極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ようこそ! ”どこでも未来ブログ" へ ⑫

2021年10月27日 | デジタル革命渦論



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「
こにゃん





【ポストエネルギー革命序論 358: アフターコロナ時代 168 】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
環境リスク本位制時代を切り拓く
環境リスク本位制時代を切り開く



source  日刊工業新聞 2020.12.22

エネルギー銀河の誕生間近
世界初!全再エネ由来水素製造貯蔵発電利用システム事業


source 清水建設

建築関連のCO2排出量は、日本の約40%
を占め、そのうち80%%近くは、
建物運用時のエネルギー消費(エアコンなどの空調設備、エレベータ
ー、照明、機器電力)が占めており、CO2排出を大幅に削減することが
求められています。第5次エネルギー基本計画(2018年7月策定)でも
ZEB実現を目指すとする政策目標が掲げられている。その実現のために、
大幅な省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入、さらには再
生可能エネルギーから作ったCO2フリー水素の活用が求められている。
今夜は、水電解された水素を吸蔵貯蔵・放出する最新プロ説技術の考
察----特に「安全に」「コンパクトに」から考察を行う。

□ 大量の水素をどのように貯蔵するか
気体のままで貯蔵するには大容量のタンクが必要で、当然、貯蔵スペ
ースも大きくなります。また、水素は爆発の危険性をはらんでおり、
例えばビル内の閉鎖された空間で高圧の水素が漏れ出して火が着くよ
うなことがあれば、甚大な被害が予想される。この課題を解決する鍵
となったのが、産業技術総合研究所が研究を進めていた水素吸蔵合金。
水素吸蔵合金は、体積当たりのエネルギー密度が高く(最大で体積の
1,000倍の水素を吸蔵)、少ないスペースで大量の水素を貯蔵すること
が可能。安全性については、水素吸蔵合金の配合を工夫しクリア----
水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出により、水素脆化現象を起こし、
着火しやすくなってしまう。理想的な配合を探り、水素の吸蔵・放出
性能を確保しつつも、粒子が細かくならず、着火しない合金をつくる
ことに成功する。


図1 ②が水素吸蔵前、①が水素吸蔵・放出を繰り返した後の水素吸
蔵合金。新たに開発した水素吸蔵合金(青いテープ)は、吸蔵・放出
を繰り返した後も粒子が細かくならないのが特徴。着火しないため、
消防法に定める危険物にも該当しない


図3.自然放電する蓄電池と違い、水素吸蔵合金は水素を半永久的
に保存可能。季節をまたいで活用できる。

理想的な水素吸蔵合金の開発に成功した清水建設は、2017年6月からい
よいよ実証実験を開始し。約10ヵ月に及んだこの実験では、実際の建
物の電力・熱需要データに基づき、スマートBEMSが太陽光発電や建物
の状況を勘案しながら、水素の製造、貯蔵、放出などを監視・制御。
具体的には、春や秋につくった余剰電力を水素に変えて貯蔵し夏や冬
の空調に活用するなど、効率的なエネルギー制御技術の確立を目指し
た。尚、マートBEMS…シミズが開発した建物のエネルギー制御システ
ム。分散型電源や各種建物設備機器を統合的に最適制御することで、
快適かつ効率的に省エネを実現できる。燃料電池は、水素を用いて発
電する際に熱も発生します。そのため、ホテルや病院といった大量の
給湯が必要な建物とは、特に相性が良いシステムだということがわか
った。
水素吸蔵金の性能試験では1,000サイクルほどの吸蔵・放出を繰り返し
ましたが、劣化はわずか水素吸蔵合金の数パーセント。通常の運用サ
イクルであれば、10年は問題なく運用できそうだと、耐久性の面でも
開発担当者は自信を覗かせる。
尚、調査前に最新国内特許事例を「安全」「コンパクト」を検索する
と、予想通り、潜水艦事案2件ヒットして驚いたが、まぁ、そんなも
のでしょう(蛇足)。また、上記レポートには「水素透過剛健幕」に
も記載されているので見落としなきように。

 特開2021-23028 電力供給システムおよび水素利用システム
【概要】

太陽光発電の大量の設備認定量に伴い、それらが全て稼動した場合、
電力需要の小さい軽負荷期に太陽光発電の供給電力量が需要電力量を
上回る懸念が出てきたため、指定電気事業者において「無制限・無補
償の出力抑制」を条件として系統接続を行うこととなった。今後、さ
らなる太陽光発電による系統接続への出力量の増加に伴い、電力需給
調整を目的とした出力抑制実施は現実のものとなりつつある。このよ
うな社会背景から、出力抑制に伴う余剰電力の発生量、頻度ともに増
加が予想され、再生可能エネルギーの余剰電力を利用して一旦、水素
を製造し、例えば電力需要が増加した際に必要に応じて貯蔵しておい
た水素を再度、エネルギーとして電力に変換して街区で活用する技術
が注目されている。建物に附帯した水素利用システムは、建物に設置
される太陽光発電などの再生可能エネルギーの余剰電力を効率的に利
用して水素製造し、例えば、難燃性の水素吸蔵合金を用いたタンク等
で安全かつコンパクトに貯蔵し、必要に応じて燃料電池コージェネレ
ーションにより電力ならびに熱に変換し、蓄電池や蓄熱システム及び
その他建築設備と組み合わせて効率的なエネルギーマネジメントを実
施する。その結果、ZEB(Zero Energy Building)実現の重要な
手段になると共に事業継続計画(Business Continuity Plan:BC
P)の向上が期待できる。 また、特開2003-68335においては、水素供
給源から供給される水素を水素吸蔵合金に貯蔵して、再利用すること
が開示されている。特開2003-68335に示されるように、水素供給源か
ら供給される水素を水素吸蔵合金に貯蔵して、再利用する場合、水素吸
蔵合金から水素を取り出し、燃料電池で水素から発電を行う。しかし
ながら、水素吸蔵合金に貯蔵された水素を取り出すための条件の一つ
に、一定以上の環境温度がある。寒冷地で水素利用システムを稼働さ
せる場合、または温暖地でも冬季或いは中間期の朝などの場合におい
ては、環境温度が10℃程度を下回る。このような環境温度では、シ
ステムを起動する際に、吸蔵合金タンクに貯蔵された水素を放出する
ことが難しい。水素を放出可能な温度まで水素吸蔵合金を加温するた
めに、加温用の専用熱源を設けようとすると、その熱源の稼動のため
に新たにエネルギーを消費することになり、水素利用システムの全体
エネルギーの効率が低下してしまう。そこで、特許文献1では、水素
吸蔵合金が水素を吸蔵する際の発生熱と燃料電池の運転に伴う発生熱
とを利用して水素吸蔵合金を加温することで、水素利用システムの全
体エネルギーの効率の低下を抑制している。しかしながら、特開2003-
68335の技術よりも水素利用システムの全体エネルギーの効率の低下を
抑制することが望ましい。 上述の課題を鑑み、本発明の目的は、シス
テムの全体エネルギーの効率を低下させることなく、低温の環境下で
も水素吸蔵合金に蓄積された水素を利用できるようにした電力供給シ
ステムおよび水素利用システムを提供することにある。
図1のごとく、再生可能エネルギーの余剰電力を蓄電し、蓄電した蓄
電量を用いて放電電力として出力する蓄電池と、前記余剰電力および
前記放電電力を用いて水素を製造する水素製造装置と、水素製造装置
によって製造された水素を貯蔵する吸蔵合金タンクと、吸蔵合金タン
クの水素を利用して発電し、発電した発電電力を需要家負荷に供給す
る燃料電池と、水素吸蔵合金による水素の吸蔵時に発生する熱と、水
素製造装置による水素の製造時に発生する熱と、燃料電池による発電
時に発生する熱とを利用して、吸蔵合金タンクを加温する制御を行う
制御装置と、を備えることで、システムの全体エネルギーの効率を低
下させることなく、低温の環境下でも水素吸蔵合金に蓄積された水素
を利用できるようにする。

図1 電力供給システムの設備構成とエネルギーフロー図
【効果】
熱を回収して水素吸蔵合金を加温することで、全体エネルギー効率を
低下させずに、低温の環境下でも吸蔵合金タンクから水素を取り出す
ことができる。
【実施形態】
図1は、電力供給システム100の設備構成とエネルギーフローを示
す図である。図1においては、第一ラインが太陽光発電の発電電力を
建物50に直接供給するルート、第二ラインが余剰電力を一旦、蓄電
池1に貯めて必要に応じた電力を建物50に供給するルート、第三ラ
インが余剰電力で水素を製造して一旦吸蔵合金タンク3に貯蔵し、再
度電気に変換して建物50に供給するルートを示している。図1にお
いて、PV(PhotoVoltaics;太陽光発電)30は、再生可能エネル
ギーを需要家負荷である建物50に供給する再生可能エネルギー電源
であり、再生可能エネルギーのうちの余剰電力を第2ラインにおける
蓄電池1、第3ラインにおける直流電源5に対してPCS(Power
Conditioning System;パワーコンディショナー)31を介して出力
する。なお、本実施形態において、再生可能エネルギー電源としてP
V30を用いているが、再生可能エネルギー電源として風力発電等を
用いて再生可能エネルギーを発生させてもよい。


図2 電力供給システムのBEMSの構成図
【符号の説明】
1…蓄電池、2…水素製造装置、3…吸蔵合金タンク、4…燃料電池、
5…直流電源、10…制御装置、11…判断・予測部、12…制御部、
13…データベース、14…システム起動制御部、20…系統電力、
30…PV,31…PCS、50…建物、100…電力供給システム

水素製造装置2は、PV30が出力する余剰電力(蓄電池充電電力P
3、水素製造電力P4)のうち、蓄電池充電電力P3に対応する蓄電
池放電電力P3”と水素製造電力P4とを直流電源5で受電し、その
受電した電力を用いて水素を製造する。そして、水素製造装置2は、
製造した水素を吸蔵合金タンク3へ供給する。なお、水素製造装置2
は、製造した水素を燃料電池4へ供給してもよい。本実施形態では、
水素製造装置2は、吸蔵合金タンク3と燃料電池4へ水素を供給する。

吸蔵合金タンク3は、水素貯蔵媒体として水素吸蔵合金を用いており、
水素製造装置2によって製造された水素を、水素吸蔵合金に吸蔵させ
ることで貯蔵する。なお、本実施形態では、吸蔵合金タンク3は、環
境温度が低い場合に、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させ、そのとき発生
する化学反応熱により、吸蔵合金タンク3を加温する。吸蔵合金タン
ク3は、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるときに発生する化学反応熱
を回収する熱回収部と、この化学反応熱により水素放出可能な温度ま
で水素吸蔵合金を加温する加温部を有している。 

なお、熱回収部は、水素の製造時に発生する熱と燃料電池4による発
電時に発生する熱も回収してもよい。本実施形態では、熱回収部は、
水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる時に発生する化学反応熱と、水素の
製造時に発生する熱と、燃料電池4による発電時に発生する熱とを回
収し、回収した熱を加温部へ供給する。熱回収部から熱を供給された
加温部は、供給された水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるときに発生す
る化学反応熱と、水素の製造時に発生する熱と、燃料電池4による発
電時に発生する熱とを利用して水素吸蔵合金を加温する。このように、
本実施形態の加温部は、水素の製造時に発生する熱を利用して水素吸
蔵合金を加温する。かかる構成により、加温部は、水素吸蔵合金に水
素を吸蔵させる時に発生する化学反応熱のみを利用する場合と比較し、
全体エネルギー効率を低下させずに水素吸蔵合金を加温することがで
きる。  

これにより、単位時間あたりに水素吸蔵合金の加温に利用される熱量
が増加するため、加温部は、水素放出可能な温度まで水素吸蔵合金を
加温する時間を削減することができる。
なお、吸蔵合金タンク3による水素の放出前に、燃料電池4の発電に
用いられる水素は、水素製造装置2から供給される水素である。その
ため、吸蔵合金タンク3による水素の放出前に熱回収部が燃料電池4
から回収する熱は、燃料電池4が水素製造装置2から供給された水素
を用いて発電した際に発生する熱である。吸蔵合金タンク3による水
素の放出後、熱回収部は、燃料電池4が吸蔵合金タンク3から供給さ
れた水素を用いて発電した際に発生する熱も回収し、加温部へ供給し
てもよい。かかる構成により、吸蔵合金タンク3による水素の放出後
の加温部は、吸蔵合金タンク3による水素の放出前よりも水素吸蔵合
金の加温を効率的に継続することができる。
燃料電池4は、吸蔵合金タンク3が放出する水素を利用して発電し、
発電した電力(燃料電池発電力P4”)を建物50に供給する。なお、
図1はエネルギーの流れを示したものであり、設備構成のつながりと
必ずしも一致している訳ではない。

ここで、エネルギー変換を伴う第二、第三ラインを経由すると、エネ
ルギー利用効率が低下する。しかしながら、第二ラインを経由させる
再生可能エネルギーは、短期蓄電が可能である。第三ラインを経由さ
せる再生可能エネルギーは、電力を水素の形で貯蔵しておくことで、
必要なときに再利用できる。電力供給システム100では、システム
制御の要として、スマートBEMS(Building Energy Management
System)10により、時々刻々変化する再生可能エネルギーの価値を
判断して、需要と供給のバランスを見てエネルギー変換の按分(比例
配分)を適切に決定し、各設備の連携制御を行っている。 

図2は、図1における電力供給システム100のBEMS10(以下、
制御装置10ということもある)の構成を示す図である。電力供給シ
ステム100では、図2に示す再生可能エネルギーの余剰電力を利用
した水素製造/利用の制御を含む制御機能を具備した制御装置10を
導入することにより、建物のZEB化を実現する。
図2に示す制御装置10は、判断・予測部11、制御部12、データ
ベース13、およびシステム起動制御部14を含んで構成される。
図1に示す電力会社が有する系統電力20からの買電電力P1を、図
2においては、買電電力Pgridで示している。また、図1に示す蓄電
池充電電力P3、蓄電池放電電力P3”を、図2においては、それぞ
れ放電電力Pdischarge、充電電力Pchargeで示している。また、図1
に示すPV30の出力電力をPCS31により電力を変換した変換後
の電力を、図2においては、太陽光発電電力Spvで示している。制御
装置10における判断・予測部11は、建物50(需要家負荷)の実
際の電力需要量のモニタリングを行い、買電電力Pgridおよび太陽光
発電電力Spvに基づいて、図1に示す太陽光発電直接利用電力P2を
第1ラインに流すか否か、或いは余剰分の電力(余剰電力)を、蓄電
池1の蓄電池充電電力P3として蓄電池1に供給するか否か、水素製
造電力P4として直流電源5を介して水素製造装置2に供給するか否
かの判断を行っている。

また、判断・予測部11は、気象情報から、太陽光発電出力予測Ppv
(再生可能エネルギーの予測)と建物50の電力需要予測Pload(需
要家負荷に供給する電力需要予測)の予測を行っている。制御装置10
における制御部12は、各時刻における、蓄電池1の電力(放電電力
Pdischarge、充電電力Pcharge、蓄電量Pe-storage)を制御し、水
素製造装置2の水素製造装置消費電力Pelyを制御し、燃料電池4の燃
料電池電力Pfcを制御する。また、制御部12は、各時刻における、
水素製造装置2の水素製造量H-product、吸蔵合金タンク3の水素貯
量H-storage、燃料電池4の水素消費量H-consumptionを制御する。

制御装置10におけるデータベース13は、各設備(蓄電池1、水素
製造装置2、吸蔵合金タンク3、燃料電池4)のエネルギー変換に伴
う出力効率の実績データを内蔵している。制御装置10におけるシス
テム起動制御部14は、気象情報から、水素利用システム起動時の環
境温度が所定温度以下か否かを判定し、環境温度が所定温度以下でシ
ステムを起動するときには、吸蔵合金タンク3の環境温度が水素放出
が可能な所定の温度になるまで、吸蔵合金タンク3の加温処理を行う。

このように、本実施形態に係る電力供給システム100では、システ
ム起動制御部14により、吸蔵合金タンク3の環境温度が水素放出が
可能な所定の温度になるまで、吸蔵合金タンク3の加温処理を行って
いる。このため、気温が例えば10度程度を下回る時期でも、システ
ムを起動して、吸蔵合金タンク3から水素を取り出すことができる。
このことについて、以下に説明する。

水素ガスをコンパクトかつ安全に貯蔵する吸蔵合金タンクの吸蔵/放
出特性は、合金内の水素貯蔵量とガス平衡圧の関係を示すPCT線図
によって表される。図3は、水素吸蔵合金の水素貯蔵量とガス平衡圧
の関係を示すPCT線図の一例である。図3において、横軸は水素吸
蔵合金の水素貯蔵量を示し、縦軸は水素ガス圧力を示す。図3において、
曲線A1は、水素吸蔵合金が温度A度の場合の特性を示し、曲線A2
は、それより高い温度(A+α)度の場合の特性を模式的に示してい
る。ここで、水素供給系の定常圧力をBとする。図3は、水素吸蔵合
金の温度がA度における点Q1の状態では、水素は放出されないが、
合金の温度を(A+α)度に加温して点Q2の状態にすれば、水素は
放出されることを示している。寒冷地で水素利用システムを稼働させ
る場合、または温暖地でも冬季或いは中間期の朝などの場合において
は、環境温度が10℃程度を下回る。このような時期には、システム
起動時に、吸蔵合金タンク3に収納された合金から水素を放出するの
が難しい。

図3 水素吸蔵合金の水素貯蔵量とガス平衡圧の関係を示すPCT線図

そこで、本実施形態では、環境温度が所定温度以下(例えば10℃以
下)でシステムを起動するときには、吸蔵合金タンク3を加温して、
吸蔵合金タンク3から水素を放出しやすいように制御している。ここ
で、ヒーター等を使用して吸蔵合金タンク3を加温すると、ヒーター
稼働に別途エネルギーを消費することになり、システムの全体エネル
ギー効率を低下させる原因となる。そこで、本実施形態では、水素吸
蔵合金が水素を吸蔵する際の化学反応によって発生する反応熱と、水
素製造装置2による水素の製造時に発生する熱と、燃料電池4による
発電時に発生する熱とを利用して、吸蔵合金タンク3の温度を加温す
ることにより、全体エネルギー効率を低下させないようにしている。

図4は、水素吸蔵合金が水素を吸蔵/放出する化学式である。図4に
示す式から、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際には、熱が生じる。本
実施形態では、システム起動時に環境温度が所定温度以下の場合には、
水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際の化学反応によって発生する反応熱
を利用して、吸蔵合金タンク3を加温する。

図5は、本実施形態における熱マネージメントの説明図である。図5
に示すように、水素製造装置2、吸蔵合金タンク3、燃料電池4、建
物50との間は、熱供給路51が設けられている。


図6は、本実施形態における熱マネージメントの処理を示すフローチ
ャートである。
(ステップS1)システム起動制御部14は、システム起動時の温度
が所定温度以下になると予想されるときには、事前に蓄電池1に再生
可能エネルギーを貯蔵しておく。

(ステップS2)システム起動制御部14は、システム起動時に、蓄
電池1からの放電電力を水素製造装置2に送り、水素製造装置2を駆
動して、水素を製造させる。
(ステップS3)システム起動制御部14は、水素製造装置2で製造
された水素を吸蔵合金タンク3に搬送させ、吸蔵合金タンク3で水素
吸蔵合金に吸着させる。このとき、水素を水素吸蔵合金に吸着させる
ときの反応熱により、水素吸蔵合金の温度は上昇していく。また、シ
ステム起動制御部14は、水素製造装置2で製造された水素を燃料電
池4へ供給させ、燃料電池4に水素製造装置2が製造した水素を用い
た発電を行わせる。
(ステップS4)システム起動制御部14は、水素製造装置2が水素
を製造する際に発生する熱と、燃料電池4が水素製造装置2から供給
された水素を用いて発電する際に発生する熱を、熱供給路51を介して
吸蔵合金タンク3に回収させる。
(ステップS5)
システム起動制御部14は、回収した熱を利用して、吸蔵合金タンク
3に水素吸蔵合金を加温させる。
(ステップS6)システム起動制御部14は、水素吸蔵合金の温度が
水素放出が可能な所定の温度以上に上昇したか否かを判定する。そし
て、システム起動制御部14は、水素吸蔵合金の温度が水素放出が可
能な所定の温度以上に上昇していなければ
(ステップS6:No)、処理をステップS2に戻し、水素吸蔵合金
の温度が水素放出が可能な所定の温度まで上昇するまで、水素を水素
吸蔵合金に吸着させる処理を継続させる。
(ステップS7)水素吸蔵合金の温度が水素放出が可能な所定の温度
以上に上昇したら(ステップS6:Yes)、システム起動制御部
14は、水素製造装置2で水素を製造させる処理を停止させた後、吸
蔵合金タンク3より水素を放出させ、燃料電池4に供給する。
(ステップS8)吸蔵合金タンク3より水素を燃料電池4に供給する
と燃料電池4は発電する。この燃料電池4の発電電力は建物50に供
給することができる。また、燃料電池4の発電により、燃料電池4か
ら熱が発生する。この燃料電池4で発生した熱は吸蔵合金タンク3に
送られ、燃料電池4から送られる熱により、水素吸蔵合金の温度が水
素放出が可能な所定の温度以上に維持される。

以上説明したように、本実施形態に係る電力供給システム100は、
水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際の化学反応によって発生する反応熱と、
水素製造装置2による水素の製造時に発生する熱と、燃料電池4によ
る発電時に発生する熱とを回収し、回収した熱を利用して水素吸蔵合
金を加温する。これにより、電力供給システム100は、全体エネル
ギー効率を低下させずに、低温の環境下でも吸蔵合金タンク3から水
素を取り出すことができる。
また、本実施形態に係る電力供給システム100では、複数の熱源か
ら回収した熱が水素吸蔵合金の加温に用いられることで単位時間あた
りに水素吸蔵合金の加温に利用される熱量が増加する。これにより、
電力供給システム100は、水素放出可能な温度まで水素吸蔵合金を
加温する時間を削減することができる。
 
また、本実施形態に係る電力供給システム100は、燃料電池4で発
電時に生成された熱の一部を熱供給路51を介して吸蔵合金タンク3
に送り、吸蔵合金タンク3の水素吸蔵合金を加温することで、水素吸
蔵合金の温度を水素放出が可能な所定の温度以上に維持できる。
また、本実施形態に係る電力供給システム100では、水素を放出可
能な温度まで水素吸蔵合金を加温するために、加温用の専用熱源を設
ける必要がないため、加温用の専用熱源の稼動のために新たにエネル
ギーを消費することがなくなり、水素利用システムの全体エネルギー
の効率の低下を抑制しつつ、水素吸蔵合金を加温することができる。
上述した実施形態における制御装置10をコンピュータで実現するよ
うにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムを
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記
録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する
ことによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシス
テム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。ま
た、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルデ
ィスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コン
ピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを
いう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インタ
ーネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラ
ムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラム
を保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュー
タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持
しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能
の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能を
コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合
わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable
Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現され
るものであってもよい。

 特開2021-138989 水素吸蔵合金、水素吸蔵方法、水素放出方法
【概要】

水素圧が0.1MPa(abs)以上1.1MPa(abs)以下の
圧力範囲内にて、有効水素貯蔵量を高めることができる水素吸蔵合金
並びにそれを用いた水素吸蔵方法および水素放出方法を提供する。
解決手段 ➲温度40℃以下、水素圧1.1MPa(abs)以下で水
素吸蔵し、かつ温度50℃以上、水素圧0.1MPa(abs)以上
1.1MPa(abs)以下で水素放出する水素吸蔵合金であって、一
般式TiFexMnyNbz(0.761≦x≦0.837、
0.101≦y≦0.205、0.008≦z≦0.091)で表さ
れる組成を有する水素吸蔵合金。

実施例1の水素吸蔵合金のPCT特性(水素吸蔵および放出特性)図

【特許請求の範囲】
【請求項1】  温度40℃以下、水素圧1.1MPa(abs)以下で
水素吸蔵し、かつ温度50℃以上、水素圧0.1MPa(abs)以
上1.1MPa(abs)以下で水素放出する水素吸蔵合金であって、
  一般式TiFeMnNb(0.761≦x≦0.837、
0.101≦y≦0.205、0.008≦z≦0.091)で表さ
れる組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金
【請求項2】 前記一般式TiFeMnNbにおいて、0.779
≦x≦0.828、0.159≦y≦0.205、0.008≦z≦
0.037であることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金
【請求項3】請求項1または2に記載の水素吸蔵合金を用いて、温度
40℃以下、水素圧1.1MPa(abs)以下で水素吸蔵することを
特徴とする水素吸蔵方法。
【請求項4】請求項1または2に記載の水素吸蔵合金を用いて、温度
50℃以上、水素圧0.1MPa(abs)以上1.1MPa(abs)
以下で水素放出することを特徴とする水素放出方法。




【ウイルス解体新書 84】
⛨ 最新新型コロナウイルス




第1章 ウイルス現象学
第8節 感染リスク
8-2-1 脳損傷
8-2-1-1 新型肺炎と脳の関係



8-2-1-2 新型コロナが脳の血管を詰まらせ脳ダメージ
これまでにも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は脳に影響を与え
ることを示唆する研究結果が公表されてきたが、フランス・スペイン・
ドイツの共同研究チームは新たに「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
は脳の内皮細胞にダメージを与える」という研究結果を発表する。
COVID-19により死亡した患者の脳組織には損傷が確認されるケースが
あると判明しているほか、COVID-19から回復した一部の元患者は「回
復後も認知症のような症状が続いている」と報告されていることから、
SARS-CoV-2は何らかの形で脳に影響を与える可能性があるとされてい
る。SARS-CoV-2と脳の関係について、同共同研究チームは新たにCOVID-
19により亡くなった献体の脳をMRIスキャンで調査。比較対象の献体に
比べ、死んだ毛細血管、いわゆる「ひも状血管(string vessels)」が
有意に多くなっていることを突き止め、続いて、実験用のハムスター
にSARS-CoV-2を感染させ、感染4日後に紐状血管の量が増加することを
突き止める。また、続く実験ではSARS-CoV-2が 脳の内皮細胞に直接感
染することでプロテアーゼが発現し、免疫反応において重要な役割を
担うタンパク質のNF-κB essential modulator(NEMO)を切断する可能
性が示唆された。
--------------------------------------------------------------

図1:SARS-CoV-2感染は、脳内の糸状血管の増加に関連している。
a–c、SARS-CoV-2に感染した患者の脳では、前頭葉でストリング血管
(矢じり)としても知られる空の基底膜チューブが増加した。切片は、
基底膜マーカーであるコラーゲンIV(coll IV)および内皮マーカーで
あるCD34について染色された。 aとbの代表的な画像は、cのデータセ
ットから取得されました。 a、スケールバー、50μm。 b、これらが毛
細血管の部分的なセクションであることを除外するための直交ビュー
を備えたストリング容器のzスタックの拡大された最大投影。スケール
バー、3μm。 c、画像ボリュームあたりのストリング血管の定量化。
N = 23人の対照患者、 N = 17人のCOVID-19人の患者。 d、免疫染色に
より、SARS-CoV-2感染患者(N = 6)の 皮質切片では、対照(N = 6)
よりも多くの活性カスパーゼ-3陽性血管が明らかになった。 代表的な
画像と定量化が示されている。スケールバー、20 µm。 e、f、 SARS-
CoV-2に感染したハムスターは、coll IV と内皮マーカーであるカベオ
リン-1の共染色によって示されるように、ストリング血管の数が増加
した。 e、SARS-CoV-2による感染後(p.i.)のハムスターの皮質にお
けるcollIVおよびカベオリン-1および感染していないハムスターの代
表的な画像。スケールバー、50 µm。 f、SARS-CoV-2に感染したハムス
ターの4、7、24 dp.iでの総血管長のパーセンテージとしてのストリン
グ血管長の定量化。感染していない対照群(グループあたりN = 4ハム
スター)。 g、h、SARS-CoV-2に感染したK18-hACE2マウスは、coll IV
とカベオリン-1の共染色によって示されるように、糸状血管の増加を
示しました。 g、SARS-CoV-2に感染したK18-hACE2マウスの総血管長の
パーセンテージとしてのストリング血管長の定量化2 d p.i. (N = 3
マウス)および7 d p.i. (N = 3マウス)および感染していないコン
トロール(N = 5マウス)。 h、K18-hACE2マウスの皮質におけるcoll-
IVおよびカベオリン-1の代表的な画像7d p.i.および 感染していない
K18-hACE2動物の。スケールバー、50 µm。 * P <0.05、** P <0.01。
手段±s.e.m。示される。 Nは患者または動物の数を示しす。正確なテ
スト統計、側面性、および値に関する詳細情報は、補足表5に記載され
ている。
via nature Neuroscience (2021), Published: 21 October 2021,
https://doi.org/10.1038/s41593-021-00926-1,  Wenzel, J., Lampe,
J., Müller-Fielitz, H. et al.The SARS-CoV-2 main protease Mpro
causes microvascular brain pathology by cleaving NEMO in brain
endothelial cells,
--------------------------------------------------------------



今回の研究結果は、献体にみられた脳損傷がSARS-CoV-2によって引き
起こされたと断定できない点や、脳損傷の長期的な推移については調
査対象外だったことから、SARS-CoV-2が脳に与える影響を全て説明し
ているわけではないとするが
、研究チームは「この知見はCOVID-19の
急性期だけでなく長期的にも現れる神経学的症状や脳卒中やてんかん
発作のリスク増加に関する部分的な説明になる可能性がある」と述べ
ている。ハムスターを用いた今回の実験では、SARS-CoV-2の影響によ
ると考えられる紐状血管の増加は可逆的だったことから、研究チーム
は人間においても紐状血管の増加は可逆的な可能性があると主張。ま
た、SARS-CoV-2の感染を受けた内皮細胞の周辺で免疫系が作用するこ
とから、研究チームは「ワクチン接種で紐状血管の増加が防げると考
えられる」と述べる。
--------------------------------------------------------------
□ 関連記事|GIGAZINE
1.新型コロナウイルス感染症は脳にどのような影響を及ぼすのか?
  2021.08.11
2.新型コロナウイルス感染症は軽症でも脳に深刻な障害をもたらす
 という研究結果、 2021.07.10
3.新型コロナウイルス感染症で死亡した患者の脳組織で損傷が確認
 される, 2021.01.08
4.新型コロナウイルスが脳に侵入している可能性が高い、 2020,12,18
5.新型コロナウイルスが脳に侵入している可能性が高いという研究
 結果, 2020.12.18
6.新型コロナから回復した人の一部が経験する「認知症のような症
 状」の実態とは? 2020.10.14
.新型コロナウイルス感染症は軽症でも脳に深刻な障害をもたらす
 という研究結果 2020.07.10
8.新型コロナウイルス感染症は脳や神経系全体に影響を与えるとの
 主張, 2020.06.16
9.新型コロナウイルスが脳にまで影響を与えるという可能性, 2020.
 04.27
---------------------------------------------------------------
※ このパンデミックの実態(体)を知れば知るほど"やばい"こと
 に気付く。しばらく「後遺症問題」を調査する。

8-2-2   後遺症
8-2-2-1.嗅覚障害
8-2-2-2 後遺症の未来
8-2-2-3 新型コロナウイルス感染症の後遺症による認知能力
8-2-3   新型コロナウイルス感染症の重症化の特徴
8-2-3-1 「血液」に大きな問題
8-2-4   新型コロナウイルス感染症に長期間苦しむ人の特徴
8-2-4-1 角膜神経損傷
8-2-5   後遺症を抱える人の未来
8-2-5-1 長期間苦んだ患者の経験した症状

  風蕭々と碧い時代
曲名: 旅人のうた(1995年5月) 唄: 中島みゆき 
作詞&作曲: 中島みゆき 
歴代CDシングル売り上げ枚数ランキング:225位 
売上枚数: 103.6万枚



「旅人のうた」は、1995年5月19日に発売された中島みゆきの32作目
のシングル。
タイトル曲は日本テレビ系ドラマ『家なき子2』の主題
歌に起用された。オリコンシングルチャートにおいて、中島みゆき4
作目の1位獲得。また前作に引き続き、オリコンで3作目のミリオン
セラーとなる。
1996年に発表されたオリジナル・アルバム『パラダイ
ス・カフェ』には新たなバージョンで収録されている。シングル・バ
ージョンが前作「空と君のあいだに」を彷彿とさせるような、ギター
やドラムパートが力強いのに対し、アルバム版はギターは控えめに抑
え、ドラムパートも穏やかでバラード調。同曲のPVもアルバム・バー
ジョンが採用されている。
尚、ドラマのヒットを受けて1994年12月17日には劇場版が公開され、
家庭内暴力を受けている小学生の少女が、理不尽な環境の中でも困難
に負けずに生きていく様を描いた物語。当時12歳だった安達祐実の出
世作としても知られ、特に「同情するなら金をくれ!」という劇中の
台詞が新語・流行語大賞に選ばれるほどのブームとなる。
※個人的に1994~1995年は、デジタル革命に対応するための企業経営
方針への関与の行動を起こしており、「オーム教壇による地下鉄サリ
ンテロ事件」や「1.17阪神大震災」が起こり、緊迫した状況で多
忙を極めた記憶を残す。


source  NHK 2021.10.24


● 今夜の寸評:沸騰する欲望と対峙する知恵
今回は、より国際的な環境リスク対応と国内クリーン政策の同
時促進の政権を選択する重要な選挙である。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ようこそ! ”どこでも未来ブ... | トップ | ようこそ! ”どこでも未来ブ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

デジタル革命渦論」カテゴリの最新記事