極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

高品位パワー半導体時代

2018年02月02日 | デジタル革命渦論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 贈 り 物:万章が孟子にたずねた。「人と交わるにはどんな心構えが
         必要でしょうか」
「謙虚であることだね」
         「人から物を贈られて、それを押し返すのは謙虚でないといわれてい
         ますが、なぜでしょうか」

         「目上の人から贈られたのに、その贈り物が、不義によって俑けたもの
         かどうか詮索してから受けと
るとしたら、謙虚であるとはいえまい。だ
         から押し返さないのだ」

         「では、心の中では、不義なやり方で人民から取りあげたものだからと
         拒絶する。しかしあからさま
には断わらずに、他のことにかこつけて受
         けとらないようにする、これではいけませんか」

         「相手が道にかない、礼に則って交際を求めてきたのなら、孔子でもや
         はり贈り物を受けとったものだ」
         
「かりに城門のはずれで追い剥ぎをしてき記男でも、道とってよいので
         すか」
「それはいけない。書経の康浩篇にも『人を殺して物を奪いなが
         ら、罪の意識もなく死刑を恐れない者は、すべての民に憎まれる』とい
         っている。こんな奴は教化するまでもなく、死刑にすべきだ。贈り物な
         ど受けとれるものか」

         「いまの諸侯はまるで追い剥ぎのように、人民の財物を取りあげていま
         す。それなのに礼をつくして交際を求めてくれば、君子もそれを受ける
         とおっしゃるのは、いったいどういうわけですか」
         「ここに真の王者が現われたとしよう。この王者は、いまの諸侯が追い
         剥ぎ同然だからといって、片っぱしから死刑にすると思うかね。それと
         もまず教化して、見込みがないとわかってから死刑にすると思うかね。
         大体、他人の持ち物を取ったからといって、すぐ盗人ときめつけるのは、
         あまりにも極端すぎはしないかな。孔子は魯の国に仕えていたころ、魯
         の国の人々が狩猟の獲物を奪いあう催しをするときには、自分も参加し
         た。こんなことでさえ古い風習として許されるのだ。贈り物を受けとる
         くらいはかまわない」

         「孔子が仕えたのは、道を行なうためではなかったのですか」
         「道を行なうためだった」

         「ではなぜ獲物の奪いあいなどに参加されたのですか」
         「孔子はまず乱れていた祭器を正しく改め、むやみに供え物をしないで
         すむようにした。そして、供え物の獲物の奪いあいなどが、おのずと止
         むように努めたのだ」
         「どうして、そんな国を去らなかったのでしょう」
         「孔子は、まず正しい道が行なわれるきっかけをつくろうとしたのだ。
         きっかけをつくっても、道が行なわれないようであれば、はじめてその
         国を去った。だから同じ国にまる三年といなかったわけだ。孔子は三通
         りの仕え方をした。自分の理想が実現される可能性があれば仕える、礼
         儀正しく待遇されれば仕える。国君に賢人として敬われれば仕える、こ
         の三つだ。魯の季拍子には、理想が実現されそうだとみて仕えた。衛の
         霊公には、礼儀正しく待遇されたので仕えた。衛の孝公には、賢人とし
         て敬われたので仕えたのだ」

         〈狩猟の指物を奪いあう〉原文は「猟較」で、狩りの獲物をくらべあい、
         多いものが少ないものの獲物を奪って先祖の祭祀の供物にする風習。

         【解説】まるで強盗のように苛酷な徴税を行なう為政者――純真一途な
         万章がいきりたつのも無理はない。しかし孟子は誰々と敦えるのだ。理
         想を守りながら、しかも気長に現実を変えていかればならぬ。憩いも甘
         いも順みわけたあとの、老成した孟子の姿がうかがえる。 

 Sep. 29, 2016 

      
     
No.141

 

【省エネ事業篇:世界最高の定格出力密度パワー半導体モジュール】

● 出力密度はシリコン系比1.8倍、電力損失3分の1

先月31日、三菱電機は、ダイオードを内蔵したSiC(炭化ケイ素)によるMOSFETを使用し、6.5kV
圧のパワー半導体モジュールを開発したことを公表。これによりパワー半導体モジュールとして世界
最高の定格出力密度を実現。
6.5kV耐圧は、シリコン(Si)を用いたパワー半導体モジュールの最高耐
圧とされる。今回の成果により、ダイオード、トランジスタの双方をSiCデバイスで構成するフルSiC
パワー半導体モジュール
で、Siパワー半導体モジュールがカバーしてきた領域全て対応可能となる。

開発したパワー半導体モジュールは、新たに開発したダイオードをSiC-MOSFETに内蔵した1チップ
デバイスを採用している。これにより、従来のダイオードとMOSFETによる2チップ構成時に比べチッ
プ面積が半減した。ダイオード内蔵SiC-MOSFETチップの発熱対策として部材メーカー4社と連携し
優れた熱伝導性と耐熱性を兼ね備えた絶縁基板と、信頼性の高い接合技術を開発。高い放熱性と高耐
圧を備えながらパッケージを小型化に成功。その結果、定格出力密度は、Siパワー半導体モジュール
の1.8倍に相当する9.3kVA/cm3を実現。なおパッケージは、「HV100パッケージ」と互換を持つ。

 

開発品の電力損失は、Siパワー半導体モジュール比3分の1。動作周波数もSiパワー半導体モジュー
ルの4倍まで高められるという。
三菱電機は高耐圧フルSiCパワー半導体モジュールとして2013
年に3.3kV品を開発。開発した6.5kV品によりこれまで3.3kVのフルSiCパワー半導体モジュールを2つ
直列につないでいた回路を1つに置き換えることができ、パワーエレクトロニクス機器の回路構成を
簡素化。スイッチング損失の大幅低減、高周波動作対応により、パワーエレクトロニクス機器の省エ
ネ、周辺部品の小型化も実現できる。今後、要素技術の改善や信頼性評価を進め、鉄道や電力などの
パワーエレクトロニクス機器への搭載を目指す。 

尚、今回の6.5kV耐圧フルSiCパワー半導体モジュールの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機
構(NEDO)の助成を受け実施されたもの。同開発には、三菱電機の他、DOWAエレクトロニクス、三
菱マテリアル、デンカ、日本ファインセラミックス、東京工業大学、芝浦工業大学、九州工業大学、
産業技術総合研究所が参画。

 

【概要】

近年、電力用半導体装置は、一般産業用、電鉄用のみならず車載用にも広く使用されるようになって
きた。自動車では、限られたスペースの中で各部品を小型化することが車両性能に直結することから
、特に車載用の電力用半導体装置では、その小型化が求められている。また、一般的に、電力用半導
体装置では、その高出力密度化が求められている。電力用半導体装置の高出力密度化、具体的には半
導体素子の高電流密度化に伴って、半導体素子の通電時の温度も上昇する。そこで、車載用の電力用
半導体装置では、1つ以上の半導体素子を含む半導体モジュールの下面にはんだ材を介してヒートシ
ンクを取り付け、放熱性の向上を図っている。一般に、はんだ材を溶融させる方法として、❶誘導加
熱、❷レーザ光が使用されており、はんだ材などの導電性接合材を加熱する方法には、❶、❷の他、
❸赤外線を用いた輻射熱を用いている。ヒートシンクの上に導電性接合材を介して半導体モジュール
を配置し、赤外線を照射して導電性接合材を加熱する場合、ヒートシンクの表面に温度のばらつきが
生じると、形成される導電性接合層の質が低下し、ヒートシンクと半導体モジュールとの接合部の信
頼性が低下するという問題がある。特に、車載用の電力用半導体装置では、ヒートシンクの表面の面
積が大きくなるため、この問題が顕著になる。上述のような課題を解決に、導電性接合層を介してヒ
ートシンクに接合された半導体モジュールを備えた電力用半導体装置において、接合部の信頼性を従
来技術よりも向上させることを課題とする。このように、導電性接合層を介してヒートシンクに接合
された半導体モジュールを備えた電力用半導体装置において、接合部の信頼性を従来技術よりも向上
するには、下図4のごとく、電力用半導体装置は、表面120および裏面130を有するヒートシン
ク110と、導電性接合材61を介してヒートシンク110の表面120に接合された半導体モジュ
ール101~103と、を備えている。ヒートシンク110の裏面130には、所定波長の赤外線に
対して第1放射率を有する第1面部131と、所定波長の赤外線に対して第1放射率より小さい第2
放射率を有する平滑な第2面部132とが設けられている。ヒートシンク110の表面120には、
温度監視用の高放射率部121が設けらることで、ヒートシンクの表面に温度監視用の高放射率部が
設けられていることにより、高質の導電性接合層を設けることができ、これにより、接合部の信頼性
を向上させる。 

【関連特許事例】

❏ 特開2017-228713 電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法

Dec. 28, 2017
【符号の説明】

10  基板、  21,22  半導体素子、  30  第1主端子、  40  第2主端子、  51~55 
主回路配線、  61~64  第1から第4接合層、  70  枠部材、  80  制御端子、  101~
106  半導体モジュール、  110  ヒートシンク、  111  天板、  112  放熱フィン、 
113  冷媒ジャケット、  114  入口部、  115  出口部、  120  (ヒートシンクの)表
面、  121  高放射率部、  130  (ヒートシンクの)裏面、  131  第1面部、  132 
第2面部、  210  放射温度計、  220  制御装置、  230  赤外線ヒータ装置、  231 
棒ヒータ、  232  赤外線、  310  リアクトル、  320  ステップダウンコンバータ、 
1000  電力用半導体装置

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の半導体モジュールを示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の半導体モジュールの一部を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置を示す側面図 
【図5】図3のA-A線断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電力用半導体装置が構成するインバータ回路を示す図


【図7】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の製造方法を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の製造方法を示す図


【図9】本発明の実施の形態5に係る電力用半導体装置を示す斜視図
【図10】本発明の実施の形態5に係る電力用半導体装置を示す側面図


※ パワーエレクトロニクス(power electronics)は、電力用半導体素子を用いた電力変換、電力開閉
  
に関する技術を扱う工学である。 広義では、電力変換と制御を中心とした応用システム全般の
  技
術とも言える。1957年、ゼネラル・エレクトリック社によって開発されたサイリスタの登場以
  後、それまでの回転機や磁気、液体、気体などを用いたものと変わって、固体の半導体素子によ
  る電力変換、電力開閉技術が発展した。1969年、ゼネラル・エレクトリックのハーバート・スト
  ームがIEEE(アメリカの電気電子学会)の雑誌『スペクトラム』の記事で固体パワーエレクトロ
  ニクスという用語を用いてその定義を説明した。また1973年、ウェスティングハウス社のウィリ
  アム・ニューウェルによって「パワー(電気・電力・電力機器)と、エレクトロニクス(電子・
  回路・半導体)と、コントロール(制御)を融合した学際的分野」と図を用いて説明された。代
  表的な技術例として、交流から直流に変換する順変換器(整流器)、直流を交流に変換する逆変
  換器(インバータ)などの半導体電力変換装置が挙げられる。 またその利用例として、発電や
  送電などの電力分野、回転機・ファン・ポンプ・ブロアなどを利用する産業分野、通信システム
  や工場などの電源装置、電車の駆動・変電などの電気鉄道分野、自動車、家庭用電化製品など非
  常に幅広く使用されている。

● パワーデバイス2017 パワーデバイス業界に3つの動き




 Mar. 21, 2017

このようにパワーエレクトロニクス技術&市場は、『デジタル革命基本則』に従いにフルスロットル
で飛躍して
いく。間違いない。

【小型・低消費電力・廉価な汎用型高性能計測器技術】

2月1日、産業技術総合研究所の研究グループは、超伝導検出器に1本の読出線上に従来の5倍とな
る1000画素以上の信号を載せ、高性能計測器の小型化・低消費電力化・低廉化に向け、超伝導検出器
用の信号読出回路の開発に成功。これにより、 周波数変換の工夫で1本の読出配線上へ多重化でき
る信号数を増やし、大幅な多画素化を可能となることで、室温検出器を凌駕する性能で、分析電子顕
微鏡、光子顕微鏡、放射線分光器などへの応用の道が拓かれた。

超伝導検出器は、低周波磁界、ミリ波からX線・ガンマ線までの電磁波やエネルギー粒子を低雑音で
検出でき、室温動作の半導体検出器などを凌駕するので、脳磁計、心磁計、分析電子顕微鏡、天文観
測用受信器などで用いられているが、室温検出器に比べ、受光面積が2~3桁小さく、入射信号の検
出効率が2~3桁低い。このため少数の画素を走査しながらの撮像(イメージング)となり、一般に
室温検出器に比べて、測定時間が2桁程度長くなる。これらの問題を解決するには検出器の多画素化が
必要とされる。

しかし、高速信号をリアルタイムに読出せるように、極低温に置かれた多画素検出器と室温の信号処
理装置をつなぐ配線を増やし、これを並列接続し画素数を増やすと、配線経由の流入熱が増える(図
1:点線a)。このため極低温冷凍機の強化(大型化または多数化)が必要となり、検出器システム
の大型化により、消費電力が増加し、価格も上昇。さらに、極低温下で、複数の画素信号を画素ごと
に異なる周波数に変換して多重化して配線数を減らす超伝導周波数多重読出回路も研究されてきたが
従来技術では、1本あたり1000以上の多画素化は困難であった。

超伝導検出器も1000画素集められれば、市販半導体検出器と同等の受光面積が可能となり、同一測定
時間での比較で、遥かに優れた分光性能が実現できる。これにより、例えば、材料評価用の分析器の
革新的目標である、高い物質同定能力と高いスループット(単位時間あたりのデータ処理能力)の両
立が期待されている。


図2(b)で模式的に示した新規多重読出回路の具体的構成を図3に示す。この読出回路は、図の中央に
四角型点線で囲んだ極低温回路と、その外側の複数(N個)の室温処理装置から成る。室温処理装置
に設置されたN個の任意波形発生器群で、それぞれM個の異なる種類の低周波信号を発生させ、各信号
を周波数上方変換器群でマイクロ波に変換する。さらに超伝導検出器に接続された超伝導多重化チッ
プ内で、このN×M個の種類のマイクロ波信号の振幅と周波数を、各画素からの信号の大きさに基づい
変調させる。この2段階の多重化により、全画素からの信号をすべて異なる周波数のマイクロ波信
に変換できるので、1本の配線を通してマイクロ波信号を 極低温回路に導入するとともに、1本
読出線で全信号を室温側に取り出すことができる。

取り出された信号は、室温処理装置群の周波数下方変換器群とAD変換器群で低周波のデジタル信号に
変換され、パソコンに取り込まれる。この方式で当初問題となった室温処理装置間の信号の干渉は周
波数特性を選んだフィルタ群を用いることで防止できた。その結果、低周波-マイクロ波間の周波数変
換での、隣接する基準周波数の間隔を減少させ、1本の読出線上に多重化する画素数を増大できるこ
とを、世界で初めて明らかにした。さらに、この方式の試作として、1台の極低温冷却装置に実装さ
れた極低温回路、2台の室温信号処理装置、これらの間を接続する配線から成る、最も基本的な試験
装置を製作し、正常動作することを確認するとともに、読出回路として重要な、雑音や画素間クロス
トークの少なさが従来法に劣らないことを実証する。またひとつ世界初の成果が発信されることとな
った。何とも頼もしい限りではないか。面白い。



● 今夜の寸評:コインチェックの「NEM」不正流出問題

仮想通貨取引所大手コインチェックによる、約580億円相当の仮想通貨「NEM」の不正流出から1週間
が経過、本日金融庁によるコインチェックへの立ち入り調査が開始された。かって新自由主義のグロ
ーバリズムをわたし(たち)は英米流金融資本主義の社会行動形態として捉え動向を注視、今回は、
日本流金融資本主義的な仮想通貨の社会行動形態とし捉え動向を注視している。"弱肉強食"的側面を
排除できれば大きく成長できるのではと考えている。

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