極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

卵殻膜で増感

2012年04月11日 | デジタル革命渦論

 



【非常用携帯熱電変換器:パワーポット】

これは昨夜の続きの環境発電、エネルギー・ハーベスティング商品の1つ。熱電対を利用して発
電するポット。下からの炎の熱とポットに入れた水による温度差で発電することで、通常の電力
供給が絶たれても、炎さえあれば発電が可能となり、携帯電話などの設備に充電ができる。非常
用の電源としての利用も考えられている。出力電圧は5V、15Vの2サイズから選べるという。







【卵殻膜で増感太陽電池】

3月に京都府で開かれた、高校生を対象にした全国最大規模の化学研究の発表会で、米子高専の
卵の膜で太陽電池を長持ちさせる研究が最優秀賞に選ばれ、卵の膜を粉末状にして太陽電池の電
極に載せることで、電池の持続力を高める成果を発表。これによると、卵の膜で太陽電池が長持
ちする性質を発見し、昨年2月から開発を続けてきた。昨夏には通常より30倍持続力のある電
池の開発に成功し、その結果を「日本学生科学賞」で発表し膜の形や載せ方で発電量などにムラ
があり、再び試行錯誤を続けたところ、膜を粉末状にして電極にまぶすと、結果が安定し、電力
量も2.5倍になるという。勿論、ここでいう太陽電池とは色素増感型太陽電池のことで、卵殻
膜の色素吸着能力(バインダー)が大きいことによるものだろうが詳しいことは、ネット上の調
べではわからない。ただこのことから推測されることは、(1)アルブミンのような複雑な3次
元構造を持つた有機化合物の色素吸着能力の評価(2)光吸収機能(光閉じ込め効果)の寄与率
の測定(3)卵殻膜構成アミノ酸組成(シスチン15.8%)の特異性の評価とその評価測定(4)
励起増感構造の解明(5変換効率の再現性と耐久性の測定などの内部構造と電気特性の解明の残
件が山積しているようだ。また、これらの研究を通じ、色素増感系と有機薄膜(ヘテロ界面接合
)系との相違性の知見に深みをませば有機エレクトロニクス総体に影響をもたらす。

  

※「廃棄物に光を!! ~で作った改良型太陽電池~卵殻膜の色素吸着特性に関する研究」国立
 米子高専、物質工学科(4C清水香穂,4C鐘撞千秋,4C遠藤茉侑,4C洞田璃茉,5C清水章皓,S1
 山本耕平)



【バルクヘテロ接合型太陽電池の最新事情】



有機薄膜太陽電池は無機半導体と比べ、上図表のように特性を持つが、変換効率5%を超え、薄膜
の内部構造と電気特性の相関に関しては未だ詳細が明らかでない。例えば、p型半導体の P3HTの
結晶性に多大な影響を及ぼすことから、p型およびn型半導体の混合薄膜内部の構造と太陽電池特
性の相関度は大きと考えられている。このように陰極(金属電極側)では(1)電荷注入の接触
抵抗=低仕事関数金属(2)励起死の失活(3)電気二重層の課題が、また、陽極(透明導電膜
側)では、(1)同じく電荷注入(2)励起死の失活(3)結晶成長の課題は太陽電池の様々な
物性の複合による発現に由来する、このため適切な複数の評価手法とした研究開発が重要となる。
と、まぁ、簡単にまとめるとこういうことになる。この先どのような道筋を辿るのかわからない
が電気特性と内部構造が解析されるこにより、一層の有機薄膜太陽電池をはじめとした有機エレ
クトロニクス関連電子機器や素子市場が発展拡大されていくものと考えられる。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする