極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

萬年草とマニラで死す

2009年06月09日 | 近江歴史回廊


張り詰めた異教を背負い  ひたすらに漂う先の咲く萬年草



植物は感じて生きている Check here

植物と動物の大きな違いは「光合成」ともう一つ「中枢神経
」の有無が挙げられる。そう、中枢神経をもたない「分散シ
ステム」「分化全性能性」が植物ゆえんということで今回は
『植物は感じて生きている』の話
。「もっと光を」は(1)
光発芽(2)緑化:葉緑体形成(3)遊陰反応:背伸び工程
(4)光周性:花芽調整工程の性格環となって現れる。その
4つの工程を繋げるのが、赤い光を感じる色素たんぱく質の
フィトクロム」というわけだ。

 Phytochrome absorbtion

ところで、フィトクロムは分子量約12万の色素タンパク質で、
赤・遠赤色光の光受容体として植物の様々な光応答反応を制
御しているが、ここからが謎。感度の2種類のフィトクロム
の確認ができているが、植物のオンリーワンの遠赤外線と赤
外線との比率を感受する感度が1万倍異なる光受容体の並存
機構が不明だという。




この赤色光受容体フィトクロム以外に植物にはこのほかに青
色光受容体クリプトクロムとがあり、ともに光に基づく応答・
調節に関わりフォトトロピンはこのタンパク質の一種だが、
茎などが光の方向に曲がる現象である光屈性に関係するとい
う。その葉緑体の光を感じて伝達される速度は、基幹から縁
辺へは2.3m/分、逆の縁辺から基幹までは0.6m/分だが、
その機構の詳細は謎という。


【サボテンの気孔は夜開く】

 Stoma

気孔は、葉の表皮に存在する小さな穴(開口部)で。2つの
細胞(孔辺細胞)が唇型に向かい合った構造で、孔辺細胞の
形が変化し孔の大きさが調節される。主に光合成、呼吸及び
蒸散に外部と気体の交換を行い、浸透圧π=MRT の変化
で開閉する、つまり、孔辺細胞の膜電位が低下しカリウムが
流入し圧が上昇し開き、逆に電位が上昇するとカリウムが流
出し圧が低下し閉じる(カリウムチャンネル)


 potassium channel

流れでいうと青色光フォトトロピンが反応し、水素イオン-
ATPアーゼに信号伝達され細胞膜が過分極でカリウムチャン
ネルが作動し、カリウムイオンや塩素イオン、水が流入しリ
ンゴ酸が生成し孔辺細胞が膨張し開口。逆に、植物ホルモン
のアブシジン酸が送られ、受容体がカルシウム濃度を上げ、
イオンチャンネルの活性化でリンゴ酸などの陰イオンが流出
し収縮し閉口する。



Red, yellow and green pepperbell pepper



【極寒から灼熱まで】

地下に水があれば植物は耐暑能力は充分(~55℃)。問題
は寒さ。低温は植物の生産性を支配する重要な環境因子の1
つ。稲など低温によって傷害を被り、生産性が著しく低下。
植物の低温に対する耐性は種によって多様であり、0~10
℃の低温に曝されると傷害を受けるもの、0℃以下の凍結温
度で傷害を受けるものがある。一般に温帯起源の植物は、気
温の低下と共に低温に対して馴化する能力を有し、真冬には
-30℃以下の凍結に耐えるものも多く存在するという。


 ボンボリトウヒレン


植物の低温馴化は、(1)気温の変化の検知(2)検知した
情報の伝達(3)低温誘導性遺伝子群の発現(4)遺伝子産
物の機能発現などの過程を経て凍結耐性能の獲得するが謎が
多い。


 sweet poteto

まず、低温化で膜の流動性が低下しセンサ(?)が働きカル
シウムが膜内に注入、タンパク質の制御(リン酸化・脱リン
酸化による活性/不活性)し、最終的に低温誘導性遺伝子の
発現を促すというところまでは分かっている。




の先にはミスター・ブレインが?】

(1)植物はどうやって重力を感じ、生体情報に変換してい
るのか(2)根が曲がる場所に生体情報伝えているのか(3)
どうやって根をまげるのかを解明する研究が進められている。

この重力屈性機構は根冠で重力を感じ、成長ホルモンのオー
キシンの不均等な分布で伸長帯で屈曲が起こる(『微小重力
下における根の水分屈性とオーキシン制御遺伝子の発現
』)。


 root cup

つまり、この根冠を形成するコルメラ細胞内にあるプラスチ
内にデンプン粒を含む細胞小器官のアミロプラストを重力
感受体としているところまでは解明されている。当に、根は
植物の頭脳といわれるゆえんなのだ。屈性はなにも重量だけ
でない。化学、水分、光、温度、接触などもなるがその機構
の解明はこれからだ。




『地中の☆は?』

植物にあって、哺乳動物にない構成ミネラルをご存知だろう
か。それはボロン、ホウ素だ。さて、栄養元素の窒素は光合
成を促進させ収穫をを増やすが、近代の化学肥料が発明させ
て飛躍増大する。とはいえい大気中の窒素を地中のバクテリ
アにより固定され再び大気中に窒素ガスとして放出されまで
千二百年まで要する。ところが近年、投入される化学肥料の
8割は過剰投入され土壌の富栄養化が問題となっている。



さて、今回で植物生理学の基礎の復習を了とした。残りの「
第1巻 植物が地球をかえた!」「第3巻 花はなぜ咲くの
?」「第5巻 植物で未来をつくる」は、後日適時・適宜読
んでみよう。


 TakayamaUkon

10数年前、生前、口数の少ない親父が出身地の生駒市高山
町庄田の墓参りの途中、草笛を作って吹いて見せたりしてい
たが突然、キリシタン大名の高山右近の末裔だと言い出した。
これは後日過去帳を調べても繋がりとなるものが出なかった
口承での話。ひょんなことから関西顔の親族(明石家さんま
風)ばかりだが、どうも鎌倉時代末からこちらに移り住んだ
関東の血筋の一族ではないかとの思いに取り憑かれていた。

 高槻城の復元模型


高山氏は摂津国三島郡高山庄(現在の大阪府豊能郡豊能町高
山)出身の国人領主である。出自は秩父氏の一派の高山党の
庶流とも甲賀五十三家の一つともいわれる。父の友照が当主
のころには当時畿内で大きな勢力を振るった三好長慶に仕え、
長慶の重臣松永久秀にしたがって大和国宇陀郡の沢城(現在
の奈良県宇陀市榛原区)を居城としたと伝えられる。ポルト
ガル語で「正義の人」を意味するユストが洗礼名。


ファイル:Takayama Hikokuro Statue.jpg 高山彦九郎

織田有楽斉の「喫茶余禄」による右近の茶道の評価は「作り
も思い入れも良いが、どこか『清(きよし)の病い』がある」
ともいわれるが、 慶長19年(1614年)、加賀で暮らしてい
た右近はキリシタン追放令を受けて、マニラに12月に到着。
スペイン人のフィリピン総督、フアン・デ・シルバらから大
歓迎を受けたが、船旅の疲れや慣れない気候のため、翌年の
2月4日に息を引き取った。享年63歳。因みに、高山彦九郎
は同じ平姓秩父氏族の流れを汲む。




マンネングサ属(sedum)の萬年草。ベンケイソウ科に属。園芸
品種のニジノタマやメキシコマンネングサなどが属する。メ
キシコマンネングサは、ベンケイソウ科の帰化植物。学名は
Sedum mexicanumメキシコという名前がついているが、原産地
は不明だという。5月ごろに黄色の花が咲く。Sedum(セダ
ム)は、ラテン語の 「sedere(座る)」が語源。良く知られ
る「マンネングサ」。花言葉「私を思ってください」。


コメント
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