極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

夢の通ひ路人目よくらむ

2018年03月31日 | 時事書評

 

     

                               

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるにはどう
すればよいか?

個々の能力よりも

激流が岩をも押し流すのは、流れに勢いがあるからである。猛禽が指物を一撃のもとにうち
砕くのは、凝集した力か一挙に放つからである。戦上手の戦いぶりも同様である。その勢
々の能力よりも
戦上手は、勝敗の要因を、勢いの作用に求めて兵士個々人の戦闘能力に求
い。つまり、個々の兵士よりもむしろ軍全休の勢いを重視するのである。勢いに乗れば、
兵は坂道を転がる丸太や石のよ
うに、とどめようのない力を発揮する。丸太や石は、平らな
場所では静止しているが、傾斜した場所では勁く。また、四角なものは動かな
いが、丸いも
のは転がる。丸い石を千但の谷に転がすように、兵を勢いに乗って戦わせる、これが戦
上手
の戦法である。

        
〈個々の兵士よりも・・・> 原文「択人面任勢」(人を択んで勢いに任ず)は、「特定の人材
をえらん
で、勢いをつける中心とする」とも解し得るが、ここでは「択」が「釈」の誤記で
はないかとす
る説に従い「人を釈てて」と解した。


勢いの力 「勢いの作用に求めて、兵士個々人の能力に求めない」(勢いに求めて人に責め
ず)と
いう考え方を、畜財に活用した説が『史記』に記載されている。すなわち、越王勾践
に仕え呉
をうちやぶった茫蠡(はんれい)が、のちに官を辞し、陶の地で商売を営み、成功
するのだが、そのもうけ方は「時に求めて人に責めず」(時流に乗ってもうけたのであって、
個々人からしぼりとったのではない)であったという(『史記』貨殖列伝)。



【下の句トレッキング:夢の通ひ路人目よくらむな】 


住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路 人目よくらむ   藤原敏行朝臣

住吉の海岸に打ち寄せる波の、そのよるという言葉ではありませんが、昼はもちろん、夜ま
でもどうして私は夢の中の恋の通い道で人目を避けるのでしょう。

A bit like the waves that pound the shores of Sumiyoshi, my mind is pervaded by thoughts
of love alone throughout the day, and even the night?why is it so? I am now so absorbed t
hat I avoid others.


藤原敏行朝臣 (ふじわらのとしゆきあそん)
生年不詳~901、陸奥出羽の按察使(あぜち=巡察官)富士麿の息子で、従四位上、右兵衛督(
まで昇進。書が上手く、「小野道風は空海と並ぶ書家と褒めた」という伝説が残っている。
妻はは在原業平の義理の妹。



朝から、車を走らせ彦根場内の桜の開花状況を確認。6~7分咲きというところ。先日は水
ケ浜のシャーレに出かけ、家の裏では八重椿(ツバキ アルバ・プレナ)が美しい。そこで
春を謳歌するトライアングルをテーマに写真をここにアップする。ところで彼女は、彦根城
の桜の木は何本か当ててごらんというので、「・・・・・・333本」と苦し紛れに応えると残念
でした1千2百本でしたと言うので、何だ、吉野の千本桜と々ではないか、そんなにあるの
かと驚きを洩らす。さて来月5~7日ごろが山場だ。

       

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.27        

 ● 寄稿 『エネルギーを考えることは、未来を考えること』   

                             米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センタ

脱原発を経営者が真剣に考える会が立ち上がったことは、日本にとって実に画期的だ。お手
盛りの御用マスメディアは、「日本の国際競争力を考えると、経営側は原発の早期
再開とい
う意見だ」と十把一からげで日本の経営者を語る。しかし、すべての経営者が
原発回帰を願
っているわけではない。むしろ、志の高い多くの経営者はこの種のテクノ
ロジーに人類が長
く依存することは難しいと考えているのだ。


原発自体の安全性に対する不安はもちろんだが、仮に安全に運転しえたとしても、原
発から
は絶えず使用済み核燃料(いわゆる核のゴミ)が排出される。この超有害物質の
最終処理の
方法はいまだに確立されていない。それが最大の問題なのだ。もし本気で、
半減期が2万4
000年もの超有害物質を出す技術を人類が完全にコントロールできる
と考えているのなら
ば、そちらの方がむしろ常軌を逸している。いまの人類の原型が出
現したのが2万5000
年前といわれるから、それとほぼ同じ時間を費やしてやっと半
減期を迎える物質を人間がコ
ントロールできるわけがない。
さらに、脱原発を決断したドイツのメルケル首相は、福島の原発事故報道に接して、「日
がコントロールできない技術を世界の他の国がコントロールできるわけがない」と語ったと
いう。褒められ過ぎのような気がするが、日本が扱えないならば世界ではかなり難しいと考
えるのが普通なのだ。

 米倉誠一郎教授

代替エネルギーの開発よりも省エネルギーを

そもそも電力エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本こそ、バブル期に膨張した
エネルギー多消費体質をいち早く改善しなければならなかった。しかし、
2011年の太地
震までわれわれは傲慢になっていた。日本がエネルギー多消費国家で
あっていいはずがない。
ただし、いま議論されているのはあまりに供給サイドの話が多
すぎる。効率的なエネルギー
供給やクリーン・エネルギーの開発はもちろん重要ではあ
るが、この数年間で太陽光をはじ
めとした自然手不ルギーを安価に供給する体制をつく
り上げるのは難しい。したがって、い
ま真剣に考えなければならないのは、エネルギー
を使わない技術の開発、すなわち需要サイ
ドのイノベーションなのだ。日本の原発依存
度約30パーセントを代替エネルギーでカバー
することではなく、そもそもその30パーセントの省子不ルギーを実現するという発想なの
である。

すでに世界の人口は70位人を超えて2050年には90値人を突破すると予測されている。そ
れだけの人口が現在の先進国と同程度の暮らしをしていくことは、だれが考えても不可能で
ある。ところが、現状の世界はこの実現不可能な生活水準を目指しているとしか思えない。
いずれ地球全体が深刻な子不ルギー不足に直面するのはほぼ確実だ。

日本がリードするエネルギー・イノベーション

ドイツや中国には豊富な石炭があり、米国には豊富な石炭・石油に加えてシェールガス革命
が起こっている。先進工業国のなかでも自前の資源が圧倒的に少ないのが日本だ。日本が長
期的には原発依存度をゼロにすることを前提に、需要サイドのイノベーションを真剣に奨励
すれば、それは日本のためだけではなく、人口爆発を抱える地球全体に対する偉大な貢献に
なることは間違いない。1970年に米国でマスキー法が制定され、自動車の排ガスが厳し
く規制されたとき、規制にもっとも真剣に対応したのが日本企業だった。多くの試行錯誤の
結果、日本の低公害技術や燃料効率が飛躍的に向上し、その後の国際競争力につながったの
である。それと同じことをいまこそエネルギー分野でも起こす勇気が必要だ。もちろん短期
的には苦しい時期が続きはするが、日本が脱原発・脱炭素社会に向けた子不ルギー・イノベ
ーションをりードすれば、それはそのまま新興国に輸出できる。日本の10分の1の物価水
準であるバングラデシュでも、ガソリンはリッター100円近くする。ということは、彼ら
は実質リッター1000円の生活をしていることになる。もし、日本がこれまでの30~50パ
ーセントの省エネを実現すれば、こうした新興国にとってはまさに最高のギフトことなる。



日本企業ならできるイノベーションの数々

忘れられがちなのは、優れた省エネルギー技術は新たな発電所を何十基建設するのと同じか、
あるいはそれ以上の効果がある事実だ。たとえば、コカコーラ・ジャパンは3・11以後の
電気の無駄遣いという批判を受けて、富士電機とともに自販機の省子不を進め、何と夏のピ
ーク時に95パーセントを削減した省エネ自販機を実現した。

2万5000台を設置予定だが、これは日本中に省エネ発電所(正確には節電所)が2万5
000台建設されるのと同様の効果をもつ。それだけの底力が日本企業には存在するのだ。
また、家庭内家電をすべてネットワーク化することで、電力需要のピークカットなどが可能
となる。冷蔵庫・エアコン・テレビなど単体では価格競争に陥りがちな製品も、高機能化と
ネットワーク化により日本企業が優位に立つことができる。一方、いままで見過ごされてき
た省子不ルギー分野の開発も進んでいる。ベネッセが瀬戸内海に浮かぶ犬島(岡山県)で運
営する犬島アートプロジェクト「精錬所」(美術館)では、地中熱を利用することで年間光
熱費ゼロを実現している。日本の帯域だと地下10メートルでは地中熱は17~18度に保たれ
ている。夏の18度はそのまま冷気として美術館内に循環し、冬は温室・蓄熱室を通じて暖気
として循環させる。こうした省エネ冷暖房は、クラウド化にともなって激増するサーバー管
理に応用できる。サーバー管理でもっとも重要なのが電源確保と温度管理だからだ。地熱利
用の冷暖房システムや日本の得意なセンサやコントローラーを利用した熱管理は、これから
世界で活用されるクラウド・コンピューティングにとって大きな福音となるだろう。

日本におけるこの種のイノベーションの可能性はまだまだたくさんある。新興国もエネルギ
利用の爆発的増加という危機を抱えている以上、遅かれ早かれ省エネルギーが欠かせなくな
る。日本が「ポスト3・11」の省エネルギー」を通して、「フクシマ後」のエネルギー利
用のプロトタイプを創造すれば、それはそのまま世界のグローバルスタンダードとなる。
原発がなくても経済はまわるどころか、原発をなくすことで日本はさらなる国際競争力を手
に入れることができるのだ

                                  この項つづく

 No.181

【バイオマス発電事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学Ⅰ】

一昨夜のつづきもあり、 「バイオマスバイナリー発電」の最新技術情報の調査。ところで、
3月22日、
川崎重工業(株)らは、高速負荷応答性を備えた30MW級高効率ガスタービンを
開発。それによると、
不安定な再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、工場、地域冷暖房な
どの分散型電源・熱源として利用されることの多い中小型ガスタービンについて、ローカル
グリッドからの要求として負荷応答性、また同時に発電効率を上げることが求められていた。
本件は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、川崎重工業株式会社は、
負荷応答性と発電効率を向上させるための技術を確立し、これらを適用した高速負荷応答性
を備えた30MW級高効率ガスタービンを開発。同クラスのガスタービンとしては世界最高水準
の負荷応答性と発電効率を有し、本開発成果を導入した100MW級コンバインドサイクル発
電プラント(CCPP)を2018年3月から販売開始。
今後、今回確立した技術を用いたガスタ
ービンやガスタービンコージェネレーションなど、システムの製品化に引き続き取り組む。
これにより、不安定な再生可能エネルギーとの連系による再生可能エネルギーの有効活用、
化石燃料使用量および二酸化炭素発生量の大幅な低減を実現することのこと。また、19日
には、石川播磨重工株式会社が100kW級バイナリー発電装置「HEAT INNOVATOR」を引渡
し完了したことが公表されている。そこで、今夜は、このブログは『花ぞ昔の香に匂ひける
』(Mar. 29, 2018)につづき、最新ガスタービン技術ではなく、バイオマス原料利用技術な
いしは発電技術に関する技術動向を下記のように確認を行なう。下記事例は、主に石川播磨
重工社関連の特許を記載。極めて大がかりなシステムとなっている。今夜の感想をひとこと
で言い表せないが、改良の余地はまだ残されている。これは残件扱いとする。

 

❑ 特開2018-035794  バイナリー発電システム

【概説】

従来のバイナリー発電システムは、蒸発器出口で作動媒体の温度/圧力を監視し、熱源増加
時合に、バイパス弁を開放か、ポンプ周波数を低
くし圧力上昇を抑制する。一方、熱源が減
少し、作動媒体の2相分離した時、ポンプを周波数を低くするか、または戻し弁を開き、作
動媒体の過熱状態にする。このような制御は、作動媒体の圧力上昇を抑制するという観点で
は一定の効果をもたらし得るが、、本来回収できるエネルギが回収されなくなり、トータル
効率の改善が生じる。このように、熱源に応じた効率的なエネルギ回収を可能とするバイナ
リー発電システムの提供に会って、下図1のようにバイナリー発電システム1が、作動媒体
の循環ラインL2,L3が通る蒸発器2および凝縮器4と、循環ラインL2,L3に接続
された複数の膨張発電機3A,3Bと、複数の膨張発電機3A,3Bの一部または全部に作
動媒体が導入されるように作動媒体の流路を切り替え可能な切替装置11,12と、作動媒
体の状態を検出するセンサ17,18と、センサ17,18によって検出される作動媒体の
状態に基づいて切替装置11,12を制御し、複数の膨張発電機3A,3Bの運転台数を変
更するコントローラ20と、を備えることで、熱源の状態に応じて、熱源のエネルギを無駄
なく効率的に回収することができる。


【符号の説明】1  バイナリー発電システム 1A  バイナリー発電システム 2  蒸発器
3A  第1膨張発電機 3B  第2膨張発電機 4  凝縮器 10  作動媒体ポンプ 11 
第1切替弁(切替装置) 
12  第2切替弁(切替装置) 16  温度センサ 17  第1
圧力センサ(センサ) 
18  第2圧力センサ(センサ) 20  コントローラ 21  第
1切替弁(切替装置) 
22  第2切替弁(切替装置) L1  温水ライン L2  第1循
環ライン(循環ライン) 
L3  第2循環ライン(循環ライン) L3a  第1膨張機排出
ライン 
L3b  稼働ライン L3c  バイパスライン L3d  凝縮器流入ライン L3e 
第1稼働ライン 
L3f  第2稼働ライン L3g  凝縮器流入ライン L4  冷却水ライン

 ❑ 特開 2018-048280  燃料バイオマスの製造方法、及び燃料バイオマス製造
   装置、並びにボイラ装置

【概説】

農業廃棄物由来や食品廃棄物由来などの有機廃棄物系の原料バイオマスから形成されたバイ
オマスは、アルカリ金属(Na、K等)やアルカリ土類金属(Ca等)を主成分とする灰分
と微生物とが多く含まれる。このようなバイオマスは、たとえ乾燥してペレット化したとし
ても、含まれる灰分の吸湿性により、保管中に空気中の水分を吸収し、バイオマスの燃焼時
の発熱量(カロリー)を低下させる。または、保管中に微生物による腐敗が生じ易い。そこ
で、バイオマス中に含まれる灰分や微生物を水洗/除去することが考えられるが、蒸気処理
により大量の水分を含む低密度のバイオマスを洗浄するには大量の水(バイオマスの重量の
例えば20倍~50倍程度)が必要であるとともに、洗浄後の排水が大量に発生する。 また、
一般に、単に水洗するのではなく、温水で洗浄する方が洗浄時間を短縮することが可能であ
が、バイオマスを温水洗いする場合には、大量の水を例えば80℃程度まで加熱するため、
温水を用意するための大量のエネルギ消費が生じかねない。さらに、水洗いや温水洗いを行
っても、バイオマス中の微生物の多くは除去できず、依然としてバイオマス中に残留する傾
向にある。このため、保管中のバイオマスの腐敗進行を抑制するのは困難である。

このように、下図4のように、原料バイオマス中のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成
分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率的に除去することができ、耐湿性及び耐腐
性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成することができる燃料バイオマスの
製造方法、及び燃料バイオマス製造装置、並びにこのような燃料バイオマスを用いることで
ボイラの運転コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現することができるボイ
ラ装置を提供にあって、燃料バイオマス製造方法は、原料バイオマスを密閉して間接的に加
熱し、原料バイオマスの含有水分で原料バイオマスを水蒸気爆砕して微粉化バイオマスを生
成する前処理工程(ステップS1~S4)と、微粉化バイオマスを水洗してスラリーバイオ
マスを生成するスラリー化工程(ステップS5~S9)と、スラリーバイオマスを濾過して
固体バイオマスを生成する濾過工程(ステップS10)とを含むことで、原料バイオマス中
のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率
的に除去し、耐湿性及び耐腐性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成でき、
また、このボイラ装置によれば、このような燃料バイオマスを用いることで、ボイラの運転
コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現できる。


【図4】制御ユニットが実行する燃料バイオマスの製造工程を説明したフローチャート

【図1】本発明の一実施形態に係るボイラ装置を示す構成図

【図2】本発明の一実施形態に係る燃料バイオマス製造装置を示す構成図

【符号の説明】1  ボイラ装置 2  石炭焚きボイラ(ボイラ) 21,23,24,26 
配管(流路) 22 
高圧タービン(蒸気タービン) 25  中・低圧タービン(蒸気ター
ビン
) 28  分岐配管(供給路) 29 
合流配管(返戻路) 30  燃料バイオマス製
造装置 31  爆砕機 
32  シェル(外部加熱手段、水蒸気流路)34  チューブ(容器)
50  スラリータンク 60  濾過機 70  乾燥機 80  造粒機 B  原料バイオマス



【図5】燃料バイオマス製造装置で製造した燃料バイオマスと他のバイオマスとを保管日数
の経過に伴う水素ガスの発生量により比較したグラフ

 ❑ 特開 2018-044732
流動層乾燥機及びこれを用いた流動層乾燥システム

【概説】

近年、無煙炭や瀝青炭といった高品位炭のほかに、安価な褐炭等の低品位炭を燃料として用
いる試みが進められているが、こうした低品位炭は、含水量が多いため、燃焼に先立って乾
燥させる必要がある。 褐炭等の乾燥には、流動層式の乾燥機が用いられることが一般的で
あり、この種の流動層乾燥機に関連する先行技術は、例えば、流動層乾燥機(流動層乾燥装
置)では、乾燥炉内に画成した乾燥室に褐炭を供給する一方、前記乾燥室の下部のチャンバ
室からガス分散板を介して水蒸気や窒素等の流動化ガスを導入して流動層を形成し、流動層
を加熱しつつ流動させるようになっている。流動層は、上流側の第1乾燥室から下流側の第
2乾燥室へ流動する過程で徐々に水分を除去されるが、乾燥炉は例えば上流から下流にかけ
て直線的な形状の流路を有する縦長の直方体状に形成されている。そして、こうした直線状
の流路を有する乾燥炉では、容積に対して表面積が大きいため、表面からの放熱により多量
の熱エネルギーが散逸し、乾燥の効率が低下してしまうという問題がある。また、通路の長
さがそのまま乾燥炉全体の長さに反映され、乾燥炉自体の寸法が大きくなってしまうほか、
放熱を抑える目的で乾燥炉の周囲に大量の断熱材を設置する必要もあり、装置全体が大型に
なってしまうという問題を抱える。

本件は、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る流動層乾燥機及びこ
れを用いた流動層乾燥システムを提供するにあたり、下図のように、平面視で渦巻状の通路
をなすよう区画された乾燥室3と、該乾燥室3に流動化ガスを送給する送風箱9と、乾燥室
3に被乾燥物Cを投入するための投入口5と、乾燥室3から被乾燥物Cを排出するための排
出口6を備えた乾燥炉2を備え、乾燥室3に投入された被乾燥物Cと、乾燥室3に送給され
る流動化ガスにより流動層を形成し、該流動層を乾燥室3により構成される渦巻状の通路に
沿って移動させながら被乾燥物Cの水分を除去するよう構成した、流動層乾燥機/流動層乾
燥システムで、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る優れた効果が
実現できる。

 【符号の説明】    1    流動層乾燥機  2    乾燥炉    3    乾燥室    3a  乾燥室(第一乾燥室)
3b  乾燥室(第二乾燥室)    3c  乾燥室(第三乾燥室)    5    投入口    6   排出口    8   床面
9    送風箱    9a  送風箱(第一の送風箱)    9b  送風箱(第二の送風箱)  12    伝熱管  14   
含水量センサ  15    制御装置    A    空気(第二の流動化ガス)    C    被乾燥物    F    流動層
 W    水蒸気(第一の流動化ガス、熱媒体)

※ その他関連特許事例

特開2018-048966  2018/03/29 タール成分の分析方法 株式会社IHI検査計測
特開2018-044037  2018/03/22 タール改質装置 株式会社IHI
特開2017-179072  2016/03/29 木質系バイオマスの炭化処理装置 日工株式会社
特開2018-007348  2018/01/11 電力温水生成システム 株式会社ファインテック
特開2017-132676  2017/08/03 水素供給システム 株式会社高橋製作所
特開2018-048037 2018/03/29 人工原料の製造方法、人工原料、及び粉体組成物 国立大学
法人 鹿児島大学

特開2018-024168  2018/02/15 木材チップ製造装置 株式会社 タガミ・イーエクス
特開2018-044720  2018/03/22 熱交換器 株式会社IHI 他
特開2018-031540  2018/03/01 熱交換器、排熱回収集塵システム、及び石炭焚きボイラシス
テム 株式会社IHI


 

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