極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

スマート発酵工学

2014年10月14日 | 新弥生時代

 

 

 

【オールバイオマスシステム完結論 Ⅰ】

今夜はスマート発酵工学(『玉葱の涙から目薬』)の話。
「オールソーラーシステム完結結論」シリーズを掲載しているが、「東ガスと東大、藻類バイオ燃料
を効率抽出-加熱処理、航空機向け」(日刊工業新聞 2014.10.13)のニュースが飛び込んでき読み込
んでいたが、簡単に言ってしまえば、太陽光を利用する意味(光合成)では、この間のノーベル物理
学賞の受賞した青色発光ダイオードではないが人工光も必要かもしれないのだから、オールソーラー
システムとして処理してもいいが、航空機用ケロシン(ジェット燃料)向けに2030年までの
実用化を
ゴールにしているというのなら、バイオマス発電を含めた「オールバイオマスシステム」の実用化を
前倒しの意味を込め、ソーラーと同様にシリーズ「完結結論」として掲載できるんじゃないかと考え
た。もっとも、NPDソーラーバズ社の調査報告(2014.10.13)によると、2018年までに、高い変換
効率シリコン系ソーラーパネルの急速な伸長が起きると予想(下図参照)していることだし、バイオ
マスも開発速度バランスから2030年から前倒する必要があるという動機もあった。



 

 

さて、東京ガスと東京大学は藻類からバイオマス燃料油を効率的に抽出する技術を確立。従来は藻類
をいったん乾燥させてから油分の炭化水素を取り出していた。これを低温の加熱処理に置き換えられ
ることを発見し、抽出に必要なエネルギー量を半減。さらに抽出残さを発酵させ、発生したメタンガ
スを燃料に熱電併給することでエネルギー効率を一層、高めることに成功したという。






新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究として13年度まで4年間の研究で
実証した。光合成によって石油に近い炭化水素を生成する微細藻類「ボツリオコッカス・ブラウニー
」を培養液中で濃縮し、加熱処理後、水分を含んだまま溶媒で抽出したところ、最大で9割以上の炭
化水素を回収できた。「従来は圧力釜のような中で200~300℃くらいまで熱するのに対し、
熱処理では90℃でも十分、油が取れる」(東大大学院の芋生憲司教授)ことを確認したという。単
位当たりの投入エネルギーは従来の8・1メガジュールから4・1メガジュールに半減。回収した炭
化水素の発熱量はいずれも14メガジュール台でほぼ同じ。また、抽出残さを微生物で発酵させる際
溶媒のヘキサンが残っていると微生物の働きを弱めてしまうため、ヘキサン濃度の上限を明確にした。
その上でメタン発酵の実証を行ったところ、エネルギー回収率で70%以上を達成。この結果、全体
エネルギー収支で5・3以上エネルギー回収率で0・7以上の当初目標を達成したという。

 

 

 

以上、駆け足で(いつものことながら)でこの成果と展望を俯瞰した。昨夜のマツダのディーゼルエ
ンジンの開
発ではないが、木質バイオマスペレットのガス化プロセスにも応用できそうだし(タール
生成の抑制=タールフリー)、多角的に技術改良を進めていけば、例えば、スマート発酵工学的な視
点から進めていけば、前倒しも結構いけるんじゃないかと
思えた。



● 天気予報で物流を変える初の試み



天気予報で物流を変える取組として「需要予測の精度向上による食品ロス削減及び省エネ物流プロジ
ェクト」を実施するという。日本気象協会が気象情報を核として高度な需要予測を行った上、食品メ
ーカー(製)、卸売事業者(配)、小売事業者(販)と需要予測の情報を共有し、食品ロスの削減と、
返品・返送、回収、廃棄、リサイクルなどで不要に発生している二酸化炭素の5%
削減を目指す試み。
製・配・販を気象情報でつなぎ、協業してムダを削減する事業は国内で初めての試みだという。これ
は面白そうだ。

 


● 360度見渡すことができる個人用潜水艇

世界にはいろんなことを考えるひとが多くて楽しいね。
 

 

 

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