極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

見世物小屋のベビーリーフ

2011年02月06日 | びわこ環境



幾年の 手折りし葦の 浜に降り 生い茂る夢 きみと織りなす 

mesclun

5年以上はきていないかなと思いつつJR山科駅から
地下鉄東西線を乗り継ぎ東山三条からタクシーに乗
り換え京都大学へ。「懐かしいね」とベトナム反戦・
学園紛争当時を思い出しつぶやくと「若者が頑張っ
ていないのはあかん」と運転手が合いの手を入れて
きた。「追体験文化ですからね」「だから、なめら
れるますねんや・・・」とそんな会話交わしながら
到着し「地下鉄は便利ですね」と話を落とした。

スズメノヒエ

【直進減速か方向転換か】

ここ20年の運動形態でいいのか、これからの運動の
質的転換を急ぐ必要はないのかのヒントを得るため
に「琵琶湖 その現状と未来」をテーマに環境フォ
ーラムに参加したのだが、フォーラムからの感じで
は「まだ、余裕があるのかなぁ」という結論だった
ので暫くこの延長で考えていくことに。



「第9回京都大学地球環境フォーラム」琵琶湖 その現状と未来」


個別には京大防災研究所は山敷庸亮の「近未来・将
来における琵琶湖水温・水質の数値予測」に引き込
まれる。スーパーコンピューの「なぜ世界ナンバー
2ではだめですか」のあの事業仕分けで、地球温暖
化予測等の高速演算には「ナンバー1」派の山敷氏
ではあるが端的に言えば、廉価なコンピュータによ
る複数並列処理で良いとする『デジタル革命』派の
わたし(たち)と違うがIPCC(Intergovernmental Panel
on Climate Change
)のA1Bを元に2099年の琵琶湖の表
層温度は夏場で34℃、水温躍層水深がいまより10㍍深
くなり鹿児島の池田湖のような湖底では無酸素状態
に近くなるという。

水生植物多様性損 失評価モデル

もっとも、湧水流入量や風波の影響あるいは黄砂か
ら持ち込まれる窒素など見積もり前提条件で電算機
予測は変わることを承知で三次元的電算予測の大切
さの強調は印象的でこれは「現代の見世物小屋」で
はないかと思えた。
もっとも現代のショーブースで
はビジネスには欠かせないものだが。



show booth

地球親和技術部の田中周平の「琵琶湖岸水生植物群
落の再生・保全技術の過去・現在・未来」のヨシ植
栽実験の報告では、現在の保全方法ではチクゴスズ
メノヒエとうの外来種の侵入を防止できず、水沈植
物、浮き草、水生植物、湖畔樹林など多様性を配慮
設計し、機動的消波施設の運用で再生が可能だとの
報告も印象に残ったが田中氏の『水生植物多様性損
失評価モデル
』の世界的展開の提示に、これは面白
いと膝を打った。


水生植物多様性損失評価モデル

Ikedako.jpg


【それでも21世紀は日本】

こんかいの出張で得るところ多い。『デジタル革命』
の必然性として「新弥生時代」がナノ・デジ融合技
術文化が花咲くのだが、きめ細やかで丁寧な農耕文
化は日本の強みだ。徹頭徹尾「地産地消」を実践す
ることから<世界>が見えてくる。「兄ちゃん、デジ
タルはコンテンツやで
」と。例えば、栽培中のベビ
ーリーフに、150~600μmol/m2/secである可視光、
及び100 μW/cm2 以上であるUV-B光を照射する植物
のポリフェノール増収するということがわかってい
る(特開2007-89430「植物のポリフェノール増収方
法及び増収装置」)。これは生物多様性ではないが
この結果を得るための極め細かな質量のある試験努
力というのは日本の文化遺伝子から生まれる(半導
体技術の素地はすでに江戸時代の春画の浮世絵製造
技術にあったと「技術かポルノか」と中沢新一は、
嘗て指摘していた)。


特開2007-89430

とまれ、上表はイチゴ果実表皮の着色について、ポ
リフェノール増収装置を用いて検証を行った。検証
結果を示し、ハウス栽培時に曇天が続き、やや着色
不足なイチゴを用い、25℃で48時間、UV-B光を
360
μW/cm可視光を 23 μmol/m2/sec  照射すること
で、イチゴ果実の表皮が充分な赤色に着色できるこ
とを示している。つまりは「露地栽培かハウス栽培
(植物工場)」は違いを超えて生態系保全=環境保
全に向き合う「丁寧な仕事」こそが21世紀の基本
姿勢であるということを教えてくれているように思
える。
      

 

※「植物の栽培 | 環境制御 | 光の制御、補光

                                              

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする