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ペイリン、自叙伝発売全米キャンペーン開始 Going Rogue

2009-11-21 | 米国・EU動向
2009年11月20日(土)

米大統領選挙で共和党副大統領候補だったサラ・ペイリン(Sarah Palin)前アラスカ州知事の回顧録」が11月17日に出版されたが、彼女は、全米に宣伝のツアーを派手に展開し始め、それが大きな話題になっている。

この回顧録はもともと2010年春に出版される予定だったが、年末のクリスマス商戦に間に合わせるために、彼女に出版社が急がせて早く書き上げさせたものである。

その題名は、「Going Rogue: An American Life」である。この”Going Rogue”は、そのまま訳せば、「はぐれ者になって」となる。もちろん、ブッシュ政権が、イランや北朝鮮を‘rogue nations’(ならず者国家)と呼んだように、「ワル」という響きも濃厚な言葉でもある。

この題名をことさら選んだのには、理由がある。彼女が、大統領選挙中に、選挙戦略や、個々の戦術で、ことごとく選挙参謀や、マケイン氏と対立していたときに、オンライン・マガジン’Slate’上で政治評論家John Dickerson氏が、「サラ・ペイリンが、マケインに楯突くのは意図があってのことか、何もないのか」と論評した記事に由来する。

同氏は、その記事の冒頭で、「サラ・ペイリンははぐれ者になったか」(Has Sarah Palin "gone rogue"?) と疑問を投げかけ、さらに記事中で、the Palin-as-a-lone-wolf (一匹狼ペイリン)とか、Palin-as-rogue (はぐれ者ペイリン)と評したのである。

颯爽とメディアの舞台に復帰した彼女の言葉は、"My ambition, if you will, my desire, is to help our country in whatever role that may be, and I cannot predict what that will be." であった。(私の野心、エーと、私の願望と聞かれたら、それはこの国の役に立ちたいということね。どんな役割であってもいいのよ。それが何になるかは私にもわからないわ)

アラスカ州知事の職を突然投げ打った彼女の願望が、ベストセラーで儲けたいということだけではないことは、明らかである。