       合唱        

                                                                                                    

 

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